リーダーシップのイメージと本質とは?6つのリーダー像と求められる力、高め方を解説

リーダーシップのイメージと本質とは?6つのリーダー像と求められる力、高め方を解説

“リーダーシップ”という言葉に対してどのような印象をお持ちでしょうか。一般的にリーダーシップというと、「強いカリスマで組織を引っ張っていく」といった場面を想像する人も多いかもしれません。

 

たしかにリーダーシップには「周囲の人を鼓舞する」「率先垂範して行動する」などの側面があります。しかし、それだけがリーダーシップではありません。

 

記事では、「リーダーシップのイメージ」をテーマに、6つのタイプのリーダー像やリーダーに求められる力をお伝えします。

<目次>

リーダーシップのイメージと本質

記事では最初に、一般的なリーダーシップのイメージ、およびドラッカーが定義するリーダーシップの本質、そしてリーダーシップと混同されることの多い“マネジメント”との違いを解説します。

 

リーダーシップの一般的なイメージ

リーダーシップにはさまざまな定義がありますが、 一般的には“指導力”“統率力”の意味合いで認識されているケースが多いでしょう。

 

確かに、“Leadership(リーダーシップ)”の語源ともなる言葉に含まれる“lead(率いる)”という単語からも、「チームを先頭で引っ張る」「指揮を執る」といったイメージが思い浮かびます。

 

組織においてでもチームや部門の先頭に立ってメンバーの士気を高めていくことはリーダーの重要な役割です。このようにリーダーシップにはカリスマ性強い責任感使命感といったイメージが強くあります。

 

 

ドラッカーによるリーダーシップの本質とは何か?

上記ではリーダーシップに対する一般的なイメージに触れましたが、リーダーシップの本質とはいったい何でしょうか。

 

現代経営学の父として名高い ピーターF.ドラッカー は、著書の中で「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事として見ることである」と述べています。すなわちリーダーシップとは“仕事”だということです。また、リーダーシップについて、自身の仕事を“責任”として見ることであるとも述べています。

 

ドラッカーに従えば、一般にイメージされる卓越した能力やカリスマ性といった“資質”は、リーダーシップの要件ではないことが分かります。自らのすべき仕事を自分事として捉えて、責任を全うするために全力を尽くすあり方こそが、ドラッカーの唱えによるリーダーシップの本質といえるでしょう。

 

 

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップと同じような意味合いで使われる言葉に“マネジメント”があります。実際のところ、リーダーシップとマネジメントはどう違うのでしょうか。

 

どちらも、組織の成果に対して重要な役割を担っているという点では共通している一方で、リーダーシップとマネジメントの一番の違いは「何を重視しているか」です。

 

リーダーシップは、「どのような(What)目標を掲げ、どこ(Where)に向かってチームを導いていくか」に焦点を当てています。方向性を重視するリーダーシップにとって必要となるのは、将来を見据えた定性的な能力です。

 

一方でマネジメントは、目標に対して「いつまでに(When)、誰が(Who)、どのように(How)」という点を重視します。いかにして目標を達成するかが重要となるマネジメントでは、タスクを管理したり業務を仕組み化したりといった定量的な能力が求められます。

 

いわゆる「どこに向かうか」を決めるのがリーダーシップであり、「向かう工程」を司るのがマネジメントというわけです。

 

 

リーダーシップを求められるのは管理職だけなのか?

リーダーシップを発揮することが求められる存在である“リーダー”という単語は、さまざまな意味合いで使われます。

 

「チームや組織の責任者である管理職」として使われることもありますし、「周囲に良い影響を与える存在」というニュアンスで使われることもあれば、「自分自身を叱咤激励してチームや組織を前に進ませる」というセルフリーダーシップの文脈で使われることもあります。

 

チームや組織の責任者である管理職が“リーダーシップ”を発揮できず、リーダーとして機能していなければ致命的であり、管理職にとってリーダーシップは不可欠なものです。ただし、管理職でなければリーダーシップが必要ないというわけではありません。

 

前述の通り、まず自分自身に対するリーダーシップ(セルフリーダーシップ)は、すべてのビジネスパーソンが持つべきものですし、自分に対するリーダーシップがしっかりと充実してくることで周囲に対して良い影響を及ぼせるようになるでしょう。

 

そして、そこに“権限”と“役割”の力が加わることで、チームや組織を引っ張るのが管理職であるというイメージです。

 

次章以降で紹介する6つのリーダー像やリーダーに求められる7つの力も、決して管理職に限定した話ではありません。

  1. セルフリーダーシップを発揮する個人
  2. セルフリーダーシップが充実することで周囲に対する良い影響を発揮するリーダー的存在
  3. リーダーシップ+役割・権限を持って組織をけん引する管理職

 

という3つの階層をイメージしながら、お読みいただければと思います。

6つのタイプのリーダー像

前章で触れたドラッカーの言葉にあるように、リーダーシップの要件は、カリスマ性や卓越した能力などの人に備わった資質ではありません。

 

自らのすべき仕事を自分事として捉えて、全力で取り組むあり方こそがリーダーシップであり、それぞれのリーダーによってさまざまなかたちで発揮されます。

 

しかし、大別するとリーダーシップのスタイルはいくつかのタイプに分けることができます。リーダーシップを最大限に発揮するには、自身のリーダーシップのタイプを知り、状況に合わせてスタイルを使い分けることが重要だとされています。

 

本章では、ベストセラー『EQ・こころの知能指数』などの著書で知られる ダニエル・ゴールマン による6つのタイプのリーダー像を紹介します。

 

 

1.ビジョン型リーダーシップ

ビジョン型リーダーシップは、チームの使命やビジョンを目標として掲げ、メンバーを動かしていくリーダーシップスタイルです。ビジョン型のリーダーは、チームの目標を明確に示しますが、目標達成の手段や方法(マネジメント)はメンバーに大きく権限移譲し任せるのが特徴です。

 

そのため、ビジョン型リーダーシップを発揮するリーダーの下では、主体性・自律性の高いチームが生まれます。

 

 

2.コーチ型リーダーシップ

コーチ型リーダーシップは、メンバー一人ひとりと関わり、それぞれのメンバーの夢や想いを尊重しながら目標達成を目指していくリーダーシップのスタイルです。コーチ型のリーダーは、メンバーと1対1の関係を築き、各自の個性に合わせた関わり方を重視します。

 

メンバーは自分の強みを発揮しやすくなるため、小規模の組織では高いパフォーマンスが生まれるのがメリットです。

 

その反面、コーチ型の強みを発揮するためには、さまざまなメンバーをフォローできるだけのスキルが求められます。また、チームの規模が大きくなると、リーダーの1対1のコーチングが難しくなり、メンバーの主体性が下がりやすいという弱点も持ち合わせています。

 

 

3.関係重視型リーダーシップ

関係重視型リーダーシップは、チームの絆や感情的な側面を重視するリーダーシップのスタイルです。関係重視型リーダーのチームでは、メンバー同士がお互いに人間関係を深めながら仕事を進めていくため、一体感や信頼関係の厚いチームになります。

 

その半面、仕事の成果よりもチームの感情的なつながりが優先されるため、目標の達成度合いや結果があと回しになるリスクも生じます。また、リーダー自身もチーム内の対立や関係悪化を避けるために、痛みを伴う課題には消極的になりやすいという点もデメリットといえます。

 

 

4.民主型リーダーシップ

民主型リーダーシップは、メンバーの合意を得ながら仕事を進め、意思決定でもメンバーの意見を重視するタイプのスタイルです。民主型リーダーシップの利点として、メンバーからさまざまな意見やアイデアが集まりやすい点が挙げられます。

 

また民主型のリーダーは、メンバーに積極的に意見を促すため、一人ひとりの参画意識が高まりやすい点もメリットといえます。

 

一方で、意見がまとまらない状況が生じると、いつまで経っても結論が出ないという傾向もあります。そのため、自分自身に痛みを伴うようなテーマ、総論賛成各論反対になりやすいテーマは、スピード感が求められず、緊急事態への対処等には向いていない部分があります。

 

 

5.ペースセッター型リーダーシップ

高い基準や目標をリーダー自身が行動で示し、かつ同様の基準をメンバーにも求めるのが、ペースセッター型リーダーシップのスタイルです。ペースセッター型リーダーシップは、メンバーに十分なパフォーマンスを発揮するために必要な意欲と能力が備わったうえで、チームとして高い成果を出したいときに有効なスタイルです。

 

逆にリーダーとメンバーでパフォーマンスにギャップがある場合は、メンバーのパフォーマンスがリーダーが期待する水準に結び付かず、結果にはなかなか結び付きません。結局「リーダーが自分一人でなんでもやってしまう・・・」といった状況を招くこともあります。

 

なお、ペースセッター型リーダーシップを有効に働かせるうえでは、まずメンバーの達成意欲や動機づけを図ることに取り組む必要があります。

 

 

6.指示命令型リーダーシップ

指示命令型リーダーシップは、強制的な指示・命令系統に基づいて目標達成を目指すリーダーシップのスタイルです。指示命令型リーダーシップでは、細部にわたってリーダーが指示・命令を行ない、メンバーは忠実に従うことが優先されます。したがって、当然のことながら、メンバーの自立や成長は全く期待できません。

 

その半面、チームの全ての決定権をリーダーが握るため、業務の効率性や意思決定のスピードは大きく向上します。指示命令型リーダーシップは、迅速な意思決定と対応が求められる災害やトラブル対応などの状況に適したスタイルだといえます。

 

 

リーダー像の優劣

現在、リーダー論の主流となっているのは、シチュエーショナルリーダーシップという考え方です。これは、絶対的に正しい優れたリーダーシップがあるわけではなく、それぞれの「状況」に適したリーダーシップがあるという考え方です。

 

ここでの状況としては、

  • 組織が置かれた状況(維持継続や改善、変革、危機対応など、何が優先されるかなど)
  • メンバーの状況(意欲や能力、信頼関係など)
  • 自分自身の状況(自分の特性や強み)

といったものが考えられます。

 

自らのすべき仕事を自分事として捉えて、全力で取り組むあり方を身に付けたうえで、自分の特性や強みを生かせるリーダーシップスタイルを見つける。そのうえで、組織が置かれた環境やメンバーの状況に応じて、複数のリーダーシップスタイルを使い分けられるようになることを目指しましょう。

リーダーに求められる7つの力

前章で紹介した6つのタイプのリーダー像のように、リーダーシップの発揮のされ方は1つではなくさまざまです。しかしながら、いかなるリーダーであっても必ずと言ってよいほど求められる要素も存在します。

 

本章では、リーダーに共通して求められる7つの力を紹介します。

 

 

1.誠実さ

ピーターF.ドラッカーは「インテグリティこそが組織のリーダーやマネジメントを担う人材にとって決定的に重要な資質である」と著書のなかで述べています。ドラッカーの言う インテグリティ とは“誠実さ”“真摯さ”を意味する言葉です。

 

ではなぜ、誠実さがリーダーにとって不可欠なのでしょうか?

 

その理由は、もしリーダーが誠実さを欠く人物であるならば、メンバーの信頼は得られないからです。リーダーの使命である、組織やチームの目標達成も叶わなくなってしまいます。継続的な人間関係を作るためには、テクニックやノウハウではなく、ベースとなる人格が求められます。

 

リーダーの誠実さには、常日頃から考え方・習慣・言動が一貫していることが大切です。リーダーの人格や人間性が信頼されて、誠実さを認めて初めて、メンバーからの信頼が生まれるでしょう。

 

 

2.主体性・当事者意識

リーダーに求められる2つ目の要素が、主体性当事者意識です。目の前の仕事への当事者意識から、課題解決へのアクションやより良い成果を生み出すための思考行動が生じ、リーダーシップの発揮へと繋がります。

 

ドラッカーが言う「リーダーシップを仕事としてみる」というあり方は、この主体性や当事者意識を指すものだとも考えられます。

 

当事者意識は多くの場合、“責任感”から生まれます。責任というと一般に「結果に対して責任を取る」といった意味合いで使われます。しかし“結果への責任”という意識だけでは、当事者意識はなかなか芽生えません。

 

当事者意識を生むために必要なのは、「自ら選択し、結果に影響を与えられる」という考え方です。自ら選択をした当事者だからこそ、自ずと結果への責任感が生まれるのです。

 

 

3.課題発見・設定解決力

リーダーに必要な3つ目の力が、課題発見設定解決力です。これはマネジメントの視点でも必要となるものですが、同時に「目標やゴールを設定する」というリーダーシップの文脈でも重要です。いわゆる VUCA の時代で環境変化が早く、複雑になるなかで、課題を見つけること自体の難易度は増しています。

 

リーダーシップとマネジメントに関する話のひとつに「間違ったところにかけたハシゴを効率よく上ることほど無駄なことはない」という話があります。課題を適切に見出して、ゴールを設定する力はリーダーにとって不可欠な力となっています。

 

近年の職場で多くの業務が複雑化した結果、解決が困難な課題も増えました。今までのセオリーが全く通用しないケースも少なくありません。そのため、困難な課題を解決する力がリーダーには求められます。

 

また、目標達成の過程で直面するのは定型的な課題だけではありません。未知の課題や非定型的な課題を発見し原因を突き止める力も必要となるでしょう。幅広い視野を持ち、さまざまな意見に耳を傾けたうえで、課題の発見と解決に臨むことが肝心です。

 

 

4.客観的に捉える力

人は目の前の物事をありのままに見ようとせず、主観や先入観で解釈してしまいます。自分なりの経験・知識に基づいて物事を解釈しますし、そこには価値観や強みなども反映されてきます。

 

自分の認識は決して「ありのまま」ではないという自覚に基づいて、例えば、過去に経験したような出来事や事例であれば、「前と同じ対応でいいや」というように、これまでの体験や先入観で判断しがちです。そのためリーダーには、物事を客観的に複数の視点から捉える力が求められます。

 

また、リーダーも人間ですから、間違った判断や行動をすることも当然あります。その際、自らの過ちや失敗を客観的に捉えて、軌道修正する力もリーダーには大切です。目の前の物事だけでなく、自分自身を振り返り客観的に捉える力も必要です。

 

例えば、人の話を聞く際に否定の言葉から入りがちであるとか、企画案を考える際に大切な部分を見落として工数をムダにすることが多いなど、これまでの行動を振り返ると失敗のパターンも発見できるでしょう。

 

すべてを完璧にこなすリーダーよりも、至らない部分を認め、前向きに改善しようとする人にメンバーはついてきます。

 

 

5.決断力

先ほど、リーダーに必要な力として目標発見・設定力を挙げました。現状を適切に分析し、課題を設定して、過去の事例や経験則をもとに現状分析し、適切な対応策を導き出す思考力は、課題解決するうえで欠かせないものです。

 

ただ、ビジネスにおける意思決定の大半は「正解」が分からないものです。階層が上がるにつれて、目標達成の課題に対しては、過去の事例や経験則をもとに現状分析し、適切な対応策を導き出す判断力が重要です。

 

しかし、リーダーが直面する課題のなかには、過去の経験則が通じなかったり、意思決定の決め手がなかったりといったケースも少なくないでしょう。その際、正解が分からない、根拠や決め手がないなかで意思決定をする“決断力”は、リーダーに求められる力のなかでもとりわけ重要なものです。

 

決断力の基となるのは、状況に動じない平常心や失敗を受け入れる覚悟、また、意思決定の軸となる信念などです。高い目標を目指すときほど、リーダーの決断力がものをいいます。

 

 

6.行動力・実行力

机の上で思考することよりも、まず行動することがリーダーには求められます。もちろん、やみくもに行動すれば良いというわけではありません。

 

しかし、何かを成し遂げるには決断して行動することが必要です。行動に移さないことは、より大きな問題といえます。なぜなら、目標が達成できるかどうかはやらずして分かるものではなく、結果はどうあれまず行動しないことには、あらゆる物事が前に進まないからです。

 

加えて、メンバーに見えるのは“リーダーの思考”ではなく“リーダーの行動”であるということも重要です。率先して動くリーダーに、人はついていきます。まず自分が行動してみる、自ら実践する姿を見せることから始めましょう。

 

背中で教える時代ではなくなっていますが、それでもリーダーの姿勢で伝わるものがたくさんあります。リーダーの行動を通じてメンバーにも、「あの人がやるというのだからきっとやれるのだろう」という信頼感が芽生えるようになります。

 

 

7.コミュニケーションスキル

リーダーが掲げる目標は、一人で達成できるものではありません。チームメンバーの協力があって初めて達成可能です。協力を引き出すために、リーダーにはビジョンや目標達成へのシナリオをメンバーに分かりやすい言葉で伝えられるコミュニケーションスキルが求められます。

 

コミュニケーションのなかでメンバーの想いを引き出し、チーム目標を各自が腹落ちできる言葉で伝えることができれば、チームの目標達成力は大きく前進するに違いありません。

 

マネジメントの要素にも繋がってくるところですが、チーム目標を一人のメンバーの価値あるゴールへと変換し、実際のアクションへとブレイクダウンして、具体的な方向性を示すことも重要です。

リーダーシップを高めるための方法と考え方

リーダーシップの要件が、人に備わった才能や資質ではないということを記事のなかで何度か触れました。近年の研究でも、リーダーシップはトレーニングなどを通じて「後天的に身に付けることが可能である」とする考え方が主流となっています。

 

記事の最後では、実際にアクションできるリーダーシップを高める方法を紹介します。

 

 

1.自分のなかに明確な軸や基準を持つ

リーダーに求められる欠かせない力の一つとして、前章では“決断力”を挙げました。決断力を高めるには、普段から自分のなかで軸や判断基準、優先順位を明確にし決断が求められる際に“備え”をすることが重要です。これらは普段の生活のなかで、意識し習慣にすることで鍛えることができます。

 

 

具体例を1つ挙げましょう。

お昼のランチをA定食とB定食のどちらにするか、その日の気分で決めていたとします。これをその日の気分で決めるのではなく、栄養バランスや原価など、さまざまな視点で深く考察し決めるということを“あえて”おこなってみるのです。

 

「些細なことをわざわざ大げさに捉えなくても・・・」と思われるかもしれません。しかし、このような日常のルーティンのなかで深く思考する習慣を設けることが、いざというときの決断で動じない備えとなります。

 

非常にシンプルですが、決断力を鍛えるポイントは2つです。

1つは「決める」ことを習慣化すること。

もう1つは「どういう軸:ゴールや価値観に基づいて決めるかを意識する」ことです。

 

目的やゴールに基づいて「決める」ことを習慣化しましょう。このやり方を実践するときのポイントは、「なぜ自分はこの選択肢を選んだのか?」の根拠を明確にすることです。自分の判断基準や優先順位の決め方の感覚を、普段の習慣のなかで掴んでいくことが大切です。

 

 

2.ポジティブな思考、姿勢を身に付ける

著名なリーダーシップ研究者であるジョン・ガードナー氏は、「リーダーの仕事は徹頭徹尾、希望を持ち続けることだ」と、リーダーのポジティブなマインドの重要性を述べています。

 

リーダー自身がポジティブなマインドと姿勢を身に付けることは、仕事の成果にも大きく影響します。ここでのポジティブは単に物事を楽観視するということではありません。「自分は何とかできる」「私たちならやれる」と考えて、自分、または自分たちが出来ることに取り組むことです。

 

さらに、普段からリーダーがポジティブな姿勢でいれば、メンバーやチームにも前向きな雰囲気が生まれます。市場全体の景気が落ち込んでいるといった困難な局面になったとしても、リーダーがポジティブな姿勢や考え方を持っていることで、チーム全体が希望を持ち続けて前に進むことができるようになるでしょう。

 

ここでのポジティブな思考や姿勢は「自己効力感」ということもできるでしょう。

 

自己効力感を高めるには、

  • 自分、または他人との約束を守る
  • 良い習慣を身に付ける
  • 自分の成果を振り返る

といったことが大切です。

 

日々の実践を通じて、ポジティブなマインドを身に付けましょう。

 

 

3.研修に参加する

リーダーシップのマインドやスキルを効果的に身に付ける方法として、リーダーシップ研修への参加も有効です。

 

研修企業が提供するリーダーシッププログラムでは、リーダーとして求められる責任感や人格の磨き方、またコーチングやフィードバックなどのコミュニケーションスキルのほか、メンバーとの信頼関係を構築する技術などを体系的に習得することが可能です。

 

また、公開セミナーであれば、異業種の同じ立場の受講者からさまざまな刺激を得られますので、リーダーとしての視野や器が底上げされることも期待できます。

 

リーダーシップ研修の具体的なプログラム内容や、主要なリーダーシップ研修の提供企業について知りたければ下記の記事をご覧ください。解説する記事を用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

記事では、リーダーシップのイメージや6つのタイプのリーダー像、リーダーに求められる力とリーダーシップを高める方法を紹介しました。

 

目標やゴールを決めて、なすべきことを自分事として捉え、目標を掲げ、なすべきことを決断し、自分や周囲のメンバーをけん引していくリーダーの存在は、VUCA との時代と言われる今後も、ますます必要とされます。周囲を引っ張って成果を出し続けるようになるに違いありません。

 

求められるリーダーになるための道のりは、一朝一夕の簡単なものではありません。しかし、記事でもお伝えしたように、リーダーシップは限られた人にだけ元から備わった“資質”ではなく、日々の習慣と心がけ次第で誰もが身に付けることができるものです。

 

本記事をご覧になり、皆さんの会社組織のリーダーシップ開発に少しでもお役立てできれば嬉しく思います。

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|常務取締役

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て、ジェイックに入社。執行役員としてIT技術者の派遣を行う「IT戦略事業部」の創設、全社のマーケティング機能を担う「経営戦略室」室長を歴任。取締役/教育事業部長として、社内の人材育成、マネジメントで手腕を磨く。2013年には中小企業向け原田メソッド研修の立ち上げを企画推進し、自部門および全社の業績を向上させた貢献により、常務取締役に就任。カレッジ事業本部長、マーケティング本部長、教育事業本部長等を歴任。

著書、登壇セミナー

・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
・オンライン研修の「今と未来」、社員育成への上手な取り入れ方
・社長が知っておくべき、業績達成する目標管理と人事評価
・社長の右腕 ~ナンバー2の上司マネジメント / 部下マネジメント~
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・社長の右腕 10の職掌 など

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