採用活動をスムーズに進めたり自社への心証を良くしたりするには、面接の案内メールにも細かな配慮や工夫が必要です。
本記事では、面接の案内メールに記載すべき7つの項目と、案内メールの書き方における基本ポイントを3つ紹介します。後半では、応用編として案内メールで好印象を与える3つのポイントと、面接案内メールの例文&テンプレートを紹介しますので、参考にしてください。
<目次>
面接の案内メールに記載すべき7つの項目
面接の案内メールを作るときには、求職者がメールを読むだけで当日に向けた準備ができる情報を記載する必要があります。本章では、一般的な面接の案内メールに記載すべき7つの項目と各ポイントを解説しましょう。
面接日時および所要時間
面接の日時は、最も大事な項目です。ほかの予定との調整や新幹線の予約などがしやすいように、所要時間も記載しておきましょう。
・(※会場には15分前にお越しください。所要時間は約〇分を予定しております。)
こちらから日程を提示したり、求職者から候補日程をもらってから少し時間がたってしまったりしている場合は、以下のように都合が合わない場合のことも記載しておくとよいでしょう。
面接の方法(対面 or Web面接)
対面とWeb面接のどちらで行なうのかを記載します。また、どうしても都合がつかない方のために「オンライン面接も可能です。遠慮なくお申し付けください」と記載するのも配慮の一つです。
ただし、Web面接だけではお互いに伝わらない・見極められないこともあるため、一次面接・二次面接・最終面接のどこかで対面を入れるのが一般的です。
面接会場の場所、アクセス方法、受付方法
細かく丁寧に記載することで、候補者の不安や当日の問い合わせも減らせます。面接会場へのアクセス方法は、使いまわせる情報です。そのため、少し手間をかけて丁寧な文面をつくっておくと後々便利です。
- 【面接の場合】
- ・面接会場:株式会社〇〇 東京本社4階 第3会議室
- ・住所:140-〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇〇
- ・地図:(Googleマップなどへのリンク)
- ・アクセス:JR〇〇駅より徒歩〇分、〇〇交通〇〇バス停より徒歩〇分
- ・受付:本社4Fにて、面接開始15分前より受け付けております。4Fに到着されましたら、エレベーター前の電話を使い、内線〇番・人事部〇〇までご連絡ください。
- 【Web面接の場合】
- ・Web面接は、Zoomで行ないます。
- ・当日は、面接時間の5分前になりましたら、下記URLよりご参加ください。
- ・URL:https://zoom.us/◯◯◯
- ・「待機室」でお待ちいただき、面接官の準備が整い次第、入室いただきます(前のスケジュールの都合で面接官の入室・Web会議室のオープンが時間ギリギリになることもありますのでご了承ください)
持参すべきもの
当日に持参してほしいものがあれば記載しましょう。
当日の服装
近年では、私服参加OKの企業も増えています。ただし、「服装自由」だと、求職者が迷ってしまう側面もあります。私服かスーツかなどを明記してあげると親切でしょう。
- ・私服でお越しください(当社の場合、ジャケット・パンツ程度のビジネスカジュアルで勤務の社員が多くなっています)。
- ・スーツでお越しください。
担当者名と緊急連絡先
面接当日は、電車やバスの遅延や急な体調不良、Web面接であれば機材や回線の不具合などのトラブルが生じることがあります。
万が一に備えて、緊急連絡先を記載しておくとよいでしょう。緊急時は電話での問い合わせとなるため、担当者名には、フルネームで“ふりがな”も付けておくと親切です。
・TEL:090-1234-〇〇〇〇
返信の必要性
たとえば、企業側から複数の候補日程を送付して選んでもらう場合、件名にも要返信の旨と期日を記載しておくとよいでしょう。
また、事前に候補者から日程をもらって確定メールを送る場合など、人事担当者は、求職者が面接日程を確認したか把握しておきたいものです。確認の問題を解消するには、以下のような文章を記載し、すべての求職者から返信をもらうようにするのがおすすめです。
・上記日程でご都合がつかない場合は、再度調整いたします。
・お手数ですが、〇月〇日までにご返信ください。
案内メールの書き方、基本の3ポイント
面接案内メールは、人事担当者が送信して終わりではありません。以下の役割・目的を果たせるメールにするには、本章で紹介する3つのポイントを大切にする必要があります。
- 開封してもらう
- 内容を理解してもらう
- 面接への参加準備などのアクションを起こしてもらう
わかりやすい件名
求職者には、自社以外にも求人媒体や他社などから多くのメールが来ている可能性が高いです。メールのなかで、自社の面接案内メールに気付いてもらうには、以下のようにわかりやすいタイトルにするのがおすすめとなります。
また、冒頭に【株式会社〇〇】や【要確認】【要返信】と記載することで、確認漏れ・返信漏れも防ぎやすくなるでしょう。
・面接日程のご案内【株式会社〇〇】
・【要返信】Web面接日程のお知らせ【株式会社〇〇】
必要事項を漏れなく簡潔に記述する
必要事項を漏れなく簡潔に記載すれば、余計な質問がこなくなります。人事担当者の負担を減らすうえでも、すべての情報をわかりやすく・見やすく記載することが大切です。曖昧な表現も避けたほうがよいでしょう。
求職者への礼儀を忘れない
企業は、求職者から選んでもらう側でもあります。そのため、選考中の求職者に対しても、礼儀を忘れず誠実な対応をすることが基本です。
案内メールで好印象を与える3ポイント
面接の案内メールも、求職者を魅了付けするプロセスの一つです。メールを読んだ求職者に「良心的だ」「わかりやすい」などのポジティブな印象を持ってもらうには、本章で紹介する3つのポイントの実践が必要になるでしょう。
面接までに準備して欲しいことを記載する
たとえば、Web面接をする場合、求職者にデジタル機器などを準備してもらう必要があります。準備するとき、機器の詳細や接続マニュアルなどは「添付資料を参照」でも問題はありません。
ただ、メール内にどのようなものが必要かを箇条書きで並べておくと、求職者も「対面とWebのどちらにするか?」の選択がしやすくなるでしょう。
なお、選考面接前にカジュアル面談をする場合も、担当者が話す内容や、読んでおいてほしい資料などを案内すれば、求職者も心の準備がしやすくなります。また、面接でおもに聞かれる内容などを記載してもよいでしょう。
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面接官の情報
以下のポイントは必須ではありませんが、求職者の緊張をほぐしたり、面接官に親近感を持ってもらったりするために、以下のような情報を少し開示するのもおすすめです。
・「Twitterをやっています。よろしければ下記URLをご覧ください」
人事からの応援メッセージ
書類選考や一次選考で自社の要件にマッチした人材には、期待していること、ぜひとも自社に入ってほしいことなどを、各人材にオリジナルの言葉で伝えると効果的です。応援メッセージで志望度を上げるには、本人のスキルやニーズに関係する内容を入れるのがおすすめです。
・「〇〇資格の試験、今週末ですよね。勉強の成果を出し切ってきてください……」
・「Bさんが入社されたら、ママ管理職のロールモデルになると思います……」
選考の後半で面接官が人事ではなくなっていく場合、人事が「求職者の応援をする側」にまわっておくと、志望度に関する本音、懸念点のヒアリングなども実施しやすくなりますのでおすすめです。
面接案内メールの例文&テンプレート
面接案内メールの例文とテンプレートを紹介します。ぜひアレンジしてお使いください。
Web面接の案内文
Zoom接続の方法や用意すべき機材などは、添付資料にまとめると良心的です。
・本文:
〇〇〇様
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
お世話になっております。
この度は、弊社の〇〇職にご応募いただき、ありがとうございました。
〇〇様の応募書類を拝見し、オンライン面接に進んでいただくことになりました。
早速ではございますが、以下よりご都合の良い日時をお選びいただけますでしょうか。
面接時間は、30分から最大で60分を予定しております。
【面接日時】
① 7月1日(金)13時~
② 7月1日(金)15時~
③ 7月4日(月)11時~
④ 7月4日(月)13時~
【面接URL】
・Zoomによるオンライン面接です。
・開始5分前に、以下のURLよりご参加ください。
・URL:https://zoom.us/◯◯◯
【オンライン面接に必要なもの】(詳細は添付資料をご確認ください)
・カメラの付いたノートパソコン(デスクトップ+Webカメラも可)
・安定した通信環境
・有線もしくは無線のインカム
・筆記用具
【服装】
・私服でご参加ください
【緊急連絡先】
・人事部 〇〇(フルネームフリガナ)
・TEL:090‐1234‐〇〇〇〇
大変お手数ですが、①~④よりご希望の日程をお選びいただき、
6月24日(金)までに返信をお願いします。
弊社では、女性エンジニアが多く活躍しています。
〇〇様とオンライン面接ができること、いまから楽しみにしております。
不明点などがありましたら、気軽にご連絡くださいませ。
よろしくお願いいたします。
署名
一次面接の案内文
手間になるレベルの大量応募でなければ、書類を見て惹かれたポイントや面接官の情報(自分も元営業職 など)を記載するのもおすすめです。
・本文:
〇〇〇様
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
お世話になっております。
この度は、弊社の〇〇職にご応募いただき、ありがとうございました。
〇〇様の応募書類を拝見し、一次面接に進んでいただくことになりました。
以下の日時・場所で一次面接を予定しております。
【面接日時】
・7月1日(金)13時~(※20分ほどを予定しております)
【面接会場・受付方法】
・面接会場:株式会社〇〇 東京本社4階 第3会議室
・住所:140‐〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇〇
・地図:(Googleマップなどへのリンク)
・アクセス:JR〇〇駅より徒歩〇分、〇〇交通〇〇バス停より徒歩〇分
・受付:本社4Fにて、面接開始15分前より受け付けております。4Fに到着されましたら、エレベーター前の電話を使い、内線〇番・人事部〇〇までご連絡ください。
【持参していただきたいもの】
・筆記用具
【服装】
・スーツでお願いします
【緊急連絡先】
・人事部 〇〇(フルネームフリガナ)
・TEL:090‐1234‐〇〇〇〇
本メールへの返信をもって日程確定といたします。
上記日程でご都合がつかない場合は、再度調整いたします。
また、遠方からの来社が難しい場合は、Web面接への変更も可能です。
お手数ですが、〇月〇日までにご返信ください。
弊社との関連性の高い〇〇学部からのご応募、大変うれしく思います。
ちなみに面接官Aも、〇〇様と同じ学部の出身です。
〇〇様と面接でお会いできますこと、いまから楽しみにしております。
不明点などがありましたら、気軽にご連絡くださいませ。
よろしくお願いいたします。
署名
二次面接の案内文
一次面接に来てくれたことへのお礼と感謝から入ります。面接で印象に残ったエピソードや応援メッセージなどを、独自に追記するのがおすすめです。
・本文:
〇〇〇様
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
お世話になっております。
先日は、悪天候のなか、
弊社の一次面接に来ていただき、ありがとうございました。
選考の結果、〇〇〇様には二次面接に進んでいただくことになりました。
大変お手数ですが、以下のなかからご希望の日時をお選びいただき、
6月24日(金)までに返信をお願いします。
なお、二次面接は対面のみとなりますが、
ご都合が悪い場合は、日程調整も可能です。
気軽にご返信ください。
面接会場や服装などは、一次面接と同じです。
【面接日時】(※20分ほどを予定しております)
① 7月1日(金)11時~
② 7月1日(金)13時~
③ 7月4日(月)11時~
④ 7月4日(月)15時~
⑤ 7月5日(火)11時~
【面接会場・受付方法】
・面接会場:株式会社〇〇 東京本社4階 第3会議室
・住所:140‐〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇〇
・地図:(Googleマップなどへのリンク)
・アクセス:JR〇〇駅より徒歩〇分、〇〇交通〇〇バス停より徒歩〇分
・受付:本社4Fにて、面接開始15分前より受け付けております。4Fに到着されましたら、エレベーター前の電話を使い、内線〇番・人事部〇〇までご連絡ください。
【持参していただきたいもの】
・筆記用具
【服装】
・スーツでお願いします
【緊急連絡先】
・人事部 〇〇(フルネームフリガナ)
・TEL:090‐1234‐〇〇〇〇
一次面接では、プロ意識の詰まった体験談をありがとうございました。
〇〇〇様のような方に入社していただければ、
弊社のサービスもより向上すると思います。
二次面接でまた詳しいお話が聴けること、楽しみにしております。
暑い日が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
今後とも、よろしくお願いいたします。
署名
最終面接の案内文
二次面接の案内メールと同様に、前回の感謝とお礼から入ります。最終面接の場合、志望度アップにつながる期待や応援をしっかり記載しましょう。
求職者の不安や緊張をほぐすために、最終面接に参加する経営層の簡単な紹介(話しやすくフラットな人です など)を追記するのもおすすめです。
・本文:
〇〇〇様
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
お世話になっております。
先日は、遠方の〇〇県から二次面接に来ていただき、誠にありがとうございました。
選考の結果、〇〇〇様には、弊社の最終面接に進んでいただくことになりました。
早速ですが、最終面接の日程は、以下のとおりです。
【面接日時】(※30分ほどを予定しております)
・7月1日(金)11時~
【面接会場・受付方法】
・面接会場:株式会社〇〇 東京本社4階 第3会議室
・住所:140‐〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇〇
・地図:(Googleマップなどへのリンク)
・アクセス:JR〇〇駅より徒歩〇分、〇〇交通〇〇バス停より徒歩〇分
・受付:本社4Fにて、面接開始15分前より受け付けております。4Fに到着されましたら、エレベーター前の電話を使い、内線〇番・人事部〇〇までご連絡ください。
【持参していただきたいもの】
・筆記用具
【服装】
・スーツでお願いします
【緊急連絡先】
・人事部 〇〇(フルネームフリガナ)
・TEL:090‐1234‐〇〇〇〇
本メールへの返信をもって日程確定といたします。
上記日程でご都合がつかない場合は、調整も可能です。
〇〇〇様のご都合が良い日時を3つお知らせください。
二次面接では、〇〇〇様の豊富な業界経験や強い熱意から、
我々もたくさんの刺激をいただくことができました。ありがとうございます。
また、〇〇〇様のスキルや経験があれば、
弊社〇〇プロジェクトの業界認知度も加速すると確信しております。
なお、最終面接には、弊社の社長Aも参加します。
社長のAは、〇〇〇様と同じ〇〇エンジニアの出身です。
気軽にお話いただけますと幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします
署名
まとめ
面接の案内メールでは、以下の7項目を簡潔に記載することがおすすめです。
- 日時および所要時間
- 面接の方法(対面 or Web面接)
- 接会場の場所、アクセス方法、受付方法
- 持参すべきもの
- 当日の服装
- 担当者名と緊急連絡先
- 返信の必要性
また、件名をわかりやすくすることと、求職者への礼儀を忘れないことも大切です。求職者に好印象を与えるには、以下の要素などを盛り込んでもよいでしょう。
- 面接で準備して欲しいこと
- 面接官の情報
- 人事からの応援メッセージ
面接の案内メールを作成するときには、記事で紹介したテンプレートもぜひ活用してください。