ホーソン実験【ザ・現場ギャップvol.62】

更新:2021/07/20

作成:2019/08/21

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

ホーソン実験

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

 

 

今回は、「ホーソン実験」について

お話できればと思います。

 

 

有名な実験なので、ご存知かもしれませんが

ホーソン実験とは、1927年から1932年にかけて行われた

人間の動機づけに関する一連の実験・研究のことで

シカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社の

ホーソン工場で行われたため、そのように呼ばれています。

 

 

この実験は元々、さまざまな条件下で

生産性がどう変化するかを観察することが目的で行われ

 

照明実験、リレー組みたて実験、面接実験、バンク配線実験

の4つの実験が行われました。

 

 

 

 

始めに行われた照明実験は

「照明の明るさが生産性に影響する」

という仮説のもと

照明が明るい環境と暗い環境の、2つの環境を用意し

それぞれどのように生産性が変化をするかを

観察し始めました。

 

多くの研究者はこの実験の結果を

「明るい方が作業効率が上がる」

という風に仮説立てていましたが、、、

 

なんと、実験の結果

「照明の明るさと生産性は相関しない」

という結果が出ました。

 

 

 

 

次に行われたリレー組みたて実験では

組み立て作業員と、部品をそろえる世話役とで

グループを作り、監督を配置して労働条件を変える

といったことから生産性を観察しました。

 

労働条件が改善されると作業能率は上がったため

始めは「やはり労働条件が影響しているのか」

と仮説が立てられましたが

 

その後、元の条件に戻したところ

それでも上がった作業効率は下がりませんでした。

 

つまり、労働条件だけが作業効率に影響を及ぼしている

というわけではない、という実験結果になったのです。

 

 

しかし、この実験を通して、ある一つの仮説が生まれました。

それが、

 

「グループを作ったことによる

グループ意識や選ばれたことへの誇りが

仕事のモチベーションに影響しているのではないか」

 

という仮説です。

 

 

 

 

上記の仮説をもとに行われた

3つの実験が「面接実験」でした。

 

面接実験では、約21,000人の従業員に対して

「仕事は楽しいか?」「やりがいはなにか?」

「仕事についてどう思うか?」

といった質問を行い

 

個人的な感情が仕事のパフォーマンスに

どのような影響を与えるか、を調査しました。

 

その結果、労働意欲は職場の環境や賃金よりも

職場における人間関係や仕事への適性、興味といった

感情的な部分に強く依存している、ということが判明しました。

 

 

 

 

そして、これまでの3つの実験から

生産性に影響するのは、人間関係や監督者のリーダーシップである

という仮説が導かれ、最後の実験、バンク配線実験が行われました。

 

バンク配線実験とは、職業の異なる労働者が

協業という形で一つのグループとなって

バンク=電話交換機の端子の配線作業を行い

その成果を計測した実験です。

 

その結果、 それぞれの労働者は

自分の持てる力をすべて出し切るのではなく

状況や場面に応じて自ら労働量を制限している

ということが分かりました。

 

また、生産性の違いは労働者の能力よりも

意識によるところが大きいということが判明し

 

更に品質検査では、上司と従業員との間に

良好な人間関係を築いているほうが

より欠陥やミスの少ない製品を製造できる

ということも判明しました。

 

 

 

 

 

以上のことから

 

・生産性向上には物理的な労働条件は関係がない。

 

・生産性向上をするには、職場の人間関係や

仕事に対する思いなど感情的な部分が影響を与える。

 

・良好な人間関係を築けている方がミスが少なく力を出す。

 

といったことがまとめられました。

 

 

そして、この実験から職場の人間関係について、

そしてそれを形成する要素としてリーダーの在り方が問われ

現代のリーダーシップ研究のきっかけにもなりました。

 

 

職場の人間関係やリーダーシップなど

既にご関心が高い項目かもしれませんが

一助になれば幸いです。

 

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

1974年生まれ 鹿児島県種子島出身。1997年筑波大学第一学群社会学類を卒業。新卒でハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。専門分野は新人と若手育成、モチベーション・エンゲージメント改善、女性活躍等

【著書、登壇セミナー】
・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
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