中小企業における新人研修の課題
中小企業の新人研修には“中小企業ならでは”ともいえる以下の課題が生じやすいものです。
研修の担当者がいない
中小企業の場合、企業規模が小さいため、専任の教育担当者や社内トレーナーがいないことが多いでしょう。人事担当者が採用から教育、人事評価、労務までを兼務していたり、そもそも総務が人事業務を兼務していたりするようなこともあります。
なお、公益財団法人 中小企業研究センターの「中小企業白書 2007年版」では、40.1%もの中小企業が「指導できる社員・職員がいない」と答えています。
研修する体制が整っていない
たとえば、大企業や中堅のように毎年数十名、数百名規模の新入社員を受け入れているのであれば、会場確保やスケジュール調整などの準備が必要となり、ある意味では、規模が大きいだけ研修の実施体制なども整っています。
一方で中小企業の場合は、1~数人の少人数採用になることも多いです。少人数採用の場合、研修内容を土壇場で考えたり対応したりしてもどうにかなってしまうため、研修を続ける仕組みや体制が軽んじられがちになります。研修体制がない場合、教育ノウハウの蓄積や共有、改善なども難しくなります。
研修の予算がない
先述の「中小企業白書 2007年版」では、23.9%もの中小企業が「教育にコストをかけられない」と答えています。近年では、コロナショックやウクライナ侵攻などの影響で、人件費・輸送費・原材料費などのさまざまなコストが高騰しました。
大企業と比較すると、中小企業の利益率や労働生産性は低いことも多く、教育研修費などを出しにくい構造であることも多いのです。こうした背景から考えても、中小企業が新入社員の研修などに費用を割きづらい傾向は、今後もなかなか改善が難しい部分もあるでしょう。
入社人材の意欲
大手企業と比べると、中小企業の新卒採用は難易度が高いです。知名度や規模の問題から、母集団形成にも苦労したり、自社をはじめから第一志望にしてくれている学生は少なかったりします。あくまで一般的な傾向となりますが、結果として、大手企業と同じレベルの新入社員を確保する難易度は高く、たとえば、基礎学力や思考力、また、働くことへの前向きさや意欲などに課題も生じるでしょう。
また、大手企業の場合には、採用人数が多いことから、同期内での競争意識も生じるため、新人研修をするなかでも、ある種の対抗心やライバル意識をあおったりすることも可能になります。一方で中小企業の場合には、同期は数人になるため、競争意識が生まれることも少なく、状況としては熱心に学び行動する意識をつくることが難しい側面もあります。








