年上部下のマネジメント方法!信頼関係を作り、モチベーションを上げるポイント

年上部下のマネジメント方法!信頼関係を作り、モチベーションを上げるポイント

日本のビジネス現場でも、評価制度が年功序列から成果主義へと変わり、転職が一般化したことから、「年上部下」をマネジメントする「年下上司」が増加しています。
状況によって「年上部下」のなかには、自分自身よりも社歴の長い先輩もいるでしょうし、中途で入社してきた新人もいるでしょう。
こうした「年上部下」をマネジメントする際には、経験やスキル、プライドなどによって信頼関係の構築に苦戦したり、コミュニケーションに苦慮したりするなど、年下上司の悩みや問題も生じやすくなります。
記事では、年下上司と年上部下の関係悪化につながる誤ったマネジメントの事例、また、年上部下が取り入れると良い姿勢や取り組みを紹介します。

<目次>

間違った年上部下のマネジメント事例

睨み合う上司と部下

「年下上司」と「年上部下」の関係悪化を招く誤ったマネジメントには、以下のようなものがあります。

人生経験やスキルを軽視したマネジメント

年上部下には、同じ業界内にずっといる人であれば豊富な業務経験、他業種からの転職であれば豊富な人生経験や社会経験があるでしょう。また業務に直接的に関係しないとしても、年齢が上の部下にはそれだけの人生経験があります。
もちろん、年下上司の下に配属されているからには、年上部下には能力やスキルの不足、学ぶべきことがあります。ただ受け入れる年下上司のほうでも、年上部下が培ってきた経験やスキルは、可能な限り尊重する必要があります。
成果や成長のために指摘すべきことは指摘する必要がありますが、頭ごなしに相手の経験やスキルを否定してしまうと、年上部下のプライドは傷つき、心を閉ざしてしまったり信頼関係の構築が難しくなったりするでしょう。

上から目線のマネジメント

上から目線の乱暴な言い方や、配慮に欠けた失礼な言葉遣いも、年上部下との関係を悪くします。また、言葉遣いの悪さは、年上部下などの年長者への敬意がない印象を周囲に与えます。
上司と部下は職場における「役割」にすぎません。上司が持つ意思決定や指示の役割はきっちりと果たす必要がありますが、言葉遣いは年上である相手への敬意を払うことが大切です。

へりくだりすぎたマネジメント

前述とは逆に「年上だから…」という理由で、部下にへりくだったり、遠慮しすぎたりすると、年下上司が本来のリーダーシップを発揮できなくなります。
年上部下の経験を尊重したり、アドバイスをもらったり、相談したりするなど、相手を尊重する姿勢は年上部下との信頼関係を築くうえで有効です。
しかし、上司としての意思決定や指示などの役割を果たす際に、相手の顔色を窺ったり、気を遣いすぎたりするマネジメントは本人との関係、組織内の人間関係に悪影響をおよぼします。

年上部下との信頼関係の作り方

年上部下との信頼関係を築く基本は、「目上の個人への敬意」と「マネジメントとしての役割」を両立させることです。
本章では、年下上司が年上部下との信頼関係を築く4つのポイントを紹介します。

管理職やリーダーとしての役割を遂行する

年上部下との歳の差や関係性がどのようなものであっても、年下上司が管理職やリーダーとしてやるべき仕事や役割は変わりません。
例えば、突然チーム内に年上部下が入ってきたからといって、ビジネスの役割分担として、相手に対して意思決定を譲ったり、過度の配慮をしたりする必要はありません。「年上だから…」と対応を変えてしまっては、他メンバーがその動きに振り回されたり、組織が機能しなくなってしまったりする可能性があります。
そのため、自分のチームに年上部下が入ってきた場合、「その人とどう接すればいいか?」「どう信頼関係を作るか?」「どうモチベートするか?」に工夫は必要ですが、リーダーとしての仕事内容を変える必要はありません。

原則は敬語で接する

上司やマネージャーは人間として偉いわけではありません。あくまで組織の役割として決定権などを担っているだけです。
したがって、年上部下に対しては、年齢的に目上の人間として経緯を払い、敬語(丁寧語)で接することが基本です。相手が入社したばかりの新人であっても、年上なら必ず敬語で接しましょう。
なお、繰り返しになりますが、敬語で接して相手を個人として尊重することと、リーダーとして意思決定や指示の役割を果たすことは別物です。きちんと切り分ける意識を持つことが大切です。

知らないことを恥じずに、力を借りる姿勢を持つ

部下はリーダーや同僚から頼ってもらうことをうれしく感じるものです。年下の部下はもちろんですが、年上部下は信頼関係があれば、年下上司に頼られることをよりうれしく思います。
時には「お願いできますか?」や「力を貸していただけますか?」「何か知恵はありませんか?」といった、年上部下を頼る姿勢を持つことも、年上部下とのコミュニケーション、信頼関係の構築には有効です。
また、年下上司の現場経験は年上部下より短いこともあるでしょう。自分の経験不足や知らないことは素直に認め、チームメンバーの力を謙虚に借りたり、感謝したりする姿勢を持つことが大切です。

すべての部下に対して公平・平等に関わる

チーム内の関係を良くするには、部下の年齢やキャリアにとらわれることなく、相手に敬意を持って公平・平等に関わることが大切です。リーダーがこの姿勢を確立すると、どのような属性のメンバーが入ってきても、組織内のブレや不満が生じにくくなります。
各個人への敬意は持ったうえで、リーダーが公平・平等に関わる組織のほうが、心理的安全性も高まり、年齢に関係なく仕事しやすいチームになっていくでしょう。

年上部下のモチベーションを上げるマネジメント方法

年配社員に仕事を教える若手社員

年上部下に活躍してもらうには、以下のような方法でモチベーションを上げることが有効です。

年上部下の居場所をつくる

上司が年下で、自分より若い人材が多い組織に入った場合、年上部下は「自分はここにいていいのだろうか?」「自分がいる意味があるのか?」といった不安を抱えがちです。不安を解消するには、「自分の居場所がある」と思える具体的な役割を与えることがおススメです。
例えば、業界経験の長い年上部下に若手の指導役をお願いすれば、長いキャリアから得た経験や気付きなども伝えてもらえるメリットが生まれます。発言や提案してもらう機会等も増やすことも効果的です。
また、居場所を作るうえでは、企業やチームのビジョンを伝えて、ビジョンを実現するために「力を貸して欲しい」「◯◯スキルの高い若手を育てていきたい」といった話をすることでも、年上部下の役割や居場所は増えやすくなるでしょう。
チーム内に居場所がある実感が生まれると、年下上司や同僚の話にも耳を傾ける心の余裕も生まれやすくなるでしょう。

年上部下のプライドを認め、プライドを活かす

年上部下の場合、人生経験や業務経験がある分、年下上司やチームに対して構える姿勢があったり、プライドが高かったりするのはやむを得ない部分があるでしょう。
そのプライドを「悪しきもの」として否定せず、生かしてもらえるように働きかけていきましょう。

  • ◯◯さんの経験は若手にも役立つと思います
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年下上司が年上部下のプライドを受け入れると、同チーム内で働く部下も年上部下の経験を尊重しやすくなりますし、年上部下の居場所も次第に増えていくことでしょう。

指示するときは、慎重に動機付ける

経験やスキル豊富な年上部下とのやり取りで難しいのが、指示の出し方です。経験豊富な年上部下の場合、リーダーの意思決定に違和感を持ったり、プライド上もリーダーの指示に異議を唱えたりするものです。
こうした問題を防ぐには、気心の知れた年下部下よりも慎重かつ丁寧に意思決定と指示をすることが大切です。意思決定はあくまで上司の役割ですが、年上部下にベテランならではの意見や疑問点、提案がないかを確認しましょう。ある場合は、きちんと耳を傾けて相手の話を聴いたうえで、意思決定を下すとよいでしょう。
また指示を出す際には「具体的なやり方」と「自由に行なっていい範囲」を示すことがおススメです。
指示として守ってほしいところに関しては、「ここは◯◯でお願いします」や「ここだけは〇〇に注意してください」など、具体的に指示して、リーダーの強い意志を込めるようにします。
また、年上部下に必要以上の窮屈さを与えないためには、否定的な指示「◯◯しないように」ではなく、肯定的な指示「◯◯してください」など、ポジティブな表現に置き換えるとよいでしょう。

まとめ

年上部下のマネジメントで大切なのは、「目上の個人への敬意」と「マネジメントとしての役割」を両立させることです。

 

「上司」と「部下」はあくまで役割に過ぎません。年上部下と信頼関係を作ったり、モチベーションを高めたりするためには、目上の個人として敬語を使って接したり、年上部下の経験や知恵を借りたり、意思決定前にアドバイスをもらったりするような関わりが有効です。

 

一方で、マネジメントとしての役割は譲らず、意思決定や指示においては、過剰な遠慮や配慮をしないことも大切です。すべての部下に対して公平・平等に関わる姿勢を持ちましょう。

 

年上部下との関わり方に悩む年下上司の方は、記事の内容をマネジメント方法の参考にしていただければと思います。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役|HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

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