リモハラとは?
はじめに、「リモハラ」の概略を説明します。またリモハラの広がりに関する現状についても調査結果を紹介します。
「リモハラ」の意味
リモハラは「リモートハラスメント」または「リモートワークハラスメント」の省略で、主に在宅勤務などオンラインを介した就業環境で行なわれるハラスメントを指します。ハラスメントとして代表的なパワハラ、セクハラが行為に焦点を当てた呼称であるのに対し、リモハラは「発生する状況」に焦点を当てたネーミングです。
リモハラは新型コロナウイルスの感染拡大や、働き方改革の推進による在宅勤務の増加を背景に広がってきた概念。在宅勤務は通勤にかかる時間の短縮につながるため、導入企業の社員の間では総じて好評といえます。
しかし、同時に発生してきたのがリモハラです。リモートワークではオンライン上のコミュニケーションが中心となります。そのため、表情や視線、動作といった非言語コミュニケーションが乏しくなり意思の疎通が難しいという欠点があります。
また、リモートワークでは、今まで「自宅」と「職場」として物理的な切り離されていた空間が混在しがちです。結果として、オンライン会議等でカメラを通じてプライベートな面が垣間見えてしまうことも、リモハラ増加につながっています。
リモートであるが故に、コミュニケーションや相手との距離感が取りづらいため、意図していないにも関わらずリモハラとなっているケースも少なくありません。さらに同僚同士や部下から上司に対しても、リモハラに当たる言動がみられる場合があります。
増えるコミュニケーションストレス
リモートワークの普及に伴い、コミュニケーションストレスが増加しています。長期間リモートワークしている会社員を対象とした、上司へのコミュニケーションストレスに関する調査結果も発表されています。
それによると、ストレスが減ったとの回答が約20%であったのに対し、ストレスが増えたとの回答は37%と2倍近くになっています。ストレスや不快感の原因となっている言動としては「常に仕事をしているかの連絡や確認」「参加したくないリモート飲み会への勧誘」「プライベートについての質問」などが上位になっています。
また、リモハラの経験に関する最近の調査によると、業務時間外にメールや電話等への参加を強制されたことのある経験者が21.1%とかなり高くなっています。過度の監視を受けた経験者の割合も13.8%となっており、リモートワークではリモハラを経験している人が、一定の割合にのぼることが分かります。
さらに、オンライン飲み会への参加を強制された経験者が7.4%、業務上必要のない1対1のオンライン飲み会などに誘われたことのある経験者も5.9%と少なくはありません。
一方、別の調査でリモハラやテレハラの認知について質問したところ、言葉も内容も知っていると回答したのは13.8%であり、約7割が知らないと答えています。
つまり、リモハラは実質的に多くの人々が経験しているハラスメントであるにもかかわらず、認知が十分ではない状況といえます。今後リモハラが社会問題としてクローズアップされる可能性は高く、企業は今のうちに対策を講じておく必要があります。
参照)
*1 ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社
『テレワークにおけるハラスメントの実態調査』、2021年6月8日
*2 株式会社アスマーク
『テレハラ・リモハラ実態調査』、2021年10月5日
*3東京大学医学系研究科精神保健学分野
『新型コロナウイルス感染症に関わる全国労働者オンライン調査』






