
サーバントリーダーシップを発揮するうえでは、以下に挙げる10の特性が重要であるとされています。個々の特性を見ていくと、どのようなリーダーシップなのか、また、それにはどのような行動をすればいいのかが見えてきます。
傾聴【特性①】
サーバントリーダーには、メンバーの話をじっくりと聴く姿勢が求められます。メンバーの意見をしっかりと聞き出し、メンバーが望んでいる内容をきちんと理解することが重要です。
メンバーの声と同時に、自分の内なる声にも耳を傾けることで、メンバーの意見と自分の心の声を総合したうえで、サーバントリーダーとして選ぶべき行動を考えます。
共感【特性②】
メンバーの意見を傾聴するためには、メンバーの気持ちや感情に共感的である必要があります。「共感」は“同じように感じる”同感とは違います。「メンバーがそう感じている」「そう見ている」という感情や事実を受け止めるのが共感です。
メンバーに共感を示さず、上司としての権力で指揮命令しても、メンバーの気持ちは動きません。常にメンバーの立場に立って物事をとらえる意識を持つ必要があります。メンバーに共感する姿勢を持つことで、メンバーからの信頼を得やすくなります。
癒し<【特性③】/h3>
組織において欠けている部分や傷ついている部分を補うのも、サーバントリーダーに求められている役割の一つです。メンバーが精神的にダメージを受けているなら、癒しを与える必要があります。
組織内で仕事をしていると、計画どおりに物事が進まない、また、メンバー同士が衝突したり、顧客に心ない言葉を投げられたりする場合もあるでしょう。サーバントリーダーはメンバーに寄り添って、前向きな言葉をかけることでメンバーの心を癒し、本来の力を発揮できるようにします。
気づき【特性④】
サーバントリーダーにとって「気づく力」は大切です。組織をさまざまな視点から観察し、変化や兆しを素早くとらえましょう。偏見にとらわれず、フラットな目線で物事を見る姿勢が重要です。
顧客の動向、予期せぬ成功や失敗、メンバーのモチベーションや言動、世間のトレンドなどにアンテナを張り、メンバーに手を差し伸べたり、情報提供をしていったりしましょう。
説得【特性⑤】
サーバントリーダーシップは、役職や権限によって指揮命令するスタイルではありません。相手の納得を得たうえで合意を目指すのが、サーバントリーダーが行なうべき説得です。自分の意見を押しとおすのではなく、メンバーの意見も踏まえながら、双方にとって、また、チームにとって、win-winとなる結論を出す必要があります。
概念化【特性⑥】
メンバーを鼓舞するために、抽象的な物事をわかりやすく伝えるスキルが概念化です。例えば、ミッションやビジョン、パーパスなどは中長期的な概念であり、同時に「自分たちが何のために仕事しているのか?」という根本的な理由です。
サーバントリーダーは抽象的な概念を理解し、メンバーにわかりやすく伝えることで、チームを作り上げていきます。なお、一方的に発信するだけではなく、メンバーの意見や価値観、ビジョンを踏まえながら、それを一つに統合していくためにも概念化の力が必要です。
先見力・予見力【特性⑦】
サーバントリーダーに求められる要素として、先見力・予見力も挙げられます。過去の事例や現在の状況から、今後発生する可能性のある出来事を予測する能力です。
先見力・予見力を発揮することで、チームに起こり得るトラブルを予防できます。また、先々を見据えて大きな方針を決めていくことで、メンバーの主体性を引き出したり、メンバーの自主性に任せたりする余白を生み出すこともできるでしょう。
執事【特性⑧】
組織の先頭に立って引っ張る従来型のリーダーシップと違い、サーバントリーダーシップの役割は、メンバーをサポートすることです。その象徴となるのが「執事」という概念です。
執事は“メンバーの下に立つ”という意味ではなく、“メンバーが持っている力を存分に発揮できるように環境を整える”という意味でとらえるのが適切です。メンバーを献身的にサポートする執事役に徹することで、メンバーの長所が発揮され、能力も伸びていくでしょう。
人々の成長に関わる【特性⑨】
サーバントリーダーは、メンバーの成長を実現することで組織の目標を達成し、生産性を高めていきます。結果への効率性だけを追い求めるのでなく、結果を出すまでのプロセスでメンバーに積極的に関わり、意見を交換したりフィードバックしたりする心掛けが大切です。
コミュニティ作り【特性⑩】
サーバントリーダーシップでは、メンバー同士が対等な立場で連携・協働するコミュニティの構築を目指します。上下関係で結ばれたピラミッドではなく、同じ目標を共有して、メンバーの成功をチームで喜び、誰かのミスを全員でカバーし合えるようなコミュニティが理想です。