
ハイコンテクストは、文化や価値観、文脈の共有度が高く、お互いの共通認識や知識、文化的背景などを前提として会話が進むコミュニケーション方法です。
たとえば、社内において「“提案”とは何か?」という定義やフォーマットが決まっていて、また、「うちの企業においてはスピードが重視される」という判断基準があったと仮定します。そうすると、「いつまでに提案してもらえるかな?」という社内のコミュニケーションに含まれる意味は、以下のようなものになります。
して欲しい提案は…
-取れる選択肢と各選択肢のメリット・デメリットを整理して、
-今回取るべき選択肢はこれで、
-これぐらいのリソースが必要で、
-こういうスケジュールで進められます…
という情報をまとめたもの。
また、取るべき選択肢を考えるうえでは、
リスクを最小限に抑えるよりも、スピード重視で、
“最小限のリソースでまずトライアルをしてみる”
という判断軸で考えて欲しい
こうした文脈・共通認識を省略して、「いつまでに提案してもらえるかな?」という一言で伝えるのがハイコンテクストなコミュニケーションです。ハイコンテクスト文化では、共有されていることが前提となる情報は省略されてコミュニケーションが進んでいきます。
共通認識、判断基準、価値観、相手の表情や声などから、省略されている内容を読むことが求められるのがハイコンテクスト文化です。暗黙の了解、以心伝心、阿吽の呼吸といった言葉は、まさにハイコンテクストなコミュニケーションを指したものだといえるでしょう。
ハイコンテクスト文化のメリット
ハイコンテクスト化の場合、共通認識があることを前提とするため、細かな解説や共有が不要になります。
前述のとおり、たとえば、「提案して」という短い言葉に、
して欲しい提案は…
-取れる選択肢と各選択肢のメリット・デメリットを整理して、
-今回取るべき選択肢はこれで、
-これぐらいのリソースが必要で、
-こういうスケジュールで進められます…
という情報をまとめたもの。
また、取るべき選択肢を考えるうえでは、
リスクを最小限に抑えるよりも、スピード重視で、
“最小限のリソースでまずトライアルをしてみる”
という判断軸で考えて欲しい
という意味が詰まっているわけです。
したがって、ハイコンテクスト文化には、コミュニケーションが早い、楽になる、細かなやりとりをせずに任せられるといったメリットがあります。
また、上記のように共通認識や共通言語を持つことは“仲間意識”を高めることにもつながります。
ハイコンテクスト文化のデメリット
ハイコンテクスト文化では、言葉の意味や背景を明示しなくても、コミュニケーションが成立する・察し合えることが前提となります。
一方で、たとえば、自分が共通認識だと思っていることを相手が知らない場合、コミュニケーションに支障が生まれやすくなるでしょう。また、認識がずれていれば、当然誤解が生まれますし、お互いが誤解に気づきにくい状態になります。
たとえば、認識がずれていると、以下のような状態が生じることになります。
- 「あの資料、どうなったの?」
- ⇒「どの資料のことですか?」
- 「あの件、ちゃんとやっておいてね!頼んだよ!」
- ⇒「はい、わかりました!」
- (言ったほうが案件Aを指しているが、言われた方が案件Bだと思っている)
上記はコンテクストというよりは、指示代名詞の問題ですが、コンテクストが共通されていない場合に起こる事象は上記のようなイメージです。
したがって、ハイコンテクスト文化の組織では、コンテクストの共有度が低い新人や部外者を受け入れるハードルが高くなりますし、新人や部外者が活躍しにくい環境であるともいえるでしょう。