自分のコピーを作ろうとする上司【ザ・現場ギャップvol.34】

更新:2023/07/10

作成:2019/01/30

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

自分のコピーを作ろうとする上司

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

 

先週、あるパートナー企業と

お打合せをしていたのですが、

そこから話題は新人育成、

そして、メンター・OJT担当者の

教育にまで発展しました。

 

 

実際にお客様からのお問い合わせを

受けていても感じることなのですが、

最近のトレンドとして、

 

「メンター・OJT担当者向けの研修」

 

を検討している企業様が増えてきています。

 

 

というのも、ここ数年

採用難の時代が続いており

その分どこの会社も、

 

「採用ができないなら、

採用できた子たちをしっかりと育てよう」

 

と、新人の定着率向上に

関心が高くなってきているからです。

 

 

そのような中で、

メンター・OJT担当者は

新人の様子をキャッチアップしたり、

時に相談に乗ったりと、

新人の定着・育成に大きく影響を与える

大事な要因とも言えるでしょう。

 

 

そんなメンター・OJT研修担当者ですから、

その層を対象に研修を行い、強化するのは

当然と言えば当然の流れかもしれません。

 

ですが実は、別の理由もあるようです。

 

その理由を聞いたとき、

私自身も少し「ギクッ」としたので、

お話させていただければと思います。

 

 

 

 

多くの場合、

OJT担当者・メンターは、

自分の経験や価値観だけで

指導・評価を行いがちです。

 

極端になると、

自分と同じ格好をさせ、

自分と同じ言動をさせる。

 

自分と同じ行動を取らせ、

自分と同じ育ち方をさせようとする。

 

よく聞くような、

 

「俺が新人の頃はな…」

 

という言葉は、

まさにその考えが言動として現れており、

その言葉の裏には

 

「だからお前も、

俺と同じように●●するべきだ」

 

というニュアンスが含まれています。

 

 

さて、このようなアプローチをしている

OJT担当者・メンターですが、

 

もちろん、悪気があって

そのようなアプローチをしているわけではなく、

部下のため、後輩のため、

それが正解だと思って行っているのです。

 

 

ですが、実際に

このようなアプローチをし続けてしまうと

どうなってしまうのか。

 

 

個性を尊重される時代で

育ってきた若手・新人は

腹落ち感、納得感が芽生えづらく、

育ったとしても、

 

「人材の同一化」

 

を招く恐れがある、

とのことでした。

 

 

その結果、これからますます激化する

「変化の時代」に対抗できる

人材も組織も創れなくなってしまう…

 

とのことだそうです。

 

 

 

「二人の人間の意見が

まったく同じなら、

一人は不要である。」

 

 

 

私たちが提供している

「7つの習慣(R)」を提唱した

フランクリン・R・ヴィー博士の言葉です。

 

 

少し言葉は強い表現ですが、

変化し、成長し続け無ければ

生き残れない企業としては、

必要な考え方かもしれません。

 

 

違いを排除するのではなく、

違いを尊重することで、

新しい価値を生み出していく。

 

 

これはメンター・OJT担当者のみならず、

新人を受け入れる組織や人が

気を付けていきたいところです。

 

 

今週はここまでとさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

来週もよろしくお願いいたします。

 

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
・ゆとり世代の特徴と育成ポイント
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