成長の連続体の「依存」・「自立」・「相互依存」とは
「7つの習慣®」では、人が依存から自立、自立から相互依存へと導く成長プロセスを「成長の連続体」と表現します。第1~第3の習慣までを実践して依存から自立に進むことを「私的成功」、そして、自立から第4~第6の習慣を実践して相互依存へと進むことを「公的成功」と呼びます。そして全体の外側を、第7の習慣「刃を研ぐ」が取り囲んでいるという構造です。本章では、「依存」「自立」「相互依存」の各ステージが何を意味するかを解説します。
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依存とはどういう状態なのか?
人は誰でも「依存」状態から人生が始まります。例えば、私たちは小さい子供の頃は、保護者の助けがなければ生きていくことはできません。初めは物理的、経済的、精神的など、すべての側面で依存した状態から人生が始まっていきます。そこから、徐々に依存から脱していくわけです。
物理的な依存、経済的な依存などはイメージしやすいところです。では、精神的な依存とはどういう状態でしょうか。精神的な依存状態とは、「あなた」に頼っている状態です。例えば、「あなたに面倒を見てほしい」「あなたが結果を出さなかった」「結果が出ないのはあなたのせいだ」等の思考や言葉を使い、上司のせい、親のせい、環境のせい等の「他責にする状態」が精神的な依存状態です。
自立とはどういう状態なのか?
始めは依存状態だった人も、やがて一人でできることが多くなり、自立します。最初歩けなかった赤ちゃんも、いずれ歩いて遠くに行けるようになります。同様に、最初は仕事の右も左もわからなかった新入社員も、自分で判断して仕事を進めることができるようになります。
そのなかで、精神的にも自立していくことが大切です。精神的な自立とは、自らの意思で選択して、結果の責任を引き受けるということです。「自分でできる」という自由と引き換えに「結果を自分で受け止める」という自己責任をともなうことでもあるのです。
精神的に自立した人は、「私はできる」「私がやる」「私の責任だ」など、「私」を主語にします。自立することで他者や環境に対する依存から解放され、周りの状況に左右されず、自分から望む結果に向けて働きかけることができるようになります。
相互依存とはどういう状態なのか?
「自立」は「依存」に比べてはるかに成熟した状態です。しかし、「7つの習慣®」では、自立よりも上に「相互依存」という成長段階があるとしています。相互依存の段階に達した人は、他者と深く有意義な関係を築き、他の人々が持つ莫大な能力と可能性を生かすことができます。
他者と協力し合うことで、自分一人が生み出す結果をはるかに上回る結果を出せるようになるのです。相互依存の人は「私たちはできる」「私たちは協力する」「私たちが力を合わせれば、もっと素晴らしい結果を出せる」など、「私たち」を主語にします。
自立した人は、自分一人の力で目標達成や問題解決などさまざまな物事に対処することができます。しかし、個人が自立しただけでは、自分の能力の範囲内でしか、成果を得ることはできません。たとえ自分の能力を最大限に発揮できたとしても、得られる成果はせいぜい日頃の2倍か3倍ではないでしょうか。
自分一人がどんなに頑張ろうとも、自分一人の力で成果を10倍にすることは困難です。しかし、周囲の人と知恵を出し合うことによって、協力して、強みを生かすことで、自分一人で生み出す最高の結果をはるかに上回る結果を出すことができます。
かつてアメリカの小売業界では、ウォルマートとKマートという2つの会社が覇権を争っていました。ウォルマートは現在でも世界最大の小売業として知られていますが、後者のKマートは2002年に倒産してしまいます。ある調査で両社を比較したところ、意外なことが判明しました。
それは、2社のエグゼクティブが使っていた言葉の主語をカウントしたところ、ウォルマートの経営陣は、「私」よりも「私たち」という主語を多く用いており、Kマートの経営陣は、「私たち」よりも「私」という主語をよく用いていたという事実です。
言葉の違いだけが成果の違いを生むわけではありません。しかし、上記の例は「私たち」を主語に考える思考や協力体制が生み出す成果を想像させる象徴的な事例です。






