新卒採用と中途採用の違いとは?それぞれのメリット・デメリットや採用手法を解説

更新:2021/12/21

作成:2021/11/30

新卒採用と中途採用の違いとは?それぞれのメリット・デメリットや採用手法を解説

 新卒採用は、コロナショックで一時的に有効求人倍率が下がったものの、今後は少子化の影響で中長期的に求人倍率は大きく上昇していくことが予想できます。

 こうした状況を鑑み、「今後も新卒採用を続けていくのか?」と検討する企業も出てきています。背景として、この20年ほど若手の雇用流動化が進み、中途採用市場で若手を探す企業も非常に増え始めているからです。

 記事では、新卒採用と中途採用の大きな違いやそれぞれのメリット・デメリットをあらためて整理するとともに、主要な採用手法も紹介していきます。

<目次>

新卒採用と中途採用の大きな違いとは?

履歴書をチェックする様子
 あらためて整理すると新卒採用と中途採用は、以下のポイントが大きな違いとなります。

対象ターゲット

 新卒採用のターゲットは、原則として在学中の学生です。近年の新卒採用では、政府の働きかけによって、卒業から3年以内の既卒者を対象に入れる企業も多くなりました。ですが、実質的には、在学中の学生が新卒採用のメイン対象だといえます。

 一方で中途採用では、学校を卒業した既卒~社会人経験者が対象です。中途採用では社会人経験がない(浅い)既卒者から第二新卒、即戦力者をターゲットするキャリア採用、管理職や役員層、専門性の高いスペシャリストまで、幅広い対象ターゲットが想定されます。

採用目的

 新卒の場合、次世代リーダー候補や、中長期的な成長戦略や事業計画に基づく採用になります。一方で中途採用は、短期の事業計画に基づく要員拡大や人手不足の解消、自社に不足する管理職、専門スキルを持つ人材の獲得などが主目的です。

採用基準

 新卒はポテンシャル採用です。一方で中途は、即戦力につながるスキル採用の色が強くなります。ただし、既卒者や第二新卒の場合、中途採用でもポテンシャルに重きを置いて採用することになります。

採用時期

 新卒の基本は、卒業年の4月入社です。決まった時期に一斉に入社する層の採用であることから「新卒一括採用」と呼ばれます。中途の場合、採用・入社時期はさまざまです。そのため、ニーズや状況に合わせた個別対応・不定期入社になります。

 新卒の場合、採用プロセスも長期化しています。インターンからの早期採用をする場合、接触から内定承諾まで半年~1年、内定承諾から入社までさらに半年~1年かかります。一方で、中途の場合は早ければ数日~1、2週間での選考が一般的です。内定承諾後の入社も即時から1、2ヵ月以内に行なわれることが一般的です。

費用

 新卒採用と中途採用の採用単価は、以下の要素によって大きく異なります。

  • ・採用対象
  • ・使う媒体
  • ・採用力
  • など

 ただし、一般的な新卒採用の場合、40~50万円が中心的です。ここから採用ターゲットのレベルや自社の採用力などに応じて、20~100万円程度の幅になります。

 一方で、中途採用では、50~150万円程度が相場です。中途採用の単価は、新卒以上に対象層の経験値や年収層も幅広くなるため、採用単価も幅広くなります。既卒や第二新卒などであれば、50~120万円程度ですが、人材紹介などを使って管理職やスペシャリスト層を採用する場合、150~200万円程度が相場です。

新卒採用のメリット・デメリット

 新卒採用には以下のようなメリット・デメリットがあります。メリットだけでなくデメリットも把握したうえで、「新卒採用は本当に自社に合っているか?」を考えることも大切です。

新卒採用のメリット

 新卒採用を行なうと、以下の効果が期待できます。

・将来の幹部候補を採用できる
 新卒採用の場合、まとまった人数の若手を効率的に採用できます。転職が増えているとはいえ、新卒社員にとって自社は初めての就業先となりますので、愛社精神も育てやすく、中長期的に管理職、幹部候補として育てることが可能です。

・中堅中小企業やベンチャーでも優秀層を採用しやすい
 いわゆる優秀人材は、各企業で活躍し優遇されています。したがって、中途採用の市場には根本的に優秀人材が出てきにくいという特徴があります。一方で新卒採用の場合、ほぼすべての学生が一斉に就職活動を行ないます。そのため、知名度の低いベンチャー企業や中小企業でも、工夫することで優秀な人材を採用可能です。

・企業文化が浸透しやすい
 新卒社員は、初めての就職先に強い思い入れや期待を持っており、成長意欲や責任感も強いのが一般的です。また、他社を知らないため、自社の価値観や企業風土を浸透させやすい特徴があります。

・人員構造を最適化できる
 企業が中長期的に成長し続けるには、社内の人員構造(人口ピラミッド)を崩さないことも大切です。定期的な新卒採用を行なうことで人員構造を最適化し続けられます。

・組織の活性化につながる
 新卒社員は「仕事を早く覚えよう」「早くキャリアアップしたい」など、夢や希望を持ったワクワクした状態を作りやすいでしょう。そのため、各部署に新人が入ると先輩や上司も良い意味で刺激されます。

 また、新人にOJTを実施する過程で先輩社員が成長したり、新人からの質問を通して業務の問題点などが整理されたりすることもあるでしょう。

新卒採用のデメリット

 新卒採用はメリットも多いですが、実施するうえでは以下のようなデメリット(留意点)も知っておきましょう。

・長期間にわたる採用活動が必要
 新卒の場合、一般的なスケジュールでも「3月:説明会実施 ⇒ 翌年4月:入社」と接触から入社まで1年かかります。早期採用の場合には「3年生の6~8月:サマーインターン⇒翌々年の4月:入社」という形になり2年近くかかります。

 これだけの時間がかかりますので、採用の担当者が工数を割いて関わっていくような取り組みが必要です。

・入社後の長期育成が必要
 新卒社員は、社会人経験なく入社してきます。一人前の戦力、そしてリーダーへと育て上げるには、入社直後の集合研修やOJTはもちろんのこと、中長期的な視点で育成していくことが必要です。

・ポテンシャルの見極めが難しい
 新卒採用はポテンシャル採用で、ほとんどの学生が一斉に動くからこそ、中堅中小企業やベンチャー企業でも優秀学生を採用しやすい特徴があります。一方で、ポテンシャル採用だからこそ見極めが難しい側面もあります。

 現在の就職活動では、インターネット上にある情報を利用して多くの学生がしっかり面接対策してきます。したがって、どれだけの潜在能力や伸びしろがあるかなどのポテンシャル見極めの難易度がより増しています。採用する側は、面接の工夫や面接官のトレーニングを通して、見極め力を高めておく必要があります。

中途採用のメリット・デメリット

 次は、中途採用におけるメリットとデメリットを紹介しましょう。

中途採用のメリット

 中途採用には以下のようなメリット・デメリットがあります(社会人経験がある転職層を採用するキャリア採用を想定したメリット・デメリットです)。

・選考から入社までの期間が短い
 中途採用の場合、求職者がすでに離職していれば即時入社も可能です。採用できれば、すぐに人手不足を補えるケースが多く、欠員補充や事業計画の年度達成に向けた採用に向いています。

・ビジネスマナーなどの基礎教育がいらない
 中途採用の場合、社会人経験者であれば、すでにビジネスマナーなどの社会人としての常識が備わっていることが期待できます。集合研修などをせずに、すぐ現場に配属できる可能性も高いでしょう。

・戦力化までのスピードが早い
 例えば、同業他社からの転職組であれば業界のことはある程度知っていることになります。自社の商品知識や方針、文化に馴染めば、すぐに業務を開始して成果をあげてくれることも期待できます。

 自社の商品・サービスや、組織風土、価値観などに慣れるまでの時間は必要ではありますが、新卒と比べれば早い戦力化が期待できます。

・前職の経験や人脈を活かせる
 中途採用では、過去の仕事で実践してきた技術や知識、経験を共有・展開してもらうことで、組織内に新たな刺激や視点が生まれます。前職の人脈を活かして、新規ビジネスの創出や他企業との交流機会が生まれる場合もあるでしょう。

・必要とする人材をピンポイントで採用できる
 中途採用では自社に不足しているスキルや経験などからピンポイントの採用を行なえます。管理職層、また、経理、財務、法務、広報、人事、マーケティング、開発者、研究者などの専門性が高い職種の採用が可能です。

・中途採用のデメリット

 中途採用には、以下のような留意点もありますので、実施する際には注意が必要です。

・優秀層の採用は難しい
 あくまで一般的な傾向ですが、優秀層の多くは、いまの企業で高待遇を受けていますので、中途採用市場にはあまり出てきにくいといえます。また、転職の場合は新卒以上に待遇(給与)は大きなファクターとなってきます。したがって、中小企業やベンチャー企業の場合、採用競争に負けやすい傾向があるでしょう。

・ロイヤリティ形成が難しい
 ロイヤリティとは、いわゆるエンゲージメント、組織や仕事へのコミットメントや仲間意識、誇りなどのことです。中途社員の場合、それぞれに仕事への意味付けをしますので新卒社員のような企業への忠誠心は生まれづらい傾向があります。

 また、退職・転職を経て入社してくるだけに、次の退職・転職という選択肢が頭に浮かびやすいともいえます。

・企業文化の浸透が難しい
中途社員は、他企業の文化に染まっていたり、自分なりの価値観で仕事をしたりしています。したがって、自社の企業文化や価値観と合わない人材を採用した場合、価値観の浸透は難しいでしょう。

新卒採用・中途採用の比較表

 新卒採用と中途採用の違いを、比較表にまとめてみました

新卒採用・中途採用の比較表

※クリックで拡大※

新卒採用・中途採用の採用手法

採用・マッチングのイメージ

 現在、主要な採用手法として、以下のようなものがあります。

  • ・求人サイト(総合型・特化型)
  • ・ダイレクトリクルーティング
  • ・就職(転職)フェア
  • ・マッチングイベント
  • ・人材紹介(エージェント)
  • ・ソーシャルリクルーティング
  • ・リファラル採用
  • ・ハローワーク(新卒ハローワーク)
  • ・自社ホームページ
  • など

 基本的な採用手法は、新卒と中途で変わることはありません。ただし、新卒では大学就職課やインターンシップ、中途ではアルムニ採用といった固有の採用手法もあります。

 多くの種類から自社に合ったものを選ぶには、自社の採用力と採用計画をしっかり整理しておくことが大切になります。

  • ・採用力 :「母集団形成力」×「口説き力」
  • ・採用計画:「どのような人をいつまでに何人採るか?」×「採用にいくら使えるか?」

 採用方法の種類は、以下の記事で代表的なものをご紹介しています。

まとめ

 新卒採用と中途採用には、以下のような違いがあります。

【新卒採用】
《メリット》

  • ・将来の幹部候補を採用できる
  • ・中堅中小やベンチャーでも優秀層を採用しやすい
  • ・企業文化が浸透しやすい
  • ・人員構造を最適化できる
  • ・組織の活性化につながる

《デメリット》

  • ・選考プロセスが長期化する
  • ・入社後の長期育成が必要
  • ・ポテンシャルの見極めが難しい

【中途採用】
《メリット》

  • ・採用から入社までの期間が短い
  • ・ビジネスマナーなどの基礎教育がいらない
  • ・戦力化までのスピードが早い
  • ・前職の経験や人脈を活かせる
  • ・必要とする人材をピンポイントで採用できる

《デメリット》

  • ・優秀層の採用は難しい
  • ・ロイヤリティ形成が難しい
  • ・企業文化の浸透が難しい

 自社に合った優秀な人材獲得を模索する方は、以下の資料に記載された採用手法を上手に活用してみてください。

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