心理的安全性を測定する方法としてエイミー・エドモンドソンは、次の7つの質問を提唱しました。
- 1.チーム内でミスを起こすと、よく批判をされる
- 2.メンバー内で、難しい問題や課題を指摘しあえる
- 3.チーム内のメンバーが、異質なものを受け入れない傾向にある
- 4.チームに対して、リスクのある行動をとっても安全である
- 5.チーム内のメンバーに助けを求めづらい
- 6.チーム内で他者を騙したり、意図的に陥れようとしたりする人がいない
- 7.チームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されていると感じる
7つの質問を使うと、組織内における心理的安全性の現状を明らかにして、強みや課題を明確にすることができます。
心理的安全性という抽象的な概念も、定量化、可視化することで現状把握と改善に取り組むことが大切です。
測定の方法は簡単です。7つの質問に5段階(「まったく記載のとおり」~「まったく記載のとおりでない」)で回答してもらい、各設問を集計します。
Q1・Q3・Q5はスコアが低いほうが良い設問、Q2・Q4・Q6・Q7はスコアが高いほうが良い設問です。
なお、アンケートに本名を記載すると、本音で回答できないメンバーが出てきますので、匿名で実施した方がより正しい現状を把握しやすくなります。
次に各質問を詳しく見ていきましょう。
1.チーム内でミスを起こすと、よく批判をされる
自分がミスを起こしてしまった時に他メンバーに批判される環境(“批判される”と感じる環境)は、心理的安全性が低い環境といえます。
このような環境では、メンバーが挑戦を恐れるようになったり、ミスを共有することを避けるようになったりします。
当然保守的になりますし、ミスが隠されることで大きなトラブルが生じることもあるでしょう。
逆にメンバーのミスや失敗に対して、ポジティブな声がけや建設的なフィードバック、リカバリーや改善に向けた協力がしあえる環境は心理的安全性が高い環境です。
こうした環境であれば、些細なミスや失敗が早期に共有され、改善に向けた取り組みも進捗するでしょう。
2.メンバー内で、難しい問題や課題を指摘しあえる
心理的安全性が低い状態では、他のメンバーに嫌われないか、雰囲気を悪くしてしまわないかなどという不安があり、チーム内で課題の指摘がされづらくなります。
難しい問題や課題は、議論してすぐに解決できるものではなく、もやっとした雰囲気になることもあるでしょう。
また、“その仕組みを生み出したり、前任から引き継いできた担当者への批判に聞こえてしまう”かもしれないという恐れも生じたりします。
しかし、メンバー同士の信頼関係が構築されていれば、純粋に取り組むべき課題として、問題や懸念点を指摘して、チームで向き合うことができます。
難しい問題や課題にしっかりと向き合う中で解決することができれば、チームとして大きな成果が生まれるでしょう。
3.チーム内のメンバーが、異質なものを受け入れない傾向にある
チーム内のメンバーが異なる価値観や異質なものを受け入れない傾向にあれば、メンバーは周囲やチームから浮かないために発言や行動を調整する必要が生まれます。
行動や意見は保守的になり、前例踏襲型の意思決定などが増えていくでしょう。
一方でメンバーが互いの価値観や考え方を尊重し合う、異論を尊んでイノベーションを生み出す姿勢があれば、異なる価値観に基づく意見やアイデアが発言されやすくなり、チームの創造力や問題解決力が向上します。
4.チームに対して、リスクのある行動をとっても安全である
メンバーの意見に異論を唱えたり厳しいフィードバックをしたりすることは、相手に嫌われたり、人間関係を悪化させたりする心理的なリスクを伴います。
また、初歩的な質問することは、“自分が無知である・無能である”と思われることにつながるかも知れません。
チームメンバーを信頼して、こうした“リスクある行動”をとっても大丈夫だと思えるのが、心理的安全性が高いチームです。
5.チーム内のメンバーに助けを求めづらい
チーム内のメンバーに助けを求めたり相談したりするときに「無知や無能、邪魔だと思われるのではないか」と不安を感じてしまうのは心理的安全性が低い状態です。
相談できない、メンバー同士で助け合いができない状態になると、個人プレイが増え、チームの生産性や実行力は各個人の実行力に依存してしまいます。
逆にいえば、自分の担当業務等に関して懸念や不安があるとき、素直に周囲に助けを求められることでチーム全体の実行力が向上するのです。
6.チーム内で他者を騙したり、意図的に陥れようとしたりする人がいない
チーム内で他者を騙したり意図的に陥れようとしたりするメンバーが居れば、メンバー同士で信頼関係を構築することは難しくなります。
反対に、メンバー同士で足を引っ張られることがないと信頼しあえている状態では、危機感や不安なく仕事することができるでしょう。設問6はチーム内で信頼関係を築く基礎となるものです。
7.チームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されていると感じる
チームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されている、チームへの貢献感を感じられると、仕事へのモチベーションや組織へのエンゲージメントは向上します。
スキルや強みを発揮することで、自分の居場所があると感じられる、また、自己効力感も高まります。
そして、お互いのスキルや強みについて相互理解して、助け合いが生まれるようになると、チームの生産性はどんどん向上していくでしょう。