ここからフィードバックのやり方について紹介していきます。フィードバックの進め方には、いくつかのフレームワークがあります。多くの人が無意識に使っていますが、フレームワークを理解しておくことで効果的なフィードバックをしやすくなりますので、5つの代表的なフレームワークを紹介します。
1.SBI型
SBI型のフィードバックとは、
S:Situation(状況)
B:behavior(行動)
I:Impact(影響)
の頭文字をとったものです。
非常にシンプルで、相手がどのような状況でどういった行動をしたのか、それがどのような影響を与えたのか、上司の意見を含めて伝えていきます。フィードバックの基本となる型といえます。
SBI型の具体例
- 【Situation(状況)】
「先日、プレゼンの準備をチームでしていた時のことに関してフィードバックします」 - 【behavior(行動)】
「○○さんが先方の事業に関する資料を、事前に収集してまとめてくれました。」 - 【Impact(影響)】
「そのおかげで準備がスムーズに進みました。見直しの時間が充分取れて発表前に大きなミスが見つかり修正できました。」
2.サンドイッチ型
サンドイッチ型とは、名称のとおり、「具」を「パン」で挟み込むサンドイッチのようにネガティブフィードバックを、ポジティブフィードバックで挟み込むやり方です。
(パン)ポジティブなフィードバック
(具)改善点・指摘=ネガティブなフィードバック
(パン)ポジティブなフィードバック
2つのポジティブなフィードバックの間に、ネガティブな「改善点の指摘」を挟むことで、部下のモチベーションが必要以上に落ち込みません。ネガティブフィードバックをする際に意識するとよいでしょう。
サンドイッチ型の具体例
- 【褒める】
「昨日の資料、図解がわかりやすくできていて良かったです。」 - 【指摘・改善点】
「ただし、約束した期日に間に合わず、事前の報告もなく遅れたことは今後改善するようにしてください。後工程でスケジュールを押さえていた人に遅れが出たりすることになります。」 - 【褒める】
「資料の品質は良くて、プレゼンでもお客様にもしっかりと伝わったので助かりました。今後も今回の構成はぜひ活かしてください。」
3.FEED型
FEED型のフィードバックとは、以下の頭文字をとったものです。
F:Fact(事実)
E:Example(例)
E:Effect(影響)
D:Different(代替案)
事実を確認し、なぜそのことを事例として取り上げたかを説明します。そのことでどのような影響があったかを伝え、最後に「代替案」として他にどのような行動ができるかを示していきます。
FEED型の具体例(ポジティブフィードバックでの活用)
- 【Fact(事実)】
「先日のプレゼンで後輩の〇〇君のサポートをしてくれていましたね。」 - 【Example(例)】
「なかなか鋭いアドバイスしていたので感心しました。」 - 【Effect(影響)】
「〇〇君も納得していたし、これから良くなると思うから楽しみです。」 - 【Different(代替案)】
「そういったアドバイスを他のメンバーにもしてくれると、もっとチームが良くなると思うので、これからもお願いします。」
4.KPT型
KPT型のフィードバックとは、K:Keep(良かったこと、今後も継続すべきこと)、P:Problem(抱えている課題)、T:Try(今後改善すべきこと)の頭文字を取ったものです。
上司と部下でコミュニケーションを取りながら進めていくことがポイントです。上司は、評価・指摘したい点をある程度想定したうえで、あえて部下の考えを尋ねます。KPT型は一方的にフィードバックするのではなく、双方向型で進めることで、部下の自発的な成長を促すことが期待できます。
KPT型の具体例
- 【K:Keep(良かったよかったこと、今後も継続すべきこと)】
上司:「先日、新商品の販促の企画を考えて実施してくれました。どこがうまくいったと思いますか?」
部下:「新商品の強みを打ち出せたという点が、うまくいったと思います。」
上司:「そうですね。非常にインパクトがあり、わかりやすかったです。」 - 【P:Problem(抱えている課題)】
上司:「やってみて、改善すべき点はあると思いますか?」
部下:「資料が途中で不足してしまったので、滞りがありました。事前の準備に問題があったように思います。」 - 【T:Try(今後改善すべきこと)】
上司:「では、次回からは想定されるトラブルにも備えておきましょう。」
部下:「わかりました。次回から、意識して進めます。」
5.ペンドルトン型
ペンドルトン型とは、心理学者のペンドルトン氏が開発したフィードバックの型のことです。KPT型と同じように、フィードバックをする上司と受ける部下の間で「対話」をしながら進めていくのが特徴です。
なにを話すのか(確認)
良かった点
改善点
今後どうするのか(行動計画)
まとめ
はじめの段階で「なにを話すのか」について認識を合わせて、その事柄に対して部下に自分の言葉で考えさせながら、伝えるフィードバックです。
(ペンドルトン型の具体例)
- 【確認】
上司:「先日終わった企画のプロジェクトについて、やってみてどう思いましたか?」 - 【良かった点】
部下:「効果的な改善案が出たことで、いい企画になったと思います。」 - 【改善点】
上司:「そうですね。会議では皆が準備できていて、いいアイデアが多く出ました。プロジェクトとして成功だったと思います。もっとこうすればよかった、という点はありますか?」
部下:「まとめきれなかった部分もあったので、スケジュールの配分が問題だったなと思います。」 - 【行動計画】
上司:「どうすれば改善されると思いますか?」
部下:「事前に担当者からヒアリングをしておけば、時間の見積もりができたのではないかと思います。担当表を作成し、ヒアリングを工程に入れるようにします。」 - 【まとめ】
上司:「それは良いアイデアですね。できあがったらぜひ見せてください。」
部下:「では次回からは担当表とヒアリングのスケジュールを作成し、事前に見ていただくようにします。」