
人事部長の役割を担うためには、どのような資質が必要でしょうか。人事部長に求められる主な資質を紹介します。
人事業務に関する専門性
人事部長に求められる資質として、まず人事業務に関する専門的な知識や経験が挙げられます。人事機能を統括する立場として、人事のプロフェッショナルであることは必須条件といえるでしょう。
すべての業務に関する専門家である必要ありませんが、採用・育成・配置・評価、また、労務等に関する理解や大局観は人事部長に欠かせないものです。
また、労働関連の法令に関しても、常に最新の情報が頭に入っていなければなりません。国が新たな方針を打ち出せば、内容をきちんと理解して自社の施策に反映する必要があります。
労基法、ハラスメント、コンプライアンス等におけるトラブルは、会社のブランドを大きく棄損する危険性もありますし、対応にも大きな労力が必要とされます。トラブルが起きないようにきちんと情報を把握して未然に対応する必要があります。
また、人事管理に関する手法・ツールの最新情報をキャッチアップすることも求められています。HR-techやピープルアナリティクスなど、近年注目を集めている人事関連の手法には、常に関心を持っておく必要があるでしょう。
コミュニケーション能力
人事部長にはコミュニケーション能力も求められます。社員の率直な意見を引き出すためにも、現場の状況を的確にヒアリングできるスキルが必須です。
高いコミュニケーション能力を持つ人事部長が社員と面談を行なえば、現場の不満や課題を上手に引き出し、組織や部署の最適化を図りやすくなります。相談役として機能して、社員のモチベーションを高めることも出来るでしょう。
現場の声を経営陣に伝える際も、コミュニケーション能力が役立ちます。企業と社員との間で“橋渡し役”として動く人事部長は、現場の不満や課題を正しく解釈し、経営陣が理解しやすい形で届けることが求められます。
また、人事に関する制度や方針は、社員にとって自分の待遇や働き方、キャリアに関わりますので、非常に大きな関心事です。それらの方針を誤解なく、経営としてのメッセージと共に、社員が受け入れやすい形で伝えるためにも高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が求められます。
物事を俯瞰する能力
人事の仕事は“ヒト”の管理であり、メンバーの生活や人生に大きな影響を与えます。人事部長として働いていると、メンバー個人の事情や感情面に触れることも多いでしょう。
人事部長はそうした個々のケースや感情に寄り添うことも大事である一方、感情的になり過ぎないように意識しなければなりません。個別の問題を重視し過ぎると、判断を誤りかねません。
人事部長は、公正かつ組織の将来を考えた決断を行なうために、物事を俯瞰する能力が求められます。組織としての視点を持って、個々の事情や感情に捉われずに、メンバーを平等・公平に扱う、また、今だけでなく未来のことまで考えて意思決定する必要があります。
問題解決能力
組織の規模が大きくなれば、常にどこかで“ヒト”に関する問題が発生するでしょう。また、企業のステージが変わっていくなかで、求められる人材や組織構成、風土が変わっていく部分もあります。
人事部長は、現場で解決できないトラブル解決を担いながら、同時に、現場ではとらえきれない大きな課題解決に取り組んでいく必要があります。深刻なトラブルへの対応能力、そして、制度や仕組み・文化等の大きなテーマへの取り組み能力と、人事部長には高い問題解決能力が求められることになります。