限られた時間のなかで成果を出したり、目標を達成したりするためには、時間管理がとても重要です。
しかし、新入社員や今まで時間をあまり意識せず仕事をしてきた人の場合、時間管理といわれても、具体的に何をすべきかイメージできないことも少なくありません。そんなときに活用できるのが、時間管理、時間記録(タイムトラッキング)ツールです。
時間管理ツールは、改めて時間管理に取り組もうというエグゼクティブにも役立ちます。本記事では、時間管理の重要性をはじめ、効率的な時間管理のコツや、時間管理、時間記録(タイムトラッキング)ツールを選ぶポイント、おススメの時間管理ツールをご紹介します。
<目次>
時間管理の重要性とは?
1日の時間は24時間であり、すべての人に平等です。したがって、24時間をいかに使うか、どれだけ生産性を高められるかによって、目標達成までのスピードや望む結果を得られるかどうかが変わってきます。
特にビジネスにおいては、決められた時間のなかでいかに仕事を進めるかが求められるため、時間管理は非常に重要なポイントといえるでしょう。
時間管理では、自分が抱えているタスクをリストアップし、優先順位といつ実行するのかを決めたうえで自分の時間に落とし込んでいきます。
私たちは、緊急性の高いものや得意なもの、目についたタスクを優先しがちです。また意外と、「自分が何に時間を使っているか」を把握できておらず、無駄なタスクに時間を割いているケースも少なくありません。
このとき、時間記録(タイムトラッキング)を実施することで自分の時間利用の状況が明確になり、時間の無駄を省いたり、意図的に時間を活用したりできるようになります。
効率的な時間管理を行なうコツ
時間管理は、以下4つの手順で実行するのが効果的です。
◆1.抱えているタスクをすべて書き出す◆
仕事を効率的に進めるためには、何を、いつまでにやらなければいけないのか、を明確にする必要があります。まずは、自分のタスクをすべて書き出して可視化しましょう。
たとえ小さなタスクでも、抜けや漏れが出てしまうと効果が落ちてしまうので、タスクが発生したときにすぐに書き出す習慣をつけることがおススメです。また、書き出すときには納期と想定の所要時間を記載し、手書きの場合もオンラインツールを使用する場合も、一つの場所で一元管理することが大切です。
◆2.タスクに優先順位を付ける◆
書き出したタスクの納期や所要時間を考慮しながら、各タスクに優先順位を付けます。優先順位を付ける際には、『7つの習慣』で紹介されている「時間管理のマトリックス」を利用するのが効果的です。
「時間管理のマトリックス」では、各タスクを「緊急性が高い・低い」と「重要性が高い・低い」の2軸、合計4つの領域に区分けします。区分けを意識することで、正しい優先順位を付けやすくなります。
◆3.優先順位と納期、所要時間をもとに実行順序や実行する日時を決める◆
優先順位を付けたら、優先順位の高いタスクからスケジュールに当てはめていきます。納期があるタスクは、余裕をもって早めに設定しておくことが大切です。また、タスクによっては計画どおりに進まないこともあるため、全体的に余裕をもたせることを意識しましょう。
◆4.実行して結果を振り返る◆
実際にタスクをこなしてみると「AよりBを先にやったほうが良かった」や、「CとDは夕方のほうがいい」などの気付きが得られる場合もあります。タスクを実行したあとは振り返り→改善……とPDCAをまわすことで、より効率的な時間管理が可能となります。
効率的な時間管理を行なううえで重要なのは1~3の手順です。特に1に関しては、最初の段階で抜け漏れがあると、2~4を実行しても仕事の効率が大幅に下がってしまうため、慎重かつ丁寧に洗い出す必要があります。
また、効率的な時間管理の質を上げていくうえでは、4の振り返り・改善がとても重要です。
ここで役立つのが時間記録(タイムトラッキング)ツールです。時間記録(タイムトラッキング)は手帳と紙で実施することもできますが、最近はスケジューリングやタスク管理がオンライン化してきていることから、アプリやWeb上の時間記録(タイムトラッキング)ツールなどもうまく活用してみるとよいでしょう。
時間記録(タイムトラッキング)ツールを選ぶポイント
時間記録(タイムトラッキング)ツールにはさまざまな種類があり、種類ごとに機能性や使い方が異なります。自社や自身に適したツールを選ぶためには、以下4つのポイントを意識して選ぶことがおススメです。
利用目的と必要な機能
時間記録(タイムトラッキング)ツールには、利用時間の実績を記録するだけでなく、カレンダーにタスクやアポイントを配置できたり、タスク管理も実施できたりするものもあります。
機能が多ければ良いというわけではありません。機能が多ければ、それだけ操作が複雑であったり費用が高くなったりします。「タスク管理は別のツールで実施している」「カレンダーは会社のグループウェアを使うので不要」など、自分のツール利用状況と目的に適した機能を過不足なく備えたツールを選びましょう。
操作性の良さ
時間記録(タイムトラッキング)ツールはタスクの進捗を管理するだけでなく、当日の実績も入力・記録していきます。触る頻度が多くなりますので、自分が使いやすいツールを選ぶことが大切です。
ツールの使いやすさや操作性は、時間管理を長く続けるうえでも欠かせないポイントといえるでしょう。
利用料金
時間管理(タイムトラッキング)ツールは無料のものと有料のものがあり、有料にもダウンロード時に料金を払うタイプや月額料金を払い続けるサブスクリプション型のものなど違いがあります。
一般的には有料ツールのほうが機能性・利便性が高くなりますが、基本的な機能しか使わない場合は、無料ツールで十分な場合もあるでしょう。長く使うことを考えると、無理のない金額設定を選ぶことも重要なポイントといえるでしょう。
対応しているOS
時間管理(タイムトラッキング)ツールが、時間管理に使うどんな端末やOSに適用しているかも大切です。特にパソコンとスマフォ・タブレットを併用したいといった人は要注意です。
おススメの時間記録(タイムトラッキング)ツール11選
本項では、時間記録(タイムトラッキング)のおススメツールをご紹介します。今後、ツールを使ってみようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。なお、後半では時間記録(タイムトラッキング)ではなく、タスク管理ツールも併せて紹介していますのでご了承ください。
ATracker
おもにスマートフォンで使用するタイムトラッキングアプリで、誰でも手軽に使うことができます。タスクを選択し、始めるときにスタート、終わったときストップを押すだけで、簡単に時間ログを取ることが可能です。
また、スマートフォンの端末カレンダーにアプリのスケジュールを同期したり、タスクの履歴を保存したりすることもできます。
プラン・料金 | ・無料プラン ・有料プラン:月額610~3,000円 |
対応OS | iOS/Android |
CotoGoto
会話型の時間管理ツールとなっており、人工知能との会話が作業内容として記録される仕組みです。作業時間や作業内容だけでなく、場所やモチベーションなども補完できるのがユニークなツールです。
プラン・料金 | ・無料プラン |
対応OS | iOS/Android |
TimeCrowd
タスクの時間ログ、管理、共有、スケジュール管理がシンプルに行なえる時間管理ツールです。プランによって個人だけでなく、チームメンバーの時間や動き、タスクの共有・管理もできます。Google CalendarやSlackなどとの外部連携も可能です。
プラン・料金 | ・パーソナルプラン:無料 ・ライトプラン:月額550円 ・スタンダードプラン:月額880円 ・エンタープライズプラン:要見積り |
対応OS | iOS/Android/Chrome |
Toggl
個人やチームのタスク・スケジュールを日、週、月、年単位で管理・集計できるツールです。海外ツールで表記は英語ですが、使い方はとてもシンプルで、タスクを細かく計測することができます。
タスクの分類や色分けができるため、見やすさを重視する人にもおススメです。
プラン・料金 | ・基本プラン:無料 ・スタータープラン:月額9ドル ・プレミアムプラン:月額18ドル ・エンタープライズプラン:要見積り |
対応OS | iOS/Android/Mac/Windows/Linux |
Be Focused
一般的な時間管理ツールとは異なり、あらかじめ設定しておいた時間に合わせてタスクをこなしていくというポモドーロ・テクニックを採用しています。
無料版でも基本的なタスク管理、スケジュール管理ができ、有料版ではMacとの同期が可能です。
プラン・料金 | 無料プラン 有料プラン:月額250円 |
対応OS | iOS |
Team Hack
基本的なタスク管理や時間ログと、チャットやドキュメントといった情報共有が一つになったツールになります。
メンバー間のコミュニケーションを重視してチーム単位で導入するイメージです。
プラン・料金 | ・お試しプラン:無料 ・ビジネスプラン・:月額1,200円 ・フリープラン:月額1,500円 |
対応OS | Mac/Windows |
Time Doctor
企業向けの時間管理ツールで、メンバーの検索履歴管理やアプリ使用状況の監視機能があるのが大きな特徴です。したがってタスクやプロジェクトだけでなく、業務全体の管理を一元化することができます。
また、コンピューターから離れるとツールが自動停止する仕組みなので、在宅ワークやテレワークの管理にも最適です。
プラン・料金 | ・ベーシックプラン:月額7ドル ・スタンダードプラン:月額10ドル ・プレミアムプラン:月20ドル |
対応OS | 不問 |
Jooto
自分のタスクはもちろん、チームやプロジェクトの進捗や全体管理ができるツールです。
タスクの開始日時と締め切り日時を設定すればガントチャートとして表示されるほか、スケジュールをGoogleカレンダーやSlack、Chatworkなどの外部ツールと連携することもできます。
チームメンバーとのコメント機能などもあることから、チームや組織単位で導入することが可能です。
プラン・料金 | ・無料プラン ・スタンダードプラン:月額500円 ・エンタープライズプラン:月額1,300円 |
対応OS | iOS/Android |
Asana
チームのタスクを一元管理できるツールです。プランは、簡単なタスク管理や進捗状況の共有・確認ができる無料プラン、チームのプロジェクト計画に最適なプレミアムプラン、企業全体のタスク管理・分析ができるビジネスプランの3種類があり、いずれも幅広い業種に利用することができます。
時間記録(タイムトラッキング)ではなく、タスク管理ツールです。
プラン・料金 | ・ベーシックプラン:無料 ・プレミアムプラン:月額1,200円 ・ビジネスプラン:月額2,700円 |
対応OS | iOS/Android |
Timetodo
タスクを直感的に登録・管理できるツールで、タスクのグループ分けや締め切り順に管理するというのが基本機能となります。
したがってタスクの共有や分析といったことはできませんが、有料プランではサブタスク管理が可能です。
プラン・料金 | ・無料プラン ・有料プラン:月額300円 |
対応OS | iOS |
TaskChute
Web上で動作するツールなので、パソコンとスマートフォンの両方でタスク管理ができます。
ただし、無料プランでは登録できるタスクが40件、タスク表示期間が当日から前後7日間までとなっているため、本格的な利用には有料プランがおススメです。
プラン・料金 | ・無料プラン ・プロプラン:月額486円 |
対応OS | 不問 |
まとめ
限られた時間のなかで生産性を高め、望む成果を出していくには、時間管理のスキルがとても重要です。時間管理は、以下4つの手順で行なうのが基本です。
1.抱えているタスクをすべて書き出す
2.タスクに優先順位を付ける
3.優先順位と納期、所要時間をもとに実行順序や実行する時間を決める
4.実行して結果を振り返る
時間管理の質を向上させるには「4」の振り返りが重要で、振り返りで役立つのがWebサービスやアプリとして提供されている時間記録(タイムトラッキング)ツールです。
時間記録ツールのなかには、時間記録だけでなく、個人のタスク管理やスケジュール管理、チームや組織単位のタスク管理やプロジェクト進捗をマネジメントするような機能があるツールもあります。必要な機能、また、利用する端末やOS、費用、操作性なども鑑みながら、自身や自社に合ったものを試してみましょう。