雑談力とは?明日から使えるネタと、雑談力を高める方法を解説!

雑談力とは?明日から使えるネタと、雑談力を高める方法を解説!

雑談力とは、言葉の通り「雑談をする力」を意味しています。

 

雑談は、顧客との商談や社内で相手との心理的な距離を縮めたり、相互理解を生み出したりすることに役立ちます。したがって、雑談をする「雑談力」のスキルは、営業や販売、マネジメントなどの業務に携わる人にとっては必要不可欠なものです。

 

雑談力は、口下手で「雑談が苦手」と感じる人でも、基本的なテクニックを知りトレーニングを重ねることで向上します。記事では、雑談力の重要性やおススメの雑談ネタ、雑談をうまく運ぶ基本テクニックを紹介します。

<目次>

雑談力とは?

笑顔で話しかけるビジネスマン

雑談力とは、言葉のとおり「雑談をする力」です。仲の良い知人や顧客とは気軽に雑談できるのに対して、関係の薄い顧客や良く知らない社内メンバーと雑談するのが苦手という人も多いと思います。しかし、ビジネスにおける雑談は、人との距離を縮めるための重要な武器です。

 

雑談を通じて「相手の“自分に関心を持ってくれた”という感覚」「自分のパーソナル側面の自己開示や相互理解」「相手との共通点の発見」といったことが、信頼関係の構築につながります。

 

従って、雑談は商談のアイスブレイクや不信の解除、メンバーとの信頼関係の構築、チームビルディングなどに大変有効です。

 

近年では、テレワークやオンライン商談が増えたことで、ビジネスシーンにおける雑談は減る傾向にあります。だからこそ、関係構築やチームビルディングを目的として意図的に雑談を仕かける「雑談力」の重要性はより高まっているとも言えます。

 

雑談が苦手な人は、「会話のネタが浮かばない」「知識がない」「会話が途切れてしまう」といった点を苦手にしています。以下の章で、雑談に向いたネタや雑談をうまく実施する基本テクニックを紹介します。

雑談で使える会話のネタ

雑談で使えるおススメネタには、以下のようなものがあります。

 

 

季節や天候

季節や天候ネタは会話の糸口にしやすく、かつ誰でも共感できるため、雑談ネタにはとてもおススメです。ただし、中身が薄くなりやすく、相手のパーソナリティーに入り込みづらいため、あくまで会話の糸口で使うネタと考えると良いでしょう。

 

以下のように、季節や天候から連想されるひと言をつけ加えるのも、話を広げるテクニックの一つになります。

 

【例】最近だいぶ暖かくなって桜も咲いてきましたね。このあたりだと桜の名所とかはありますか?

 

 

地域情報

相手の出身や居住地、最近行った場所なども雑談に最適なネタです。地域情報は、相手のパーソナリティーとの関連性があることも多いものです。また、一般的には、自分の出身や居住地に好感を持たれて悪い気はしません。相手との共通点を見つけるうえでも、地域情報はうまく活用できるでしょう。

 

【例】年末は青森に帰省していました。◯◯さんは、ご出身どちらですか。

 

 

相手の変化

雑談相手の髪型や服装など、変化したところを話題にするのもおススメです。人は自分に関心を持ってもらったり、褒められたりすれば嬉しく感じます。「変化への気付き+いいね」で雑談することは、信頼関係の構築に繋がります。

 

【例】ヘアスタイル変えられたんですね。似合いますね!

 

 

木戸に立てかけし衣食住

雑談テーマを覚えるためのフレーズとして、「木戸に立てかけし衣食住」という覚え方があります。「木戸に立てかけし衣食住」は鉄板の雑談テーマ11個の頭文字を並べたものです。雑談テーマの整理として覚えておいて損はないでしょう。

 

  • キ:季節
  • ド:道楽(趣味、テレビ、映画、スポーツ)
  • ニ:ニュース
  • タ:旅
  • テ:天気
  • カ:家族
  • ケ:健康
  • シ:仕事
  • 衣:ファッション
  • 食:食やグルメ
  • 住:住まいや暮らし

 

 

個人の関心

社内ミーティングなどであれば、明確に雑談のテーマを設定することも一つの方法です。

 

例えば、「最近の趣味」「好きな映画」「最近うれしかったこと」「最近買った変わったもの」「週末の過ごし方」などをテーマ設定して簡単に発表してもらう、なども雑談のやり方としておススメとなります。

 

週1回の会議で毎回テーマを変えて実施すると、1~2ヵ月(4~8テーマ)ほどで相互理解がかなり進むでしょう。とくに雑談が生じにくいオンラインミーティングでは、テーマ設定して意図的に雑談の時間をとることも効果的です。

雑談力を高める5つの基本、話し方のテクニック

雑談の基本テクニックとなる話し方のポイントを5つ紹介します。

 

 

相手や話題に対する姿勢や表情を意識する

コミュニケーションには、言葉を使った「言語コミュニケーション」のほかに、「非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)」があります。

 

非言語コミュニケーションでは、以下のようなものを使って自分の気持ちなどをあらわします。

 

  • 表情
  • 姿勢
  • 視線
  • 声のトーン
  • 話すスピード
  • ジェスチャー など

 

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」では、人間のコミュニケーションで受け取る情報を100になるとされています。

 

したがって、雑談するときには、非言語である表情や声に注意して、相手や話題への関心を示すことが大切です。

 

 

声のトーンは高めにする

雑談では、声にも注意する必要があります。先述の「メラビアンの法則」では、以下のような聴覚情報にも影響力があることがわかっています。

 

  • 声のトーン
  • 声の大きさ
  • 喋る速さ
  • 口調

 

声を高めのトーンで話すと、相手に明るい、元気、おおらかなどの印象を与えやすくなります。したがって、初対面の相手との雑談では、明るいトーンでポジティブな印象を与えることがおススメです。特にWeb会議では「声」の影響力が大きくなるため、声を意識することは重要です。

 

 

相づちを適度に打つ

相手の話にうなずき、調子を合わせる相づちは、「あなたの話を聞いている」というメッセージです。

 

雑談内で、うまく相づちを打つことで相手は「自分の話を聴いてくれている」「自分の話に興味を持ってくれている」と好印象を抱きます。実際に、立正大学・川名好裕先生の研究でも、相づちによって感情的・社交的な対人魅力が高まることが実証されています。

 

相づちと共に、相手の話し方や呼吸、状態などを合わせる「ペーシング」という技術をうまく使うこともおススメです。相手の話す速度に合わせてうなずくと、話し手と聞き手の間に一体感が生まれます。相手は、「相性がいい」「息が合っている」などの安心感や好印象を受けるでしょう。

 

また、相づちのジェスチャーと共に「へえ」「ええ」「ほう」などの声による反応をすれば、相手の聴覚を刺激して、会話も弾みやすくなります。また、相手の言葉を繰り返す「おうむ返し」や「わかります」など、共感の相づちを加えることもおススメです。

 

 

話し上手より聞き上手を目指す

よく「話し上手は聞き上手」といわれます。雑談を相手との信頼関係につなげるためには、相手の話を引き出すことと、「相手への関心」を持つことが大切です。

 

前述の相づちに加えて、「それでどうなったんですか?」など相手の話を引き出すような合いの手や質問をしていくことも聞き上手になるための大切なテクニックです。

 

ビジネスシーンにおける信頼関係の構築では、心理学用語の「ラポール」という考え方に基づくテクニックが有効です。以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてください。

 

 

会話を疑問形でつなげる

雑談では、話が続かなければ距離も縮まりません。しかし、一方的に自分の話ばかりをしたのでは、聞き上手とはかけ離れた状態になってしまいます。そんなときには、会話の最後を疑問形にするテクニックも有効です。

 

例えば、「新しいパソコンを買われたんですね。いいですね。私も欲しくなりました。新しいパソコン快適ですか?」と、最後を疑問形で投げることで、会話が続き、かつ相手の話を引き出すことができます。

雑談力を磨くポイント

談笑するビジネスパーソン

雑談は、天性のコミュニケーション力や性格によって得手不得手もあります。しかし、日頃からトレーニングや準備をすることで雑談力を鍛えることが可能です。

 

雑談力を鍛えたい、ビジネスで雑談を有効活用したい方は下記3つのポイントを意識すると効果的です。

 

 

雑談に使える情報収集をする

雑談する相手の情報、時事ネタやニュースなどの情報を収集することで、雑談の幅が広がります。例えば、ビジネスなどで距離を縮めたい相手の出身地がわかったら、地域の観光情報やグルメ情報などを収集するだけで、雑談の引き出しが一気に増えることでしょう。

 

また、相手の話題を自然に広げるには、会話に登場した一つのキーワードから、連想ゲームのような形で話を広げていくのもおススメです。そのためには、基礎となる情報収集や教養を身に付けることは大切になります。

 

最近では、SNSをしている人も増えていますので、商談等であれば、事前に相手のSNSを調べて目を通すことも有効です。

 

 

雑談の目的を明確にする

ビジネスにおける雑談は、相手との信頼関係を構築したり相互理解を生み出したりするための手段です。

 

何も意識せず自由気ままに話すよりも、目的を明確にすることでより有意義にすることができます。「ムダな会話が苦手」といった人でも、目的を明確にすることで意識的に雑談を仕かけられるようになるでしょう。

 

例えば、営業先のお客様に信頼してもらいたい場合、天気やニュースの話題よりもお客様自身への関心をアピールできる話題にするのがおススメです。また、社内メンバーの場合は、仕事から離れたプライベートの内容をテーマにすることも良いでしょう。

 

 

雑談の内容を記録する

次回に話を広げるためには、雑談の内容を記録しておくこともおススメです。

 

雑談の内容を忘れてしまい、同じ質問を繰り返してしまうと、「儀礼的に雑談しているだけで、自分に関心があるわけではないのだ」と思われてしまうこともあります。

 

一方で、前に相手が話した内容を記録しておき、次回は記録を見返したうえで話題を広げていくと、「自分の話を覚えていてくれた」と感じてもらえます。また、話の内容が深まることで、相手への理解も進みやすいでしょう。

まとめ

ビジネスにおける雑談は、相手と関係構築したり、相互理解を深めたりする効果的な手段です。従って、雑談力を身に付けることは、ビジネスで成果をあげるために重要です。性格等によって「雑談が苦手」という人もいますが、雑談力は鍛えられるスキルです。

 

会話のネタを仕入れたり、話を広げるテクニックを身に付けたりすることで鍛えられます。また、心理学的なコミュニケーションの技術を覚えたり、雑談を記録する習慣を付けたりすると、さらに雑談を有効活用できます。

 

 

雑談を通じて、顧客やメンバーと信頼関係を築き、相互理解を進めることができれば、ビジネスがうまくいくようになります。記事の内容を参考にして、ぜひ雑談力を高めてください。営業や管理職等に対して研修をすることもおススメです。

著者情報

宮本 靖之

株式会社ジェイック シニアマネージャー

宮本 靖之

大手生命保険会社にて、営業スタッフの採用・教育担当、営業拠点長職に従事。ジェイック入社後、研修講師として、新入社員から管理職層に至るまで幅広い階層の研修に登壇している。また、大学での就活生の就職対策講座も担当。

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