なぜ今、人事に"常設の学び場"が必要なのか
人事が抱える二つの課題──気軽な相談相手の不在と知見へのアクセス
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吉田氏は人事図書館の設立の背景ついて二つの課題認識を語ります。
一つ目は、「人事担当者が社内に相談できる人がいない」という構造的な問題です。組織や人に関する話題は、社内では軋轢を生みやすく、機密性も高いため、気軽に相談できる相手が限られてしまいます。
「例えば、代表からこういうオーダーを出されたけれども、社内の誰にも相談できない内容で困っている。あるいは人員削減の話が出てきたときに、現場のマネージャーに『こんなことが起きそうなんですけど』とは言えない。そういった時、一人で抱え込むしかない状況が多いんです」
新卒採用で内定者6人のうち3人が入社直前に辞退したり、上司が急に辞めることになり引き継ぎを数日でまとめなければならなかったり──人事の現場では、「今日の今日」の緊急事態が頻繁に起こります。しかし、その相談を気軽にできる相手が社内にいないというジレンマを、多くの人事担当者が抱えていると吉田氏は話します。
二つ目の課題は、「人事に関する学びがまだまだ届いていない」という点です。先人たちが残してくれた書籍や論文には、様々な困り事に対する有効な知見が蓄積されています。しかし、情報量が膨大であったり、どうアクセスしていいかわからなかったりと、知見が必要な人に届いていない現状があります。
「困っている人たちを救うような知見がちゃんと届いてほしい。その思いから、図書館という形で約3,000冊の本を用意し、様々な知見が集まる場を作りました」
24時間365日、いつでも立ち寄れる”常設”の意義
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人事図書館を創設する際に最もこだわったのが、24時間365日使える「常設」の場であることです。人事領域でイベント型の勉強会やコミュニティは以前から存在していましたが、それでは解消できない悩みがありました。
「困っているのは大抵『今日の今日』なんです。今日ヒントを得たい、今日誰かと話したい。でも、今日の今日『話を聞いてください』とメールを送るのはハードルが高い。特に人事の方は相手に気を遣われる方が多いので、相手の予定を無視して自分の話を聞いてくれとは言えない」
そこで人事図書館では、いつでも立ち寄れる物理的な場所を用意しました。午後1時から夜9時までは常駐スタッフもいるため、「困ったときに顔を見て話せる」環境が整っています。
吉田氏によれば、物理的場所を持つという判断は、ビジネス的には「悪手」だと多くの人から言われたそうです。「場所代がかかることで経済的に不利になる。でも、今日の今日会いたい、困ったときに安心して話せる場所を、多くの人が当たり前に持てるようにしたかった」──その思いが、常設の場を生み出しました。






