新人研修の時間設計やタイムスケジュール、適切な研修期間を解説!

更新:2023/07/28

作成:2021/07/02

高嶋 阿由里

高嶋 阿由里

株式会社ジェイック

新人研修の時間設計やタイムスケジュール 適切な研修期間を解説!

新人研修はほかの研修に比べて教えるべき内容が多く、時間配分やスケジューリングに悩む担当者も少なくありません。新人研修の期間としては3ヵ月が一つの目安となっていますが、業種や職種、研修ゴールによって研修内容も異なってきますので、自社に適した時間設計・期間で実施することが重要です。

 

また、新人研修を効率的に実施するためには学習方法を工夫すると同時に、受講者の集中力を高める必要もあります。記事では、新人社員の集中力を持続させる時間配分や研修のタイムスケジュール、研修効果を高めるポイントを解説します。

<目次>

新人研修の効果を高める「集中力が持続する」時間配分とは?

置時計

新人研修の効果を高めるには、受講者の研修への集中力を維持することが大切です。人が集中力を維持するには限界があり、以下の時間配分で研修を設計することがポイントです。

 

 

集中力を持続させる「60-20-10」の法則

「60-20-10」の法則は、人の集中力を考慮した効果的な時間設計です。

 

<60-20-10の法則>
  • 60分に1回は休憩を入れる
  • 20分に1回は内容を変える
  • 10分に1回は場面転換、進め方を変える

 

人が集中力を持続できるのは60分が限界といわれており、受講者の集中力を考慮すると、60分に1回は休憩を入れる必要があります。

 

また、60分間の中では、20分程度を1チャプターとして区切って内容を変えることで、集中力が保ちやすくなります。さらに、10分に1回は一方的な座学からグループワークに転換したり、講師によるレクチャーから個人ワークを行なう、あるいは参加者に発言してもらったりして、進行方法の変更を入れることが集中力を保つポイントです。

 

 

オンライン形式の研修は「45-10-4」を意識

オンライン研修の場合、空間を共有していない、画面越しということで、対面よりも集中力を保ちづらくなります。そのため、集中できる時間は対面での研修よりも短く、40~45分と言われています。

 

従って、対面研修での原則「65-20-10」よりもテンポアップした「45-10-4」で研修設計を考えることがおススメです。

 

<45-10-4の法則>
  • 45分に1回は休憩を入れる
  • 10分に1回は内容を変える
  • 4分に1回は場面転換、進め方を変える

 

また、オンライン研修では空間を共有せず、雰囲気等が伝わりづらいため、講師が一方的に喋りすぎてしまうと、受講者の集中力が低くなりがちです。

 

受講する新人社員の集中力を保つためには数分に1回は質問する(必ずしも答えさせる必要はなく、問いかけて間を取るだけでも集中力は高まります)、発言させる、ワークを入れるなど、何かしらアクションさせることを意識しましょう。

 

e-ラーニング動画などを視聴させる場合も、1コンテンツあたり10分程度を上限として実施することが有効です。

 

 

マイクロラーニングも有効

集中力を維持するためには、マイクロラーニングの考えを導入することもおススメです。多くの学びを一度にインプットするよりも、短いコンテンツを分割して反復学習させ、少しずつ学ぶことで学習効果が高くなるというのがマイクロラーニングの考え方です。

 

半日の研修を一気に実施するよりも、10~20分程度の短時間の研修を1ヵ月にわたって実施したほうが有効だということです。また、数分の動画等を活用して、隙間時間に学ばせることも有効です。

 

新人研修は覚えることが多くなるからこそ、重要な内容を忘れないようにするマイクロラーニングや復習の工夫がポイントです。

研修のタイムスケジュール例

新人研修は、日本の社員教育の中でも長期間にわたって集中的に実施される研修です。ここでは、丸一日を新人研修にあてる場合の研修タイムスケジュールの例をご紹介します。

 

時間内容
9:00 ~ 9:20朝礼
9:20 ~ 9:50自主学習
9:50 ~ 10:00休憩10分
10:00 ~ 11:00講義(60分)
11:00 ~ 11:10休憩10分
11:10 ~ 12:00講義(50分)
12:00 ~ 13:00お昼休憩
13:00 ~ 14:00講義(60分)
14:00 ~ 14:10休憩10分
14:10 ~ 15:10講義(60分)
15:10 ~ 15:20休憩10分
15:20 ~ 16:20講義(60分)
16:20 ~ 16:30休憩10分
16:30 ~ 17:00夕礼

 

 

<朝礼>
研修時間だけが新人研修ではありません。研修で学んだ内容を身に付けるための場として、朝礼はとても効果的です。現場配属後に向けて、朝礼を通じて一日のスケジューリングや主体的なホウレンソウ、端的なコミュニケーションなどをトレーニングすることができます。

 

また、新人研修をオンラインで実施する場合、対面での実施と比べると「雑談」の機会が大きく減少しますので、意図的に顔を合わせて新人の状況を把握する場として、朝礼や夕礼の前後を活用することがおススメです。

 

 

<自主学習>

現場配属後のOJT等を考えると、あえてスケジュールに「余白」を作り、自分で考えて行動する主体性の習慣を付けさせることも効果的です。

 

スケジュールが隙間なくきっちり固められた研修を数ヵ月間続けてしまうと、優秀な新人も指示待ちの姿勢を取りがちになります。

 

今回のタイムスケジュール例では、朝の30分ですので、予習や復習に使うような時間イメージですが、1週間や1ヵ月といった期間で実施テーマのみを提示し、自分たちで進めていくプロジェクトラーニングを取り入れることもおススメです。

 

 

<午後の講義 × 2~3本>
昼食を取ったと同時に疲れがたまってくる午後は、午前と比べて集中力が切れやすくなります。そのため、グループワークやロープレなどで発言する機会を増やしたり、体を使う研修を実施したりすると、新人社員の集中力が保ちやすくなります。

 

なお、研修にはインプットだけでなく、前述のような自主学習、またテストやレポート、発表などを組み込むと学習効果が高まります。

 

 

<夕礼>

その日の復習や、成功・失敗の振り返りを習慣化する場として夕礼を活用しましょう。受講生一人ひとりで振り返るのも良いですが、研修での気付きは人によって違いますので、お互いの気づきを共有することで学びの場になります。

 

また朝礼と同じように現場配属後を見据えて、1日を振り返って完了し、明日の仕事をイメージする習慣を身に付けることも重要です。

新人研修の学習効果や効率を上げるためのコツ

研修を受ける新人

効果的な新人研修を実施するには新人社員の集中力を維持できる研修スケジュールに加えて、研修手法にも工夫が必要です。

 

研修の学習効果を高めるためには、以下3つのポイントを意識して計画・スケジューリングを行うと良いでしょう。

 

 

時間設計(60-20-10の法則)

記事内で紹介したとおり、受講者の集中力を持続させる研修の時間設計として「60-20-10の法則」があります。

 

60分に1回は休憩を入れる、20分に1回は内容を変える、10分に1回は場面転換して進め方を変えることを意識して研修を実施すると、新人社員の集中力を持続させ、研修効果を高めることにつながります。

 

 

学習ピラミッドとアクティブラーニング

学習ピラミッドとは、学習定着率を種類ごとに分類したものです。学んだ内容がどれぐらい定着するかを示す学習定着率の観点では「他人に教える」ことが最も学習効果が高く、一方的に座学を聞く「講義形式」が最も低いと考えられています。

ラーニングピラミッド(学習ピラミッド)の図

学習手法のなかで、学ぶ側が主体的に取り組む学習形式を“アクティブラーニング”と呼び、学習ピラミッドでは「他人に教える」「体験する」「グループで討論する」がアクティブラーニングに該当します。

 

つまり、新人研修にアクティブラーニングを取り入れると、研修効果が高まります。

 

新人研修は教えることが多いため研修方法もインプットに偏りがちですが、現場配属後を見据えて考えた場合、「知っている」ではなく「できる」状態にすることが大切です。アクティブラーニングは、「知っている」から「できる」状態にするのに効果的ですので、ぜひ積極的に取り入れましょう。

 

 

タイムスペースラーニングやマイクロラーニング

学習効果に関しては、他にも効果性の高い学習方法があります。タイムスペースラーニングとマイクロラーニングです。

 

マイクロラーニングは、「60分の講義でまとまった学習を行なうよりも、短いコンテンツを分割して少しずつ学び、反復学習させるほうが効果は高まる」という考え方です。

 

例えば、オンラインの動画コンテンツを活用するなら、一つのコンテンツを5~10分程度にして、細切れにインプットしたり、復習を挟んだりすることで学習効果は高まります。新人研修で学んだことの復習やテストなどをする上でも参考になる考え方です。

 

また、タイムスペースラーニングは「学び → 実践 → 学び」というように、学びの間に実践を挟んでいくやり方です。

 

現場配属後にとりわけ重要となる報連相などのスキルは、朝礼や夕礼、自主学習などを“実践の場”としてうまく使いながら、研修期間で身に付くようにタイムスペースラーニングの考え方を参考にすると良いでしょう。

新人研修の実施期間

新人研修の実施期間は、業種や職種によってさまざまですが、「Off-JT+人事所管のOJT」という組み合わせでの初期研修は、3ヵ月が一つの目安です。

 

社会人経験なしの新人に、社会人としての意識や組織に馴染むプロセス、ビジネスマナー、配属後に必要なビジネス基礎などをしっかり教え込み、定着させるには3ヵ月ほどかかります。

 

1ヵ月目は初期研修、2ヵ月目は基礎スキルを覚えていき、3ヵ月目で基礎スキルを定着させるというように、おおまかに期間を分けて研修スケジュールを組んでいくことがおススメです。

 

初期研修の終了後は部門配属となり、現場によるOJT研修に切り替わるのが一般的です。

 

 

現場でのOJT研修は品質がばらつきやすくなるため、以下の工夫を実践することが効果的です。

  • 人事部門でOJT計画の立案フォーマットを配布して作成してもらう
  • OJT担当者のトレーニングを実施する
  • 現場配属後も定期的にフォローアップをする

 

新人研修でいつ、何をやるかを設計するうえでは、以下の計画シートが参考になります。無料でプレゼントしていますので、参考にしてください。

まとめ 

新人研修は、人事部門が主導して行なう研修のなかでも大規模・長期間となり、将来の企業を担う若手を育てる重要な研修です。

 

新人研修を効果的にするためには、受講者の集中力を保つ時間設計(60-20-10の法則)や、学習ピラミッド、アクティブラーニングなどの学習形式を活用することがおススメです。

 

現場配属後は「知っている」ではなく「できる」ことが求められます。報連相などのとくに重要度が高い内容は、「身に付ける」ためにどんな風にプログラムを工夫できるか、記事の内容も参考にぜひ工夫してみてください。

著者情報

高嶋 阿由里

株式会社ジェイック

高嶋 阿由里

明治学院大学卒業後、精密機器メーカーに勤務。新規事業をPJとして立ち上げから収益化までを行い、事業部にまで発展させる。その後、住生活関連のベンチャー企業に入社し、人事として社長直下で働いた後、ジェイックに入社。ジェイックでは、講師として受講者に寄り添い、現場でチームメンバーと協働して動ける「自立型人材」を育てる研修に特徴がある。

保有資格

「7つの習慣®」担当インストラクター、アンガーマネジメントファシリテーター、EQPI®トレーナー等

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