新人育成における“恐ろしい特性”【ザ・現場ギャップvol.2】

更新:2023/07/10

作成:2018/06/13

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

新人育成における“恐ろしい特性”

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

今回は、新人育成における

“恐ろしい特性” についてお話できればと思います。

 

新人育成というのは

企業の発展や、風土作りに大きく影響を及ぼす、

人事に毎年課せられる大仕事の一つです。

 

ですが、実はこの新人育成には

上述した通り、気を付けなければいけない

“恐ろしい特性” があります。

それが、

 

「致命的なミスを犯してしまっても、

そのミスが発覚しにくい」

 

という特性です。

例えば、以下の様なミスをしてしまっている

会社がこれまでありました。

 

・「新人研修はどこも同じ」と、

効果の出ない研修をいつまでも続けてしまう

 

・減点方式の現場 vs 加点方式の人事

 

・新人育成が上手くいったかどうかの

「費用対効果」を短期間で求めてしまう

 

順にご説明させていただきます。

 

 

 

まず一つ目の

・「新人研修はどこも同じ」と、

効果の出ない研修をいつまでも続けてしまう

ですが、

 

一般的に「新人育成」といって

思い出されるのは、

例えば「ビジネスマナー」であったり、

「名刺交換」や「報連相」「電話応対」

といった内容だと思います。

 

これらを学ばせることは、もちろん大事なことです。

これらが出来ていないと、現場やお客様先に出たときに

「社会人としてまだまだ未熟だ」

と見られてしまうことさえあります。

 

もっと言うと、

「この会社(※あるいは『うちの人事』)は

ちゃんと教育していないのか」

とまで、思われてしまう恐れすらあります。

 

それ程大事なので、これらの内容は

どこの研修会社でも取り扱われています。

 

故に、多くの人事担当者は、

外部の新人向けセミナーを選ぶ際、

以下のように感じてしまいます。

 

「どこも同じ、、、」

 

であると。

 

そのため、

もし「自社に合っていない新人研修」を

選んでしまっていたとしても、違いが見つけづらく、

毎年毎年「なんとなく」で同じところを

使い続けることになってしまうのです。

 

 

 

 

2つ目の

・減点方式の現場 vs 加点方式の人事

ですが、

 

こちらは現場と人事の

「新人に対する捉え方」にあります。

 

現場は、ビジネスマナーや報連相、

社内のルールや社会の常識を

「学んだ後の新人」から接し始めるので、

それらが出来ていないとマイナスカウントをする

「減点方式」で新人に接します。

 

一方人事は、それらがまだ身に付いていない

「学ぶ前の新人」から接し始めるので、

それらが出来たことをプラスカウントする

「加点方式」で新人に接します。

 

この差は、長くジワジワと効いてきます。

 

本来、新人研修は

「人事と現場が一体」となって取り組むべき、

大事な仕事です。

 

それにも関わらず、この関係性が悪化してしまうと、

現場は人事に責任を求め、

人事は現場に責任を求め、

次第に、前向きな協力体制を築けなくなってしまいます。

 

結果として、気付かない内に

「現場で成果を出す新人育成」が

出来なくなってしまうのです。

 

 

 

 

そして最後の3つ目である

・新人育成が上手くいったかどうかの

「費用対効果」を短期間で求めてしまう

についてです。

 

既に弊社のサービスをご利用いただいている方は

ご存知かもしれませんが、

私達は、新人育成に限らず

提供する全ての社員教育サービスに対して、

1つの大きなスタンスを持って取り組んでいます。

 

それが、

「心+スキル」

という考え方です。

 

私達は、ビジネス上で成果を出すためには

上記のように「スキル」だけでなく、

「心」も大事だと考えています。

 

「心」とは、言い変えると

「意識」「人格」「マインド」

などと表現できます。

 

いくら優れたスキルを持っていたとしても、

「心」が伴わなければ、

長期的に顧客の支持を得続けることは出来ません。

 

それは社内に対する態度も同じです。

社内に対しても「心」を持って接しなければ、

協力体制を築くことは出来ません。

 

そして何より、「心」を伴わせることは、

本人に “成長” と “幸せ” を、もたらしてくれます。

 

ですが、この効果が目に見える形で表れるまでには

時間がかかります。

 

にもかかわらず、

新人育成が上手くいったかどうかの

「費用対効果」を短期間で求めてしまうと、

「パッと見た感覚で良いもの」を選んでしまう、

ということになります。

 

 

 

 

以上3つを、新人育成で起こしがちなミスとして

挙げさせていただきました。

これらは大きく「問題」としても取り扱われづらいので、

気付かれずに放置されやすいのです。

 

では、どうすればこれらの

「起こしてしまいがちな新人育成におけるミス」を

防ぐことが出来るのか。

 

今回は既に長くなりすぎてしまったので、

次回の【ザ・現場ギャップvol.3】では、

その辺りについてお話できればと思います。

 

最後までお読みいただき、

誠にありがとうございました。

 

来週もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
・ゆとり世代の特徴と育成ポイント
・新人の特徴と育成のポイント 主体性を持った新人を育てる新時代の学ばせ方
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