収入次第では年金受給額が減る?
老齢厚生年金には、在職老齢年金という仕組みがあります。在職老齢年金という制度の下では、高齢者が受け取れる年金額が、月給・賞与と年金額に応じて減る場合があります。
まず、1986年の年金制度改正により、老齢厚生年金の支給は65歳からになっています。しかし、厚生年金の加入期間が1年以上あり、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば、60歳から64歳までの老齢厚生年金が特別に支給されることになっており、これを特別支給の老齢厚生年金といいます。
したがって、該当する高齢者が、60歳以降も働き続けた場合、勤務先から月給・賞与が支払われることに加えて、特別支給の老齢厚生年金を受け取ることになります。
年金は本来、退職によって収入がなくなったあとの所得を保護するためにつくられた制度です。しかし、60歳を過ぎての再雇用などでは給与額が大きく減少するケースも多く、特別支給の老齢厚生年金が65歳未満でも支払われる形になっています。
一方で、給料が高い人の場合、年金制度における本来の目的である「退職によって収入がなくなったあとの所得を保護する」に該当しなくなる可能性が高いでしょう。そうなれば、退職をして年金を中心に生活をする高齢者との間に不公平感が生じます。
こうした背景から、働く高齢者と退職した高齢者の間に生じる不公平感を解消するために、「月給・賞与+年金額の合計が一定水準よりも高い場合は、受け取れる年金額が減る」という考え方の在職老齢年金という制度があります。






