いま、新入社員に一番教えたいこと
いつも大変お世話になっております。
株式会社ジェイックの梶田です。
新型コロナウイルスの猛威が止まりませんね…。
一体いつまで続くのでしょうか…。
特に、この時期に多くなっているのが、
「新入社員研修は行われるのか?」
「他社さんは新入社員研修どうしてるの?」というお問合せです。
新入社員研修というものは、
ほとんどの方が一度しか受けないものですから、
非常に悩ましいところですよね。
私共ジェイックでも、例年たくさんの新入社員の皆様を
お預かりしているなかでの、今回の新型コロナウイルス問題は、
企業様にとっても我々にとっても頭の痛い問題です。
{{姓}}様の会社ではいかがでしょうか?
一方で、
新入社員研修の中止や延期という措置を取られる企業様が
一定数おられる中で、我々としても、限られた時間の中で、
新入社員の皆さんに対し、
「教えるべき一番大切なことは何だろうか?」
と改めて考える良い機会であるともいえます。
多くの場合、1週間程度、長いところだと数か月、
新入社員研修の期間を取られる企業さまもおられますが、
今回のように、長時間密室で合同の研修はできない状況、
1時間から2時間という限られた機会、時間の中で、
これから長い社会人生活を歩んでいく若者たちに、
「これだけは、知っておいてほしい!」
ことを教えるとしたら、果たして何が一番大切でしょうか?
{{姓}}様は、いかが思われますか?
話は変わるのですが、
東京大学では2005年から社会科学研究の分野で
「希望」について考える学問が始まっているそうです。
「希望の持てる社会とはどのような社会か」を明らかにし、
誰もが希望を持てる社会の形成に寄与することを目的とし、
様々なアンケート調査も行われているそうです。
その中で興味深いアンケートデータがあります。
Q.あなたは将来に向けて「希望」(実現したいこと)がありますか?
(対象は全国の20~59歳)
YES回答は、2006年78%→2014年54%まで減少傾向…
諸外国にて、2014~15年に同じ対象年齢で調査を行ったところ、
YESの割合は…
米国93%、英国87%、オーストラリア89%、ドイツ97%、
中国93%、韓国87%…
いずれも54%の日本とは大きく差があったそうです。
その数字には、年齢や健康状態、友人の数、幼少期の体験、挫折の有無
などが相関性を持つことなども、わかってきているそうですが、
それにしても、日本は世界でも有数の希望の持てない国なのでしょうか…?
米ギャラップ社の“エンゲージメント(仕事への熱意度)”調査でも、
日本は世界最低水準であることが発表されています。
希望や熱意にあふれる人と、そうでない人が生み出す経済的価値や
その人自身の成長度合い、どちらが大きいのかは推して知るべしでしょう。
もしかしたら、日本経済において景況感を感じづらいのは、
実態経済よりも、こうした日本人の将来に対する希望の少なさが要因
になっているのかもしれません。
2011年の東日本大震災や今回の新型コロナウイルスのように、
自然災害による環境変化が経済に及ぼす影響も大きい昨今、
これから社会に結びついていく若者たちに何を学ばせるか?
東大で前述の「希望学」の研究を進める、玄田有史(げんだゆうじ)
教授は、経済学をバックボーンとしておられますが、
効率性を求める経済学的観点から、調査アンケートを読み解き、
“「無駄な努力を努力をしたくないという効率志向」
の回答者ほど希望を持ちにくくなっている”
(引用:「こころ動かす経済学」日本経済新聞出版社)
と分析しておられます。
また、挫折を経験して、乗り越えてきている人ほど、
将来に対する希望を持てていることも発見されました。
現代社会は、必要な情報にいつでもアクセスでき、
欲しいものは簡単に手に入る、まさに“効率世界”です。
しかし、希望はある意味、そことは別の世界での経験がヒントに
なるのかもしれません。
ちなみに、
東日本大震災以降、被災地へのボランティア活動をした人や、
それらを観ていた人は、絆意識、共同体意識の高まりと共に、
「自分は幸福である」という幸福感が上がる傾向にあったそうです。
(参考:慶應義塾大学経商GCOEグループ
「東日本大震災が生活満足度と幸福感に与えた影響」)
周囲との絆意識、共同体意識を高めることは、現代社会においても
もっとも必要な教育であるようにも思えます。
これからの不確実な社会を牽引していくべき若者たちに、
いちばん何を教えるべきか
その答えはひとつではありませんが、希望を持てる社会とするために、
希望を持てる若者に育てることは大人の義務のように思います。
「マネジメントは、希望を持つことである」
いかがでしたでしょうか。
私共ジェイックでは、今後も
これからの日本を豊かにしてくれる若者たちの育成と、
彼らが育つ社会の形成に、少しでも貢献して参りたいと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社ジェイック
教育事業部ゼネラルマネージャー
梶田 貴俊