ビジネスにおいては、どのような仕事でも求められるのが目標達成です。目標達成を確実に成し遂げていくために大事になるのが、目標達成プロセスの設定とプロセス管理です。
記事では、目標達成プロセスの概要と重要な理由、効果的なプロセス設定、プロセス管理に必要なステップを解説します。後半では、目標達成プロセスを学べる「原田メソッド」もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
目標達成プロセスとは?
目標達成プロセスとは、字のごとく、目標達成までのプロセス(過程)を示したものです。
作成する内容の細かさは、ロードマップのような概略、細かな数値計画、施策や行動プランまで落とし込まれたものなど、ケースバイケースです。しかし、目標達成プロセスはどのような形式であっても、詳細な行動計画を立てる、計画を実行する、振り返る際に欠かせないものとなります。
本章では、なぜ目標達成プロセスが重要かという理由を、「目標達成する」「振り返る」という2つの視点で確認します。
目標達成に向かううえで目標達成プロセスが重要な5つの理由
目標達成プロセスが目標を成し遂げるうえで欠かせないとされる理由は、以下5つになります。
・達成計画をメンバーや関係者と共有できる
目標達成へのステップを見える化することで、上司や部下、プロジェクトメンバー、関係する他部署などに「どうやって達成するのか」「自分は全体のなかでどのような役割を担うのか」を共有できます。
計画を共有することは、関係者が「自分はどうやって貢献すればいいのか」「誰と協力すればいいか」などを主体的に考えられるようになる効果もあります。そして、目標達成プロセスの共有は、プロジェクトやチーム内で努力の方向をそろえることにも役立ちます。
・アドバイスをもらいやすくなる
目標達成プロセスは、「どうやって目標達成しようとしているか」などを共有することで、周囲からのアドバイスをもらいやすくなる効果もあります。
掲げた目標によっては、現時点の自分の力では達成が難しいことがありますし、十分な精度で計画を立てられない場合もあるでしょう。
こうしたときに、目標達成プロセスとして「いまどのような計画を立てているか」を見えるようにしたうえで相談することで、チーム内の上司や先輩、同僚なども適切なアドバイスをしやすくなります。
・ミニゴールを設定して達成することでモチベーションが上がる
例えば、「1年間に50件の新規契約をとる」という目標があったとします。この場合、1年後の目標だけでモチベーションを保つことは、非常に困難です。
一方で、最初に考えた目標が「1ヵ月目には3件の契約と5件の見込みを生み出す」や「そのために今週は10件の商談を生み出す」「今日は20社にアプローチする」というようなミニゴールに落とし込まれると、どうなるでしょうか?
設定した目標に対して目標達成プロセスをつくることで、ミニゴールが生み出されます。ミニゴールを設定することで成果がよりイメージしやすくなり、モチベーションや達成感を得られる頻度も高まりやすくなります。
・目標達成への進捗を測れる
「1年間で50件の新規契約」の目標だけですと、「いま順調なのか?」の把握が困難です。しかし、前述のように、「いつまでに○件の新規契約」「これだけの商談数」「これだけの行動量」といった目標達成プロセスがあればどうでしょうか?
いまの進捗が順調なのかを計画と比べることで、把握が可能となります。把握の段階で順調であれば、達成感を得られるでしょう。一方で、順調でなければ、どこに課題が生じているかを目標達成プロセスと比較することで特定できるようになります。
・計画的に目標達成できる
目標達成プロセスがあることで、計画どおりにゴールに向かえるようになります。目標は、行きあたりばったりでも達成できる場合もあります。ですが、行きあたりばったりで取り組んでいると、ゴールに向かう途中の進捗把握もできません。
また、「本当に達成できるのだろうか?」などの不安によって、モチベーションが低下する可能性もあります。目標達成プロセスを作成すると、どのように目標に向かうのかも明確になり、不安なく着実にゴールに近づけるようになります。
振り返りをするうえでの目標達成プロセスの重要性
目標達成プロセスは、計画内容や実行による結果の振り返りをするうえでも大切です。
・何がうまくいって何がうまくいかなかったかを細かく分析できる
目標達成力を高めるうえでは、振り返りが非常に大切です。
後述する流れで目標達成プロセスをつくることで、振り返りをしたときに、達成までの過程で「うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」が明確になります。うまくいったことは、「もっとうまくやる方法はないか?」と考えて繰り返すことも可能となるでしょう。
一方で、うまくいかなかったことは「どうすれば失敗を避けられるか?」「次に計画するときはどう反映すればいいか?」を考えることが大切です。
成功点は再現性を持たせ、失敗箇所は改善するというPDCAサイクルを回すことで、目標達成力を確実に高めることができます。
・うまくいかなかった場合の改善策を見出しやすくなる
振り返りは、全体が終了したときはもちろんのこと、計画を実行しているときにも随時行なうことが有効です。
無計画に行きあたりばったりで行動を進めてしまった場合、「何がうまくいっていないのか?」「そもそもうまくいっているのか/いないのか?」がわからなくなりがちです。
一方で、最初に目標達成プロセスを立てた場合、前述のように、進捗の測定が可能になると同時に、想定以上・想定どおりに進んでいる点、想定と違っている点が明確になり、課題の特定と対策の検討が容易になります。
・うまくいった場合には再現性を持たせることができる
振り返りの対象は、うまくいかなかったことだけではありません。うまくいかなかったことを振り返ることも重要ですが、うまくいったことを振り返ることも非常に大切です。
うまくいった要素を明確にすることで、目標達成に再現性を持たせることが可能となります。そして、自分の「勝ちパターン」を作り上げることができます。
目標達成プロセスを効果的に設定・管理するための細分化ステップ
目標達成プロセスを効果的に設定・管理するうえでは、以下7つのステップを意識していくとよいでしょう。順に紹介していきます。
SMARTな目標を設定する
目標達成プロセスを効果的に設定するうえでは、じつは「どのような目標を設定するか」が非常に大切です。
例えば、「売上をアップさせる」や「生産性を上げる」という目標は漠然とした方針や理想であり、これだけでは達成に向けて具体的にどのようなプロセスを踏むべきかの検討や計画作成はできません。
目標達成に向けた行動の精度を上げるためには、目標設定に関する「SMARTの法則」に沿って目標を設定することが大切になります。
<目標設定に関するSMARTの法則>
以下5つのポイントを押さえた目標を設定する
- Specific :具体的(何を実現するかが具体的に表現されている)
- Measurable :計測可能(達成有無が客観的に把握できる表現になっている)
- Achievable :達成可能(現実的に達成・チャレンジできる水準である)
- Relevant :関連性(上位目標や目的にリンクしている)
- Time-bound :期限(いつまでに達成するかの期限が明確である)
目標に意味付けをする
目標達成プロセスにおける意味づけは、「SMARTの法則」のRelevantに関連します。「目標を達成することにどのような価値があるか」「自分(自分たち)あるいは周囲にどのような良い影響をもたらすのか」といった意味付け(動機付け)を行ないましょう。
目標への意味付けをしっかりと実施して、言語化することで、内発的動機付けが働き、継続的に高いモチベーションを維持できるようになります。
現状とのギャップを明確にする
目標達成とは、目標と現状とのギャップを埋めていく作業です。したがって、目標達成プロセスをつくるうえでは、どこにどれだけのギャップがあるかを明確に把握することが大切になります。
プロセスや計画へ落とし込むうえでは、ギャップを数値や具体的に表現できている状態にすることがポイントです。
ギャップを埋めるための方法やリソースを洗い出す
ギャップが明確になったら、目標達成の方法やアイデア、使えるリソースを洗い出しましょう。目標達成シート(マンダラート)などのツールやブレストなどを活用して、施策やアイデアを洗い出すのがおススメです。
行動プランを立てる
目標達成シートやブレーンストーミングで、施策やアイデア、実施すべき事項を洗い出したら、優先順位が高いもの、効果性が高そうなものをピックアップして、いつまでに実行するかの計画を立てましょう。
計画を立てるうえでは、「いつまでに何を実行するか」というスケジュールと、「常に実行する習慣(ルーティン行動)」の2つに区分けして考えるとよいでしょう。
いつまでに何をするかという行動計画と併せて、最終目標を分解する形で「いつまでに何を達成するか」というミニゴールを設定することも、達成確率を上げるためのポイントになります。
実行する
どれだけ優れた行動プランをつくっても、計画段階では「絵に描いた餅」です。実行しなければ、成果や目標達成はありません。
計画を実行するうえでは、自分のモチベーションや心身を良い状態に保つセルフマネジメント、また、メンバーや上司、パートナーなど、目標達成をサポートしてくれるサポーターとのコミュニケーションが重要になります。
振り返りと改善を繰り返す
目標達成プロセスを効果的に管理するには、計画を実行しながら、以下のことを常に振り返っていきましょう。
- プロセスの現状や進捗は順調か?
- 実行した施策によって思いどおりの効果が得られたか?
重要となるのは、振り返りの結果を踏まえて、目標達成プロセスに修正を加えていくことです。施策の実行方法を改善したり、あるいは、施策そのものを変更したり追加したりすることを繰り返しながら、目標達成へのギャップを埋めていきます。
目標達成プロセスを学べる「原田メソッド」研修
原田メソッド研修は「目標達成の技術」を身に付ける研修です。
元中学校教師であり、公立中学の陸上部において7年間で13回の日本一という驚異の選手育成を実現した原田隆史氏が、ハイパフォーマンスを実現する人材に共通するルールをノウハウ化した「目標達成」の具体的手法になります。
大リーグで活躍する大谷翔平選手や東京オリンピックにも出場した多田修平選手などが実践していたことでも知られます。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00325/
原田メソッド研修で得られる5つの力
原田メソッド研修では、安定した目標達成に欠かせない5つの力を身に付けられます。
- 「人格の土台」の上での能力発揮
- 目的と目標の両方を描くことによる「セルフ内発的動機付け」
- 目標達成シートを使った「目標達成への論理的思考習慣」
- ゴールまでの「PDCA力」
- 目標達成に近づく成果行動を習慣化する「ルーティン力」
原田メソッド研修後に期待できる状態
原田メソッド研修では、研修を通じて以下の状態を実現します。
- 業務上の目標と自らのやりがいをリンクさせ、目標達成に向けたセルフ内発的動機付けがされた状態
- 目標達成に必要な施策や道筋を整理して、目標達成プロセスを計画できる状態
- 作成した目標達成力を実行していくために、セルフマネジメントの方法論が明確になった状態
まとめ
目標達成プロセスは、目標達成するまでの過程を見える化したものであり、「目標達成に向かう過程」と「振り返りをするとき」に以下のように重要な役割を担います。
【目標達成に向かう過程での重要性】
- 計画をメンバーや関係者と共有できる
- アドバイスをもらいやすくなる
- ミニゴールを設定することでモチベーションが上がる
- 進捗を測れる
- 計画的に目標達成できる
【振り返りをするときの重要性】
- 何がうまくいって何がうまくいかなかったかを細かく分析できる
- うまくいかなかった場合の改善策を見出しやすくなる
- うまくいった場合には再現性を持たせることができる
目標達成プロセスを学びたい人には、HRドクターの運営会社である株式会社ジェイックが実施する「原田メソッド」研修がおススメです。研修内容に興味があれば、ぜひ下記から資料をダウンロードしてください。