ブナの木の話【ザ・現場ギャップvol.20】

更新:2023/07/10

作成:2018/10/17

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

ブナの木の話

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

今回は、先日参加した講演会の中で

非常に考えさせられた「ブナの木のお話」を

させていただければと思います。

 

 

先々週、宮城で開催された

「SEA TO SUMMIT®(シートゥーサミット)」と呼ばれる

環境スポーツイベントの講演会に参加した時の話になります。

 

このイベントの目玉は海から山頂まで登り切る

「カヤック3km→バイク13km→ハイク(登山)1.5km」

3種のトライアスロンのような大会です。

 

今年で3年目になるのですが、

自然を感じながら汗を流す時間は至福の時間です!

 

他にも環境シンポジウムとして

基調講演やパネルディスカッションもありますので

ご興味のある方は是非ご参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

その基調講演で畠山重篤さん(NPO法人「森は海の恋人」理事長)

という方が登壇されていたのですが、

そこで「ブナの木のお話」がありました。

 

 

皆様はブナの木をご存じでしょうか。

ブナは漢字で「橅」(木+無)と書きます。

 

薪にしようにも堅くて割りづらく、

柱や床にしようにも乾燥しにくく腐りやすかったり、

加工後には曲がって使いにくかったりと

大工さんやそれを売る側からすると非常に扱いづらいことから

 

「分の無い木(役立たずの木)」

 

ということでこの漢字が使われたそうです(諸説あります)。

 

そのようなイメージを持たれていた木ですから、

昔は、建築用材として利用できるスギやヒノキを植える為に

大量伐採されてしまっていました。

 

 

しかし、この「役立たずの木」と呼ばれたブナの木こそ、

実は私たちを支えてくれる重要な存在だったのです。

 

木の葉が枯れ落ちて腐葉土になりますが、

ブナの木の葉っぱから作られるこの“腐葉土”が

非常に大きな力を持っていたのです!

 

この腐葉土が生み出す栄養分が、

ブナ林から田畑に流れると、

その土で育った食物は暑さにも強く、味も良くなります。

(ブナの木の腐葉土は、植物の鉄の吸収を助ける効果が高いのです)

 

そして植物が育ち、豊かな栄養分を含んだ水が、

最後には海に流れつき、

植物性プランクトンを大量に発生させ、

海を豊かにしていく。

 

つまり、一見「役立たずの木」と呼ばれていたブナの木は、

違う視点で見ると、とても大事な存在だったのです。

 

「自然の原理原則の中で必ず生きる強みがある」

 

ということですね。

 

 

この話を聞きながら、教育に携わっている我々は

 

「誰にでも必ず活きる強みがある、

だからこそ我々はその可能性を信じ続ける」

 

ということに通じるのでは、と感じました。

 

 

 

人でも組織でも可能性がないと思ってしまえばそれまでです。

 

ですが、組織にとっても社会にとっても

「なくてはならない存在である」可能性を秘めています。

 

 

例えば、、、

 

・新人時代(1年目)には、断トツビリの成果で同期とも差があった社員が、

5年目にはトップセースル賞を受賞

・営業部門では自分の給料分の成果すら出せなかった社員が、

マーケティング部門に移った途端才能を開花。

3年後にはマーケティング部門の部門長にまで躍進

・4年も営業をしていて目立った成績を修められなかった若手が、

上司が代わったこと、結婚したことを機に

わずか1年で5本の指に入るほどの成果を安定して上げられるようになった

 

等、自社で実際に起きた事や他社で起きていることを伺うたびに

このような“良い変化”はいくらでも起こり得るのです。

 

 

今回の「ブナの木の話」では、

「役立たずの木」と呼ばれたブナの木が、

「海」にとってのなくてはならない存在、であったように

 

組織に属する社員一人一人も

「組織」にとってのなくてはならない存在である、、、

 

このような想いを持ち続けて接することが

大事なのではないでしょうか。

 

 

 

今週はここまでとさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

来週もよろしくお願いいたします。

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
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