マンダラート作成方法を簡単・シンプルに解説 ~目標達成への道筋を描く方法~

マンダラート作成方法を簡単・シンプルに解説 ~目標達成への道筋を描く方法~

<目次>

マンダラートとは

マンダラートとは、マス目を書き、ある一定の記入ルールでマス目を埋めることで、アイデアを整理し思考を深めていくツール・思考法です。有名アスリートも活用していたことがマスコミで取り上げられたこともあり、気軽にアイデアを発想できるツールとして普及しています。

呼び方には「マンダラチャート」「マンダラワーク」「目標達成シート」などがあります。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、「マンダラート」を使った目標達成研修(原田メソッド研修)を数多くの企業に提供しています。記事では研修で蓄積したノウハウを踏まえて、マンダラートの効果や作成方法を紹介します。

マンダラートで必要なアクションを明らかにする

マンダラートの具体的な作成方法に入る前にマンダラートにどのような効果があるのか、どのように使われるのかを簡単に解説したいと思います。以下、著名アスリートも実践していたマンダラートを使った目標達成研修「原田メソッド」の概略とマンダラートの位置づけです。

マンダラートを使った目標達成研修「原田メソッド」

まずはマンダラートを使った目標達成研修「原田メソッド」を説明します。原田メソッドは、大阪市立松虫中学校の教師だった原田隆史氏が、陸上部を指導した7年間で13個の日本一タイトルを獲得させたことから始まります。

スポーツ特待生も募集しておらず、陸上の有名校でもない公立中学校で、普通の中学生を常勝軍団へと変貌させた手腕は「松虫の奇跡」と呼ばれました。この陸上部での指導法をメソッドとして体系化したのが原田メソッドです。

原田メソッドはユニクロやキリンビール、野村證券などの大手企業でも導入されており、仕事の目標達成手法として500社10万人以上の社会人が学んでいます。そして、原田メソッドにおいて目標達成するための重要なツールとして位置づけられているのがマンダラート(原田メソッド研修では「オープンウィンドウ64」と呼びます)です。

マンダラートの位置づけ

原田メソッドでは、「成功は技術である」と説明しています。成功するために特別な才能が必要なわけではなく、成功するためのやり方を学び、実践すれば成功できるのです。そして、成功のプロセスを繰り返すことでコツがわかり、どんどん成功の確率を高めていくことができます。

スポーツや仕事の技術と同じように、成功には方法論があり、キチンと練習して身に付けていくことで再現性を持たせることができる。これが「成功は技術である」と言うゆえんです。

そして、原田メソッドのなかで成功したり、目標を達成したりするために「すべきこと」「やらなければならないこと」「達成するための方法」をあぶり出すツールがマンダラートになります。

マンダラートの作成方法

マンダラートを作成するにあたっては、9×9=81マスのワークシートを用意します。

マンダラートのワークシート

手書きでもエクセルなどに入力する形でも構いませんが、原田メソッドでは脳を活性化して思考を刺激できる手書きを推奨しています。本章ではマンダラートの具体的な作成方法とポイントを解説します。

ステップ① 目標を設定する

まず、ワークシートの中心のマスに達成したい目標を書きます。目標を設定するうえで注意すべきポイントは以下の2点です。

ポイント1 目標達成期日を決めること
期日が決まっていない目標は単なる願望です。自分で決めた期日までに目標を達成するからこそ成功なのです。なお、慣れないうちは、設定する達成期日は1~3ヵ月くらい先の短期スパンであることが望ましいです。マンダラートで目標達成に必要なアクションをあぶり出すうえで、あまりに先の話になってしまうとアクションをイメージしづらくなります。

ポイント2 達成可否が判断できるように設定すること
達成期日が来たときに達成しているかを判断できないものは目標と言いません。具体的な数字などで表現したほうが良いですし、少なくとも「達成できた」「できない」という〇×が明確になるように表現しましょう。

達成可否を判断できる好ましい目標例

・売上○○○○万円達成
・部門利益□□□万円確保
・不良品率△%以下
・○○○賞を獲得する、
・災害対策マニュアルを作成し役員会で承認を得る
・○kgダイエットする
・貯蓄額□□□万円を達成する

目標設定が中途半端だと、マンダラートでのアウトプットも中途半端になりますので、2つのポイントに沿って
適切な目標設定にこだわりましょう。目標設定については下記の記事も参考になります。

ステップ② 基礎思考をひらく

目標が決まったら「基礎思考」を考えていきます。基礎思考とは、設定した目標を達成するために考えなければならない抽象的なテーマやキーワードです。黄色いマスが目標を記入する中心のマスとすると、周りの8つのマスに基礎思考を記入していきます。

<基礎志向の例>

「部門利益□□□万円確保」の目標に対する基礎思考の例
・売上△△△△万円確保
・原材料費削減
・アルバイト人件費削減
・重点商品Aの拡販、
・B工場歩留まり率改善
・客単価アップ
・従業員のコスト意識向上
・部門横断プロジェクト発足 など

「○kgダイエットする」の目標に対する基礎思考の例
・摂取カロリーを抑えた食事
・定期的な運動
・生活習慣の見直し
・モチベーション維持
・通勤時できる工夫
・職場でできる工夫
・家族への協力依頼
・真似するべき事例探し など

目標達成のための基礎思考を漏れなく出すために、最初は8つという数にこだわらず思いつく限りアイデアを出しましょう。そのうえで優先順位をつけて8つ選び出しましょう。

自分ひとりで考えるのではなく、適切なアイデアを出してくれそうな人に相談することで、より効果的な基礎思考をあぶり出すことができるでしょう(原田メソッドでは、お互いの知識や知恵を共有することを『知の移植』と呼びます)。

ステップ③ 実践思考をひらく

基礎思考が8つ出揃ったら、それぞれに対して8つずつ実践思考をひらきます。実践思考とは、目標達成のためにやるべき行動を記入した基礎思考に沿って具体的に定めたものです。つまり、具体的な行動や施策です。

8つの基礎思考に対して8つの実践思考を開きますので、全部埋めると、8×8=64個の行動や施策アイデアが生み出されます。これが原田メソッドでマンダラートを「オープンウインドウ64」と呼ぶゆえんです。

以下に実践思考をひらく手順を説明します。まず図のように8つの基礎思考を81マスのワークシートに広げます。次にそれぞれの基礎思考の周りの8マスを「目標達成のためにやるべきことは何か?」と自分に問いかけながら具体的な行動で埋めていきます。
【マンダラート入る】

<実践志向の例>

「アルバイト人件費削減」の基礎思考に対する実践思考の例
・アルバイトにお願いする業務をすべて洗い出す
・アルバイト業務でなくせるもの、減らせるものを選定する
・すぐに仕事に取りかかれるよう業務開始前のルールを決める
・正社員でまかなえる業務を選定する
・アルバイトに対して業務効率化の研修を実施する
・シフトの組み方を検討する
・担当させる業務と業務量をアルバイトごとに適正化する
・アルバイトの残業ルールを決める など

「定期的な運動」の基礎思考に対する実践思考の例
・平日帰宅後に30分ウォーキングする
・平日1つ手前の駅で降りて徒歩で帰る
・平日時間があるときジムに通う
・休日自転車に1時間乗る
・入浴前に腹筋を20回やる
・買い物は自動車を使わず徒歩か自転車で行く
・通勤時はエレベーター、エスカレーターを使わずに階段を使う
・オフィス内での移動はエレベーターを使わずに階段を使う など

目標達成に必要な行動を漏れなくあぶり出します。8という数にこだわらず思いつく限り書き出しましょう。多ければ多いほど良いです。
【マンダラート入る】

実践思考をひらくうえでの注意点

実践思考は「目標達成のために何をするのか」という具体的なアクションですから、確実に目標達成するには大変重要です。実際にひらいていくうえのコツと注意点をいくつか紹介します。

まず、実践思考は具体的でなければいけません。「具体的」というのは、即実行に移せるということです。「いつ、どこで、誰と、何を、どうやって」やるのか、といったことが明確でないと行動に移せず、絵に描いた餅で終わるからです。書き出したら、「いつ、どこで、誰と、何を、どうやって」が思い浮かぶかを脳内で問いかけてみましょう。

また、実践思考をひらいていくと、別の基礎志向で考えたものと同じアイデアが出てくることもあります。複数回にわたって出てくる実践志向は目標達成に向けて重要度が高い可能性が高いです。漏れなく実行に移していきましょう。

なお、実践志向は多ければ多いほど良い、と言いましたが、人によって、また基礎思考の場所に応じて出てくる実践思考の数はバラつきがあるでしょう。1つの基礎思考に対して8つで留まらず、9個10個……と数多くの実践思考が出ることを原田メソッドでは「専門性が高い」と言います。普段からよく考えている分野だということです。

逆に数が少ないことを「専門性が低い」と言い、普段は後回しになっている分野、あるいは考えていない分野ということになります。自分には専門性が低くても、社内を見渡せば専門性が高い人はいるでしょう。実践思考があまり出ない場合は、専門性が高い人から知の移植を受けるようにします。つまり、例えば仕事であれば上司やベテランに相談するということです。

最後に、実践思考における最も重要なことは、「実践すると目標達成に近づくか」という視点です。いくら数多く出ても、いくら具体的であっても、目標達成に近づかない実践思考では意味がありません。「これを実践すると目標達成に近づくか?」を自分自身に問いかけながら実践思考を書き出していくことが大変重要です。こうしてすべての基礎思考について実践思考がひらけたら、マンダラートが完成となります。

終わりに ~成功は技術である

マンダラートは目標を達成するための方法やアイデアを洗い出すツールです。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、マンダラートを使った目標達成研修「原田メソッド」を多くの企業で指導しています。記事では、研修で教えているノウハウを踏まえて、マンダラートの作成方法を解説しました。

原田メソッド研修ではマンダラートを「オープンウィンドウ64」と呼びます。マンダラートを実践すると、1つの目標に対して、64個の達成するための実行アイデアが生み出されます。それに優先順位を付けて実行計画を立てることで、目標達成の精度を上げることができます。

マンダラートで目標達成のために必要な行動が明らかになったら、あとは実行あるのみです。原田氏は「物事には、成功するための要素と優先順位がある」と言っています。マンダラートで成功する要素はあぶり出せたので、それらに対して優先順位を決め、スケジューリングし、実行すれば成功できます。極めてシンプルな話です。

目標達成のためには「やるべきことをやる」しか道はありません。頭を整理しながら、ときには周囲に助けてもらいながら、効果的な「やるべきこと」をあぶり出すために「マンダラート」は最適なツールです。技術である以上、練習すればそれだけうまくなります。頭の中を整理する有効なツールですので、仕事や日常生活などのあらゆる場面で活用することをお勧めします。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役|HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

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