仕事・業務・作業の違いとは
仕事を効率化するうえでは、まず“仕事”と“業務”、“作業”の違いを知っておくとよいいかもしれません。私たちは、普段何気なく“仕事”“業務”“作業”といった言葉を使っていますが、3つにははっきりとした違いがあります。
まず仕事とは、自分たちがそれぞれに与えられた使命や役割を果たすことです。ミッションという言葉でも表すことができます。そして、業務とは仕事を果たすために行なう、いくつかの作業を組み合わせた一連の流れを指します。
最後に、作業は業務を実行する、一つひとつのプロセスを指します。
つまり仕事をするにあたって、いくつかの業務があり、それぞれの業務にはいくつかの作業が含まれているということです。従って、効率化や生産性を考えるうえ上では、“仕事”“業務““作業”のそれぞれで違ったアプローチが必要になります。
仕事を効率化するには?
仕事を効率化するには、まず“する業務”と“しない業務”を見極めることです。仕事の見極めは個々のメンバーが実施することも大切ですが、管理職等が中心になって考える必要があります。
例えば、営業の仕事を考えてみましょう。営業の仕事を大きく分けると“既存客向け”と“新規開拓”に分けられます。このとき、同じ営業担当者が既存客のケアをしながら、空いた時間に新規開拓もするという企業も多いでしょう。しかし、この方法では効率的に仕事することが難しい場合もあるでしょう。
場合によっては、同じ営業担当に既存と新規の両方させるのではなく、新規開拓を専門とするチームを作って任せることで、営業職の仕事を大幅に効率化できるかも知れません。
このように組織や個人の仕事のなかにはいくつかの業務があります。しかし、現状ですべての業務が適切に割り当てられているとは限りません。
「仕事が適切に割り振られているか」「この業務をこのメンバー従業員がすることが正しいのか」「そもそもこの仕事を社員がする必要があるのか」といった視点で考えてみることが大切です。
業務を効率化するには?
次に業務の効率化をするには方法を紹介します。業務を効率化するには、業務のなかにある“ムリ”“ムダ”“ムラ”をなくすことです。
“ムリ”“ムダ”“ムラ”を排除するには、まずどのような業務があって、それぞれの業務にどれぐらいの時間を使っているのか、そして、どのように行なわれているかを見える化することです。
使っている時間や方法を見える化、一覧化してチェックしていきましょう。一覧化してチェックすることで、無理な方法をしてやり直しが頻発している業務、必要ないことまでやっている業務、標準化されず時間がかかっている業務が見つかります。
こうした“ムリ”“ムダ”“ムラ”のある業務に、対策を講じることで効率化を進められます。
業務の無駄をなくすには?
“業務の無駄”には、業務のなかに無駄な作業があるという場合と、その業務自体しなくてもよいという2種類があります。
しなくてもよい業務とは、“他の方法で代用できる”“、他の工程で同様のことをしている”、あるいは“、しても効果があまりないもの”です。
それぞれの業務の、作業工程と作業の成果をひとつずつ見てチェックしていきましょう。このときに大切なことは、“今までやっていることだから”と慣例的に流さずに、作業の目的や効果性と照らし合わせながら、ゼロベースで見直すことです。
業務の無駄の見つけ方
無駄な工程や作業を見つける参考として、ありがちな“5つの“業務の無駄”をご紹介します。当てはまるものがないかチェックすると、無駄を見つけやすいかも知れません。
●過剰品質の無駄
業務プロセスのなかで、細かいところまでこだわった作業や必要以上に時間をかけて行っている作業はないでしょうか。品質は大切ですが、過剰品質の作業をしているとすれば、それは無駄です。
例えば、ありがちな事例としては「社内の報告書を、丁寧にパワーポイントで作成して、フォントサイズやアニメーションまできっちり作成している」といったものです(もちろん社内でも作りこみが必要な場合があるかもしれませんが、一般的にはWordのメモ等で十分なことが多いでしょう)。
過剰品質が発生する背景には、求められる品質の基準がわかっていないことや見栄・自己満足を優先させている、生産性を考えていないということがあります。
●待ちの無駄
一日の作業のなかで、すきま時間が多く発生していないでしょうか。作業量とスケジュールを調整し、不要な報告や指示、前工程との調整待ちなどが生じないように段取りを組んでいきましょう。
●コミュニケーションの無駄
仕事にコミュニケーションは欠かせないものです。ただ、過剰品質と同じで、無駄に時間が取られすぎていないでしょうか。会議の時間が長すぎる、メールの返信が多すぎる、これらは無駄なコミュニケーションです。
会議の進行ルールを設けたり、メール以外のコミュニケーションも取り入れたりするなど、無駄を省く工夫をしてみましょう。
●分業の無駄
単純な作業を大量に行なう場合などには、分業が非常に効率的です。しかし、業務の性質を考えずに分業すると、コミュニケーションが悪くなったり、作業がダブったり、連携がスムースに行かなかったりして、無駄が発生することがあります。
いまの分業体制が適切であるかをチェックしてみましょう。場合によっては業務を集約して、一括で処理する方法等も検討してみるとよいかもしれません。
●工程の無駄
業務の工程が複雑になると多くの人が関わることになり、無駄な作業やミスが発生しやすくなります。業務フローが非効率になっていないか、いま一度見直してみましょう。
業務フロー図に落とし込んで可視化すると、どこが問題点なのかがわかりやすくなります。
作業の無駄の見つけ方
作業の無駄は、下記の5つに当てはまるケースがほとんどです。業務の無駄と同じように5つと照らし合わせてチェックしてみると効率的に作業を進めることができるでしょう。
●不足
完成した作業の内容が求められている質や量に足りていないのでやり直しになる。
●転記
同じ情報を別の紙に書き写すような作業をしている。
●手作業(作業効率)
自動化できるのに手作業で行っている(ショートカットキーを使えば…といったことも同様です)
●重複
違う人が同じことを繰り返し実施している(ダブルチェック等が大切な場合もありますが、同じ作業を重複して実施していれば一般的には無駄があります)
●捜索
必要な情報やファイルを探すのに時間を使っている。
効率化に取り組む順番
効率化に取り組む際は、大きなところから順番に手を付けることがポイントです。基本的な考え方としては、“仕事の効率化”→“業務の効率化”→“作業の効率化”という順番でチェックしていきましょう。
まずは仕事の効率化のために、するやる業務しないやらない業務の仕分けをします。次に、業務のなかに“ムリ”“ムダ”“ムラ”がないかをチェックします。そして最後に業務内の作業を効率的にする方法を考えていくという順番です。
すぐに取り掛り、無駄があることを感じてもらう、ちょっとした成功体験を積むといった意図があれば、“作業の効率化”等にすぐ着手することもありでしょう。
ただし、大きな単位から効率化に取り組んだほうが、改善効果も大きくなることは忘れないようにしましょう。