グラビス・アーキテクツ株式会社|自分の仕事が社会課題の解決に直結 使命感の中で自律した働き方のできる職場づくり

更新:2024/03/05

作成:2022/10/22

グラビス・アーキテクツ株式会社

 公共公益機関と中堅・中小企業にターゲットを絞ってコンサルティングビジネスを手がけるグラビス・アーキテクツ株式会社。

 Great Place to Work® Institute Japan 2022、2023年版日本における「働きがいのある会社」ランキングにおいて、小規模部門で2年連続ランクインされています。

 「社会問題解決」に特化したコンサルティングの哲学をいかに組織へ浸透させ、少数精鋭な組織づくりを実現させたのか、管理本部で人事担当である川人 伸様と、公共公益事業部ディレクターの境 克典様にお話を伺いました。

<目次>

Q.貴社の事業内容について教えてください

境様
 事業の軸は公共公益事業部とビジネスイノベーション事業部の2つに分かれています。

 公共公益事業部では、公益公共機関(中央省庁、地方公共団体等)におけるデジタル化支援、情報システムの最適化計画の策定、調達支援、PMO支援など情報システムの導入に係るライフサイクル全般に対するコンサルティングサービスを提供し、IT利活用による業務改革・生産性向上を支援しています。

 ビジネスイノベーション事業部では民間の製造業・流通業(卸・小売り)を中心とし、ITを利活用したサプライ&デマンドチェーンの高度化を支援するサービスを提供しています。

 その中でも特にERP(統合基幹業務システム)やCRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の分野においてはSAPなどのERPソリューションを用いて、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)から定着化まで幅広くサポートしています。

 現在、公共と民間における事業規模の比率は2:1となっており、社員数もこの3年くらいで50名ほどになり、約3倍に増員されています。
 
グラビスアーキテクツ様業務例
 公共公益機関に向けたコンサルティングについて、従来は大手コンサルが任されるような防衛省、金融庁、総務省、国民健康保険中央会、札幌市などのIT領域等の企画や設計にも携わってきました。

 創業者である社長の古見が地道な提案活動を続けることで保守的だった市場に割って入ることができるようになっています。

 適正なコストで既存の商慣習を壊すことで徐々に実績を重ね、設立12年目の現在では大手ファームと競合しながら、様々な領域で案件を任せて頂けるようになっています。

Q. 約10年でここまで成長させた、古見社長の信念や貴社の理念を教えてください。

川人様
 当社では経営方針のひとつめに「規模の大きさをKPIにしない」ということを掲げています。

 これはここ数年で社内に掲げられたものですが、古見も「人は増やしていくが、数ありきで事業は行わない。我々は“いいやつ比率、できるやつ比率”を下げないことを強く意識しながら経営をする」と常々述べています。

 確かに社員数は2018年に17名だったものが2020年には27名、2022年には50名と飛躍的な伸びをみせています。

 中期的な事業規模として「100人」を一つの目安として考えていますが、今は社員数はポイントではなく、会社の規模拡大を目標にしたり、安易に“量産する”ことを目指したりする姿勢はありません。

 例えば、2020年に当社は福岡と大阪に事務所を新設しました。

 そのタイミングで社員数も増えていますが、いずれも規模拡大を狙って新設したわけではなく、福岡出身、大阪出身の社員が「地元で身を立てたい」という希望があり、それが収益のあるビジネスケースとして成り立つと会社が判断したので開設され、人も増えていったという流れです。

 規模を大きくすることを目標としない当社にとって、彼らがいなければ各事務所はおそらく開設されませんでしたし、社員数も現状まで増えることはなかったと思います。

 大事なことは、行動したい当人、“人ありき”です。

 自律のために本人が自分できちんと責任をもつという覚悟が前提で、それが明確に伝わってくれば、会社として、結果的にポジションを作ったり規模拡大をオファーしたりしたいと考えています。

 また当社は経営理念に「我々は、日々の行動を通じ、一貫して礼節と正義を重んじ、各産業の新陳代謝、生産性向上に貢献し、継続的且つ自律的に成長する社会、経済を実現する。」を掲げています。

 この価値観は会社が“役に立つ”だけでなく“社会に対して意味のある”仕事をすることにあります。

 「知をもって自律せよ」ということが私たちの目指す組織であり、その実現のために活動しています。

 なお当社では「GAマインド」としては、以下を掲げています。

GA コンサルタンシーマインド
社会問題を解決する。その当事者として何事にも主体的に臨む。
Take the initiative to solve social issues.

結果を重んじ、謙虚に向かい合うこと。
Be humble yet focus on outcomes.

顧客第一主義。
Client First.

正しく考え、ストレートに伝えよ。
Think correctly and talk straight.

尊重と協調。
Be respectful and collaborative with others.

価値創造思考。
Consider how we can create value for society and clients.

尽きることなく成長し続ける向上心。
Be ambitious and pursue personal development.

できないはない。できるためにはどうすればいいかを思考する。
Focus on what you can do. Nothing is impossible.

スピードに勝る価値無し。
Get things done effectively and efficiently.

責任をもって最後まで仕事を完遂する。
The Closer.

Q. 組織構成の概略をお聞かせください。

職場風景(福岡)
 社内の平均年齢は37~38歳で、現在、新卒採用はしていません。

 「働くことを通して世の中にどうかかわるか」というポリシーを明確に持たれている方が合う会社でもあり、一定の経験を重ねた方を中心に採用しています。

 ただ世界観をしっかり持った方であれば若くても活躍しているので年齢は関係なく、活躍できる環境でもあります。

 社員数は先ほど述べた通り50名程度ですが、外部のビジネスパートナーが30名ほどいるので、全体では80名ほどのビジネスサイズで活動しています。

 2018年の頃から人数が急激に増え、30名を超えたところで内部統制をしていくため管理部門の人材を採用し、川人などが入社して組織基盤がより盤石になりました。

 組織開発においては繰り返しになりますが、経営方針に「規模の大きさをKPIにしない」とある通り、採用のハードルを下げて社員数を増やしていくことはありません。

 若手も採用しますが、プロになるポテンシャルや心構え、人としてしっかりしていることを高く求めています。

 同業他社は採用をもっと積極的に行っていますし、当社もより採用数を増やせば事業拡大や売上アップに繋がると思っていますが、やはり大前提は“人ありき”となります。

 キャリアのある方に対しても、実力・実績以上に人間性を重視しています。

 一次選考では川人などが書類審査から携わり、二次で境など現場のマネジメント人材がさらに厳しく選考し、三次で役員選考となるステップを踏んでいます。

 また、川人は人事担当になりますが、採用数での目標は持たないようにしています。

 採用においては自律した仕事ができるかどうか、採ることによるメリット・デメリットを現場目線で考査し、基準に満たなければ見送ります。

 もちろん採用数ゼロでも良いというわけではありませんが、“採れなかった”という結果のみで評価されることもありません。

 会社として採用人数を目標にしてしまうと、どうしても数に走ってしまいがちで理想の採用と齟齬が生じるので、「何のための採用か」を常に念頭におきながら、かつ、現場からの要望にも応えるように試行錯誤しています。

 振り返ると2018年頃が、当社のひとつの転換期でした。

 それまでは古見を筆頭に自分たちのことを“山賊”と称し、古見も現場に出て公共公益機関に切り込んでいました。

 ただ、どうしても個人商店での勝負となりがちであったため、そういった「個の強さ」を維持しつつ組織としても戦えるような組織づくりをはじめたのがその時期です。

 以来、「いいやつ、できるやつ」の採用基準を保ちながら、規模を目標にしない経営手法でここまで事業を継続させてきました。

Q.リモートワーク中心とした現在の働き方について教えてください。

長浜ワーケーション
 弊社ではWHOが新型コロナウイルスのパンデミックを表明した2020年に、「withコロナ」の社会を前提とし、コロナが収束した後も社員が安心して業務に取り組めるよう、ワークプレイスに捉われない働き方へと全面的にシフトしていく「Work Style Renaissance for New Normal」プロジェクトをスタートしました。

 プロジェクトでは、仕事におけるパフォーマンスの最大化を目的としながら、下記の4点を基本方針として掲げました。

  • ①リモートワーク・在宅勤務を原則とする(もちろん出勤してもOK)
  • ②クライアントへの訪問(特に長距離の移動)を可能な範囲で削減し、オンライン会議を積極的に活用する
  • ③管理部門の出勤は必要最低人員でローテーションさせ、かつ、時差出勤とする
  • ④これらのための就業環境・ルールを再構築する

 出勤・通勤は手段であって仕事上の目的ではありません。

 本来の目的である「クライアントサービスに対する価値の最大化」と「社員の人生の充実」に立ち返り、これまでのオンサイトによる血の通ったコミュニケーションは大切に考えつつも、すべてはクライアントファーストのため、時間というリソースを最大限活用する「ハイブリッド型でのワークスタイル」を志向しました。

 現在、プロジェクトによって業務に支障が生じることもなく、緊急事態宣言中でもむしろビジネスは円滑に流れてきました。

 特に古見は札幌市を本拠として活動しつつ、東京での業務もあり、二重生活に忙殺されていましたが、移動の体力・時間コストが大幅に減り、効率的で「これは継続できる」と実感しているようです。

Q.今後どのような職場づくりを目指していくのでしょうか?

夕張視察
 リモートワーク自体は問題ないのですが、同時に、働き方における本当の成果や満足度を図るには時期尚早だとも感じています。

 コロナ前の出社中心の就業形態と比べて、社員が一抹の寂しさを少なからず感じている面もあり、直近で入社した社員であれば、会ったことのないマネージャーとオンラインのみでコミュニケ-ションしている姿は、どこか不自然な気もします。

 そこで境などマネジメントメンバーは意識して会社へ足を運ぶようにもしています。

 また会社でもコミュニケーション不足による弊害(孤独感、業務と私生活の悪い意味での融合など)を取り除く試みを取り入れています。

 オンライン中心の中でも円滑なコミュニケーションをすべく、忌憚のない意見交換を目的とした「よもやまMTG」「経営メンバーとの1on1」や、親睦を深める「事務所ワーケーション制度」「居住地域ごとのエリア別飲み会」、互いをより知るための「全社員の自己紹介動画」等です。

 中でも事務所ワーケーション制度においては、東京、札幌、大阪、福岡の各事務所で、一定期間ずつ環境を変えて働く仕組みですが、違った景色で違った頭の使い方ができるとのことで、社員から好評を得ています。

 また、単に“働く場所を変えて交流する”となると、ただ飲みに行くだけになりがちです。

 そこで札幌であれば夕張への1日視察を行ったり、大阪では長浜市の地域活動担当者との座談会を行ったりと、普段はない角度からの情報収集するような機会を設けて、事務所ワ―ケーションをさらに意義あるものにしています。

 社内のクラブ活動的な動きへのサポートも活発化させています。

 活動強制ではなく、やりたいと声が上がれば会社が活動の助成をしています。ゴルフや登山などで有志数名が集まっています。

 本格的な活動から嗜む程度まで、望む内容や活動は様々ですが、社員が増え、仕事への関わり方も変化していく中で、そうした“人のつながり”を見出せる活動はもっと自由に行ってほしいです。

 コンサルティング会社の特性上、業務はプロジェクト単位で進んでいるため、プロジェクトマネージャー(PM)には常に力量を上げていってもらう必要があります。

 力量の中には、仕事の面のみならず、組織の中心にいる立場としてチームのまとまりを生み出すなど、仕事プラスアルファの要素がますます求められていくでしょう。

 プロジェクトマネージャー陣には、プロとしての仕事を、社会的意義を持ちながら完遂させる一方で、“人との結びつき”をバランスよく体現する舵取り役としてさらに成長してほしいと思います。

⼤カテゴリ:

    関連タグ:

      関連記事

      • HRドクターについて

        HRドクターについて 採用×教育チャンネル 【採用】と【社員教育】のお役立ち情報と情報を発信します。
      • 運営企業

      • 採用と社員教育のお役立ち資料

      • ジェイックの提供サービス

      pagetop