企業の目的は利益の追求か?
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企業活動を継続するには、利益を出さなければいけません。
マネジメントの父とも呼ばれる経営学者ドラッカーは「たとえ天使が社長になっても、利益には関心をもたざるをえない」と言います。利益は企業の目的ではなく、存続の条件であり、明日もっと良い事業をするための必須条件です。
では、企業の目的は何でしょうか?
ドラッカーの名言に、「企業の目的は顧客の創造」というものがあります。顧客の創造=顧客満足であり、顧客に価値を提供することです。利益の確保は必須ですが、一方で、本来の目的を忘れて、利益の追求に偏り過ぎると以下のような問題が起こるでしょう。
組織風土を壊す
組織風土とは、組織に所属する人が感じている価値観をさします。価値観は必ずしも言語化されているわけではなく、暗黙の了解であることも多いでしょう。
企業が顧客満足を無視して利益追求に走った場合、利益にならないことはすべて無駄、不要といった価値観が浸透します。その結果、企業の重要な目的である「顧客への価値提供」「顧客にとっての価値」「顧客の成果」を追求する価値観が失われがちです。
また、同時に「メンバー」を顧客満足を生み出すための資源ではなく、利益を生み出すための歯車であり、コストであると捉えるような価値観も生まれやすくなり、健全な組織風土が壊れていきます。
顧客からの共感を得られない
顧客の価値を追求しない姿勢であっても、一時的にプロモーションなどで顧客を獲得して売上の向上・利益創出はできるかもしれません。
しかし、顧客満足を無視した開発・提案・販売は、顧客からの共感を得られません。結果として、ファンが生まれず、顧客離れを起こし、じり貧となることが予想されます。短期的な視点で利益を追求し過ぎて、顧客の価値に重きを置かないことで、逆に利益を失い、継続的な事業展開が難しくなってしまいます。
何のために働いているのかわからない、仕事に誇りを持てない社員が増える
利益追求だけを追い求めすぎると、社員は働く意味を見失っていきます。たとえば、以下のような感情も生まれやすくなるでしょう。
- 「この仕事をやり続けて何の意味があるのか、よくわからない……」
- 「友人知人に胸を張って仕事のことを話せない……」
人は、仕事への意味付けや誇りがあるからこそ、主体性を発揮しますし、うまくいかない壁にぶつかったときにも頑張れるものです。何のために働いているのかわからない状態になれば、主体性も発揮されませんし、困難を乗り越えることも難しくなります。
社員や取引先に過度な負担を強いる
利益追求に偏り過ぎた状態とは、「儲かりさえすればいい」「得をすればいい」といった考え方です。企業が過度に利益追求に走ると、人件費や外部パートナーなどはすべて「費用」であり、いかに低価格で使い倒すかという視線になりがちです。
企業がそのような視点を持つと、人件費を抑えるために既存社員に膨大な仕事を押し付けたりします。結果として、有給休暇が取得しづらかったり、残業代がきちんと支払われなかったりするといったコンプライアンスの問題、また、疲労によるエンゲージメント低下やモチベーションダウンも生じやすくなるでしょう。
また、利益追求に偏り過ぎた企業は、自社の利益を最優先に物事を考え、外部のパートナーや仕入れ先にも負担や不利益を与えがちになります。
社会的に糾弾される
いまの時代は、SNSの普及によって、以下のような問題は露呈・拡散されやすくなっています。
- お客様のことを無視した営業手法
- 店員の態度が極端に悪い
- コンプライアンス違反
- 職場環境がブラック(ハラスメントや勤怠の問題)
- 経営陣からのメッセージや社内報における問題発言
こうした問題がSNSなどで拡散されて炎上すれば、企業は社会的な信用を失います。そして、顧客・取引先・社員離れが進んだ結果、事業の継続が難しくなるのです。







