ここでは、組織にONAを導入することで実現することを5つ紹介します。
- 離職の兆候を予測できる
- 適切な人材の発掘・配置ができる
- エンゲージメントサーベイを代替できる
- 組織内のコミュニケーション構造を把握できる
- さまざまな分析に役立てられる
離職の兆候を予測できる
まず、ONAは離職の兆候を予測することが期待されています。実証実験では、メンバーのコミュニケーションパターンの変化を察知して、離職のリスクをかなりの精度で予測できたとされているのです。
具体的には「離職を考えているメンバーは社内でのネットワークが縮小し、深くなる(特定の人とだけよくコミュニケーションをとるようになる)」という変化があったと報告されています。ONAを活用すると、このようなコミュニケーションの変化が明らかになり、離職の兆候を突き止めて解決につなげられる可能性があるわけです。
組織では、メンバーの離職が他メンバーの士気を損ね、退職が続いてしまうこともあります。例えば、誰かに社内に不満があって退職した場合、共感したり似たような不満を共有したりしているメンバーがいると、連鎖的に退職者が続出するというケースは珍しくありません。
この場合もONAでデータを分析することで、「離職した人物とコミュニケーションが多いメンバーが誰か」「士気の低下が生じているメンバーがいるか」等を察知できます。このようにONAは離職の防止だけでなく、離職に伴う士気低下などの波及効果も分析できます。
適切な人材の発掘・配置ができる
ONAは組織の成長戦略に合った人員の配置や人材の発掘にも役立てられる可能性があります。これは、組織内の “弱いつながり” や “強いつながり” を可視化することができるからです。
ベストセラーにもなった入山章栄『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)では、弱いつながりがイノベーションを引き起こし、強いつながりがイノベーションを実践に落とし込むとされています。
冒頭でも述べたように、ONAは組織内の関係性やコミュニケーションをAI・ツールによって可視化するものです。つまり「誰がどのメンバーとどのようなつながりを持っているのか」がわかるようになります。このような分析によって弱いつながり・強いつながりを可視化できれば、イノベーション創出の施策などにもつなげやすくなります。
エンゲージメントサーベイを代替できる
エンゲージメントサーベイは、定期的なパルスサーベイによって、メンバーのエンゲージメント状況を定量化して、現状を把握するための調査です。ONAを取り入れることで、エンゲージメントサーベイを代替できる可能性があるのです。
エンゲージメントサーベイはどうしても「本人の回答」をベースに定量化や分析が行われるため、回答の信ぴょう性などに限界があります。しかし、ONAは「行動データ」を分析しますので、高い信ぴょう性があります。
社員間のコミュニケーション傾向はエンゲージメント状況と密接な関係がありますので、コミュニケーションを分析することで、定期的なパルスサーベイ等を実施しなくても、エンゲージメント状況をより高精度の把握できることが期待されます。
組織内のコミュニケーション構造を把握できる
ONAを利用することで、組織やプロジェクト内のコミュニケーション構造を可視化できます。これによって、組織の課題を見つけることができます。
たとえば、リモート環境・テレワークは業務の効率化につながる一方で、メンバーのタスクをマネジメントしにくいというデメリットがあり、場合によっては特定のメンバーに負荷が集中することになりかねません。
また、マイクロソフトによる分析結果などでは、テレワーク下ではコミュニケーションのタコツボ化が起こりやすいといった課題もあげられています。
ONAを導入して、組織内のコミュニケーション状況を可視化することで、上記のような過負荷状況の社員をピックアップしたり、コミュニケーションのタコツボ化状況を把握したりすることができます。
さまざまな分析に役立てられる
ONAには、他にもさまざまな分析に役立つ効果が期待できます。例えば、組織ネットワーク内の”キーマン”を把握できます。ONAを導入してコミュニケーションを可視化することで、誰がプロジェクト(コミュニケーション)の中心を担っているかを定量的に表すことができます。
また、組織全体を分析すれば、組織が階層的かフラットかなどの状況も分析できます。このようにONAはメンバー間のコミュニケーションだけじゃなく、組織の構造課題を見つけることにも役立ちます。