原田メソッドの目標達成シートとは? 目標達成に導くツールの仕組みを解説

更新:2022/04/13

作成:2022/04/12

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

原田メソッドの目標達成シートとは?-目標達成に導くツールの仕組みを解説

 ユニクロ、キリン、カネボウ化粧品、野村證券……などの一流企業が導入し目標達成を実現している「原田メソッド」はツールを活用することで、再現性のある目標達成を実現する方法です。

 原田メソッドでは、『オープンウィンドウ64』、『日誌』、『ルーティンチェック表』といったツールを実践しながら目標達成に取り組んでいきます。なかでも『原田式目標達成シート』は、原田メソッド提唱者の原田隆史氏が成功者たちの行動や習慣から知見を得て生み出した、原田メソッドの中核となるツールです。この記事では、『原田式目標達成シート』の仕組みや構成をお伝えします。

<目次>

原田式目標達成シートとは

 最初に原田式目標達成シートの特徴と大まかな概要を紹介します。

ツールを活用することで目標達成を実現する原田メソッド

 「目標達成の技術」である原田メソッドは、ツールを活用して目標達成を支援します。さて「ツールの活用」と聞くと、「ツールだけでそんな成果が上がるの?」「目標達成できるの?」と思うかもしれません。しかし実際に原田氏は、一連のツールを用いて、これまで5万社10万人のビジネスパーソンの目標達成に貢献してきました。

 原田メソッドを実践するうえで大切なツールを簡単に解説します。

 中核となるのが、本記事で取り上げる「長期目的・目標設定用紙」です。正式名称は「長期目的・目標設定用紙」ですが、目標達成シートと呼ばれることもあり、本記事内では「目標達成シート」と記載します。目標達成シートは、原田氏がハイパフォーマーたちを研究した結果明らかになった、成功者たちの成功プロセスを落とし込んだものであり、原田メソッドのコアとなるツールです。

 他に原田メソッドには、

  • 目標達成に必要な要素や具体的な行動を洗い出す「オープンウィンドウ64(マンダラチャート)」
  • 日々の活動を計画して振り返る「日誌」
  • 目標達成に近づく行動を習慣化させるための「ルーティンチェック表」

 があります。上記の3つと目標達成シートをあわせた4つのツールが一体となって目標達成を後押しします。

原田式目標達成シートを作る目的

 原田メソッドで目標達成シートを作る目的は、もちろん目標を達成するためです。原田氏は「成功は技術である」と話しています。

 技術とは、考え方や適切なやり方を知り、練習を繰り返すことで身につけられるものであり、成功は、運や偶然によるものではなく、誰もが実現できるものだということです。

 目標達成シートには、成功者やハイパフォーマーたちが高い目標に取り組んだプロセスが落とし込まれています。目標達成シートを作成し、実践する中で、私たちも、成功者たちのように目標に近づくことが可能になるのです。

原田式目標達成シートの構成

 原田メソッドは目標設定シートを作成することで、目標達成に必要な道筋をブレークダウンしながら目標に取り組みます。

 目標設定シートは以下の図のように、「目的・目標の設定」「行動計画」「自己分析」の3つの要素で構成されています。次章より、目標設定シートのそれぞれの詳細を解説します。
 
原田式目標達成シートとは

目的・目標の設定

 本章では、目標達成シートの「目的・目標の設定」の部分を解説します

目的・目標設定のポイント

 1つめは「心の底から価値を感じる・達成したいと思える」目標にすることです。自分が価値を感じる目標であれば、その目標を見ただけでワクワクし、やる気が高まり、使命感も生まれます。その結果、目標達成の取り組みにも主体的に臨むことができるようになります。どうすれば、目標達成に価値を感じられるかというポイントは次の節で紹介します。

 2点めは目標達成までの期日を明確にすることです。目標達成の期日が明確になることで、「この日までに、これと、これと、これを行う」というように、モチベーションを高めながら取り組むことができるようになります。

 3点めは「達成できた/できなかった」を明確に判断できる表現にすることです。例えば、「3月の売上を増やす」を、「3月の売り上げを前年比110%にする」と、数値化・指標化された目標にしましょう。

 達成の可否が曖昧だと、人はつい「頑張る!」とか「努力する!」が目標だと錯覚しがちになってしまいます。しかし目標達成よりも前に、努力したことで満足していては、到底目標達成にたどり着くことはできません。達成できたか/できなかったのかを一目で判断できる表現にすることで、目標達成にブレずに突き進む準備が自ずと整います。

4観点と結びつけて達成目標を捉えなおす

 目標達成シートの効果を最大限に発揮するためには、「何のためにその目標を達成したいのか?」を明確にして、腹落ちさせることが重要です。「心の底から価値を感じる・達成したいと思える」目標であればこそ、目標達成に本気で取り組むことができますし、計画を実行する途中でぶつかる壁や困難を乗り越えることができるでしょう。

 考えるうえでポイントとなるのは、目標を達成すると、誰にどのような利益や価値がもたらされるのかを掘り下げることです。そのために原田氏が考案したのが、目的・目標の4観点の考え方です。

 目的・目標の4観点は「自分/社会・他者」「有形/無形」という2つの軸を組み合わせた4つの観点で「目標を達成することで得られるメリット」を考える方法です。

 例えば、「私は2022年8月31日までに新規契約を20社獲得する」という仕事上の目標があったとします。これを目的・目標の4観点で拡げるとどうなるでしょうか。例えば、以下のようになるでしょう。

「私-有形」⇒新人賞のインセンティブが手に入る
「私-無形」⇒みんなの前で表彰されて揺るぎない自信が生まれる
「社会・他者-有形」⇒彼女(彼氏、友人、家族)が行きたがっていた北海道へ一緒に旅行に行ける
「社会・他者-無形」⇒20社のお客様がサービスを利用して採用に成功する

 上記のように、達成目標を4観点と結びつけて捉えなおすことで、自分にとっての達成する価値が明確になります。たとえ、会社から落ちてきた目標であっても、4観点を通じて自分にとってのやりがいや価値を見出すことで、目標達成力が2倍、3倍、4倍にも高まります。

 実際に目的・目標の4観点で拡げる際には、「目標達成で得られるもの、得られそうなもの」をなるべく多く書き出します。その上では、自分にとって特に価値が大きいと思うものをピックアップして達成目標の表現に反映します。例えば、以下のような形です。

 「私は2022年8月31日までに新規契約を20社獲得して、新人章を獲得して自分に自信を持ち、インセンティブで彼女と旅行に行く」

 達成目標を文章にできたら、目標を口にして、自分自身がしっくりくるかを確認すると良いでしょう。目的目標の4観点を考えることで、「私は2022年8月31日までに新規契約を20社獲得する」という目標が、自分にとって価値がある、本気で達成したいと思う目標になるのです。

行動計画

 目標達成シートの「行動計画」の部分では、目的・目標達成に必要な具体的な行動を記述します。原田メソッドでは、「ルーティン行動」と「期日行動」の2つに分けて行動計画に設定します。

目標に近づくための「期日行動」

 期日行動は、達成目標からブレークダウンして「いつまでに何をやるか/何を実現するか」を決めたものです。例えば「2022年8月31日までに、有料サービス利用顧客を新規で20社増やす」という目標であれば、「2月1日までに販促部門に見込みリストの共有を依頼する」などが期日行動に当たります。このように、目標に至るまでのステップを期日行動に設定し、期日通りにやりきることが目標達成を後押しします。

成功の習慣を作る「ルーティン行動」

 「ルーティン行動」とは、目標達成のために重要な「毎日繰り返す行動」をいいます。「2022年8月31日までに、有料サービス利用顧客を新規で20社増やす」という目標に対して、「見込みリストの顧客20社に毎日電話掛けをする」などがルーティン行動です。

 ルーティン行動を設定するうえで重要なのは、その行動によってどんな効果が期待できるかを明確にすることです。もしルーティン行動を継続しても期待する効果が出ないようであれば、再検討することも必要になります。成果につながるルーティン行動を継続することで、成功の習慣が身につきます。

自己分析

 原田氏は、目標達成の最大の敵は「自分自身」だと言います。また孫子の教えにも「彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず」という有名な言葉があります。目標を達成するのも、達成できずに終わるのも、自分次第ということです。

 目標設定シートの「自己分析」の項目では、自分の強みや弱み、活用できる資源を把握することで、万全の備えを講じたうえで目標達成に臨める状態を作ります。自己分析の具体的なステップを以下で解説します。

支援者と支援内容を考える

 「支援者」とは、目標達成のために協力や助言が欲しい相手を指し、「支援内容」とは支援者に支援して欲しい具体的な事柄を示します。

 どんな人にも、苦手なこと、知識や経験が足りない分野があるでしょう。特に初めて挑戦する目標の場合、その道の識者のアドバイスがないと、ポイントを外したアクションになってしまうことも考えられます。いざという時にお願いできる支援者の存在は、目標達成に大きく影響します。

 自分の支援者になって欲しい人の名前と支援内容を書き出して、その人と普段から良い関係を築いておくなど、普段からの準備が大切です。

 必要であれば、ルーティン行動や期日行動に反映することもポイントです。たとえば、「上司」が支援者で、「施策のアドバイスをもらう」ことが支援を受けたい内容であれば、「週1回(〇月〇日)、上司に進捗状況、計画対比で上手くいっている点、アドバイスが欲しい点を報告する」といった形です。

 支援を求める上では、自分が目標達成するうえで相手にどんな良いことがあるかも整理しておくとよいです。4観点の項目に戻って、自分の目標達成によって相手にどんなメリットが生じるのかを考えてみましょう。自分と他者のメリットを結びつけて考える4観点の視点は、支援を得るうえでもとても効果的です。

自分にとっての成功と失敗のパターンを分析する

 成果を安定して出せる人と、失敗を繰り返してしまう人は、どこが違うのでしょうか? いつもハイパフォーマンスを出す人はセルフマネジメントが得意で、自分自身の「良いコンディション」を意図的に作り出しています。良いコンディションを意図的に作り出すためのステップは以下の通りです。

1)これまでの人生を振り返り、最高の結果になった経験を5つ書き出します。

2)最高の結果につながった原因を、

  • 心:モチベーションや精神状態
  • 技:専門知識や仕事のスキルなどの習得状況
  • 体:体力や健康面の状態
  • 生活:私生活など仕事以外の時間の過ごし方

というの4つの観点で分析します。

3)分析した結果をシートの「成功・強みの分析」に書き出します。これが自分にとっての成功のコツ・強みとなります。

予想される問題点を洗い出し、事前に手を打つ

 上記と同様のステップで、今度は人生で最悪の結果になった経験で置き換えて考えてみましょう。自分がうまく行かない時のパターンを心・技・体・生活、4つの観点で分析し、「失敗・弱みの分析」として書き出します。自分にとっての成功と失敗のパターンがわかってくると、目標達成に向けたアクションの実行精度が大きく向上するでしょう。

 自分が失敗しやすいパターン・弱みを整理すると、目標達成が失敗するパターンが分かってきます。心・技・体・生活の4観点で予想される問題点、失敗パターンに対して、それぞれの問題点に対する解決策、予防策も考えて書き出します。

 一つの問題点に対する解決策は、一つとは限りません。考えられるだけの解決策を挙げるようにしましょう。失敗の時、どう切り抜けたのか?失敗からどう立ち直ったのか?なども、解決策のヒントになります。起こりえる問題点を想定し、あらかじめ準備しておくことは、リスクに対する備えとして重要です。さらに、事前に備えておくことで、不安や心配が取り除かれ、行動にも集中できるようになります。

期日行動とルーティン行動に落とし込む

 成功パターンと失敗パターンが見えてきたら、支援者と支援内容のブロックでやった際と同じように、期日行動やルーティング行動に落とし込みます。

 たとえば…以下のようなイメージです。

期日行動
〇月〇日 骨休みにサウナへ行ってリフレッシュする
〇月〇日 上司の〇〇さんに中間報告する
ルーティン行動
毎日24時には就寝して、睡眠時間を6時間以上確保する
毎日、朝・昼・夜の3回、達成目標と目的・目標の4観点を見て、達成に向けた意欲を高める

まとめ

 原田メソッドの目標達成シート(長期目的・目標設定用紙)は、成功者やハイパフォーマーたちの成功のプロセスが具体的に落とし込まれたツールです。目標達成シートを活用することで、私たちは、必要な手順をブレークダウンしながら道筋を立てて目標達成に近づいていくことができます。

 目標達成シートを実践するうえでは、シートに書き込む内容や項目の意味の理解を深めることは大切です。しかし、最も重要なことは、「成功するための考え方」を身につけることです。「成功は技術である」と原田氏が言うように、考え方・やり方を知り、練習を繰り返すことで、目標達成に必要な知識やスキルが磨かれ、成功の習慣形成ができます。

 今回紹介した原田式目標達成シートのコツを押さえて、ぜひ皆さん自身の目標達成の取り組みに活かしていただければ幸いです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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