10月以降に内定辞退!?企業が取るべき対応や内定承諾後の辞退を防ぐポイントを解説

更新:2023/02/09

作成:2022/10/14

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

10月以降に内定辞退!?企業が取るべき対応や内定承諾後の辞退を防ぐポイントを解説

新卒採用において、近年、10月以降、つまり内定式参加後の内定辞退が増えるようになっています。

次年度に向けて動き出している企業にとって、内定式参加後の内定辞退は、非常に大きな痛手です。

内定式参加後の内定辞退は得てして内定承諾後の辞退であり、過去にはほとんどなかったものです。

本記事では、こうした内定承諾後辞退の位置づけや発生理由を確認します。

確認したうえで、内定辞退を減らす・防ぐ対策や、辞退防止に役立つおすすめ資料などを紹介しますので、10月以降の内定辞退にお困りであれば参考にしてみてください。

<目次>

内定承諾後の内定辞退

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はじめに内定承諾の位置づけに関して確認しておきます。

まず雇用条件などを含めた内定通知に対して、署名捺印した内定承諾書を提出してもらうことで、まず、雇用契約は成立していると考えられます。

雇用契約の成立を前提とすると、内定辞退は、民法627条で定める「労働契約の解約権の行使」に該当するものとなります。

民法627条とは、「14日以上前に告知することで、理由の如何を問わず、労働契約は労働者(学生側)から自由に解約できる」というものです。

したがって、大前提として企業側には、内定辞退の拒否権はありません。また、辞退に関する書面の取り交わしも不要です。

内定辞退の拒否権に関する考え方は、大前提として、憲法22条に定められた「職業選択の自由」を守るためのものです。

「職業選択の自由」の内容に紐づいて労働基準法の第16条(賠償予定の禁止)では、労働契約の不履行に関する違約金の定めや損害賠償の予定も禁じられています。

したがって、内定者に「内定辞退したら違約金(損害賠償)……」などの話をすることも無効となります。

最近では、企業側がおかしな対応をした場合、対応内容がSNSなどで公開されて、炎上するようなケースもあります。

したがって、内定承諾と辞退の位置づけは、企業側もきちんと把握しておく必要があります。

そもそもなぜ学生は内定承諾後に辞退するのか?

それでは、なぜ学生は一度内定承諾したのに辞退するのでしょうか。最近では、悪質なケースでは、複数の企業で内定承諾する(はじめから辞退するつもりで承諾する)といったケースもあります。

ただ、多くの場合は上記のようなケースではないことが多いでしょう。内定承諾した学生にとっては、入社が近づくにつれて「選択肢を失う」現実が近づいてきます。

「選択肢を失う」現実のなかで生じてくるのが、「ここで本当に良いのか?」という不安や迷い、いわゆる「内定ブルー」です。

内定承諾後の辞退を防ぐには、上記の不安や迷いを解消していくことが重要になります。

極論をいえば、以下のようなケースに該当する内定辞退は、企業側ではどうしようもできないものです。

  • 内定式で出会った同期や社員の雰囲気が本当に想像と違っていた
  • 内定者アルバイトなどをしたら選考で聞いていた話と実態が全然違った
  • そもそも初めから“キープ”のために内定承諾していた など

一方で、上記以外の場合は、一度は納得して内定承諾しているわけですから、承諾したときの熱や思いを維持し、思い出してもらうためのアプローチが大きな鍵になります。

内定辞退を減らす・防ぐ対策

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内定辞退を減らす・防ぐには、大前提として接触頻度を高く保つことが重要です。接触頻度を高くしつつ、以下の対策を実施するとよいでしょう。

不安を解消するための定期的な情報発信

内定承諾後は、選考期間中や内定承諾までの連絡頻度と比べて、連絡頻度が落ちるのが一般的です。

人事からすれば、たとえば、まだ採用目標人数に足りていないため、ほかの学生の母集団形成や選考で忙しい、翌年度の採用活動がスタートしているといった事情があるでしょう。

一方で、学生からすれば、内定から入社まで企業から何の音沙汰もない状態が続けば、「この企業は大丈夫なのかな?」などの不安が生じてしまいます。

また、「内定承諾したら対応が雑になった……(入社後はもっと疎かになるかも……)」といった気持ちが生じることも避けられないでしょう。

したがって、内定辞退を防ぐには、フォローメールなどを通して、企業側から定期的かつ親しみのある接触を続けることが基本となります。

まずは、以下のような連絡事項をきちんと伝えていくことが必須です。

  • 内定~入社までのスケジュール
  • 内定式の案内
  • 内定者研修の案内
  • 入社式の案内 など

上記の連絡に併せて、社内のニュースや先輩の活躍などの情報を発信することが有効です。

さらにたとえば、内定者研修までに各自に学んで欲しい教材なども、最初にすべてをまとめて発送するのではなく、小分けにするなどすると、接触機会を増やしやすくなるでしょう。

SNSやWeb会議を使った定期的なコミュニケーション

最近では、SNSなどをうまく使って、上記のような連絡をすることも有効です。SNSなどを使うときには、内定者にあまり負担をかけない形で、双方向性を持たせることも大切です。

コロナ禍前には、双方向のコミュニケーションとなると対面で実施するケースが多くハードルもありましたが、近年では、Web会議が完全に普及したのでオンラインで座談会等を開催することも容易です。

ほかには、内定者側から質問や相談、既存社員との交流ができる場を設けることも大切です。

定期的にコミュニケーションをとれる手段をつくると、内定者の不安や違和感の早期解決が可能になります。

また、逆説的ですが、コミュニケーションへのレスポンスがない人、イベントに参加しない人などは、入社意欲が落ちている可能性もあると考えられます。

こうした内定者には、内定辞退を防ぐ個別フォローが必要です。

内定者同士のコミュニケーション機会と人間関係の醸成

多くの内定者は、入社後に同期となる仲間と交流したい気持ちを持っています。また、逆に「どんな人と一緒に働くのか?」「合わないかもしれない」といった不安を抱えています。

したがって、内定者同士の人間関係を早期につくることで、入社後の不安を拭い去り、入社後へと気持ちを向けることも可能になるでしょう。

たとえば、SNSなどを使ってクローズなコミュニケーション環境を活用することもおすすめです。

ただし、たとえば、内定者の中に企業に不満をこぼすような人がいた場合、連鎖反応的な内定辞退につながることもあります。

また、内定者間で人間関係のトラブルが起こったりするケースなどもありえます。

こうした問題による内定辞退を防ぐため、内定者同士のコミュニケーションにSNSなどを運用する場合、人事がある程度ケアできるような環境にしたり、ルールを決めたりすることも大切です。

内定者イベントや座談会による魅力の再訴求

内定承諾時の熱を維持、思い出してもらうためには、座談会や懇親会などの内定者イベントを行ない、内定者の頭のなかにある自社の魅力を思い出してもらう、アップデートしていくことも大切です。

もちろん、次に述べる内定者研修なども入社後への意識付けと同時に、承諾理由の再認識の場として活用できるでしょう。

ただし、たとえば、座談会や懇親会で先輩社員が内定者の熱を下げるような発言をした場合、逆効果になってしまう危険性もあります。

したがって、座談会や懇親会に参加する先輩社員の選定や話す内容には注意をする必要があるでしょう。

なお、基本的な参加者選定さえきちんと行なえば、“NG質問”や“言ってはいけない内容”などを作る必要はありません。

しかし、座談会や懇親会を魅了付けにつなげるには、よくある“仕事のやりがいや大変な点”、“入社理由”などの質問に関する回答をきちんと準備しておいてもらうなどの準備は大切となります。

内定者研修や座談会を通じた入社後イメージの強化

ここまで紹介したことと少し重なる部分もありますが、内定ブルーは、先の見えない不安から起こる部分もあります。

不安に対して、先輩社員との座談会や内定者研修は、承諾理由を再認識してもらうと同時に、入社後のイメージを明確にしてもらい、意識を入社後に誘導していくうえでも有効です。

座談会や内定者研修では、たとえば、以下のようなイメージを具体化してもらえるとよいでしょう。

  • 入社直後の自分がOJT研修を受けているイメージ
  • 入社3年後の自分が現場で活躍しているイメージ
  • 先輩社員と仲良く働けているイメージ
  • ママになった自分も仕事を続けられているイメージ など

先輩社員が座談会で、たとえば、自分のプロジェクトの面白さなどを楽しそうに語れば、話の良い印象から内定者にポジティブなイメージも生まれやすくなります。

 内定者研修で、キャリアビジョンやライフプランを描くことも、上記のような入社後のイメージ強化につながります。

内定辞退の防止に役立つおすすめ資料・記事

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、現在、内定辞退の防止に役立つおすすめ記事と資料を公開中です。記事・資料では、以下のようなポイントをわかりやすく解説しています。

  • 承諾後辞退を防ぐために行なうべきたった1つのこと
  • 定期的に接触するための3大イベント
  • 最高の気持ちで入社日を迎えてもらうための、内定者向けに実施する6つの施策 など

上記の内容に興味がある人は、以下の記事・資料をチェックしてみてください。

まとめ

10月以降の内定辞退、内定式や内定承諾後の辞退は、学生の「ここで本当に良いのか?」という不安や迷いから生じるものです。

企業には、内定辞退への拒否権はありませんので、以下のような施策をきちんと実施して、内定式以降の内定辞退を減らす・防ぐ対策を講じる必要があります。

  • 不安を解消するための定期的な情報発信
  • SNSやWeb会議を使った定期的なコミュニケーション
  • 内定者同士のコミュニケーション機会と人間関係の情勢把握
  • 内定者イベントや座談会による魅力の再訴求
  • 内定者研修や座談会を通じた入社後イメージの強化

上記の施策に共通するのは、接触頻度を高く保つこと、そして、不安を解消することです。内定辞退の予防に向けて今から施策を考えていく方は、ぜひ以下の資料も参考にしてみてください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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