働き方改革におけるこうした問題点はどのように解決していけばいいでしょうか。参考になる方策や考え方を紹介します。
①課題の整理と現状の分析
本当の意味での働き方改革を行うには、自社の課題をしっかりと分析して、組織として手を打っていくことが大切です。
そのためには現場の実情を調査したり、課題を洗い出したりすることが必要となります。
部署や組織ごとに現状の生産性を把握するのも効果的です。
分析結果から判明した問題を細分化し、自社の顕在的・潜在的な課題を明らかにして、組織全体の課題として取り組んでいきましょう。
②時間対効果の向上
働き方改革を進めるためには「時間対効果」「生産性」「効果性」の考え方が非常に大切です。
時間対効果や(時間)生産性は、費やした時間に対してどの程度の成果が得られるかを示すものです。
業務ひとつひとつを時間帯効果、生産性の観点で見直していきましょう。
例えば、無駄なレポートの作成や書類のファイリング、発言者が少ないミーティングなどを廃止すれば、生産性を向上させることができるでしょう。
また、業務量の偏り等の問題を考える上では、従業員毎の生産性をしっかりと意識しておくことも大切です。
なお、時間対効果や生産性と並んで「効果性」の概念を持っておくことも重要です。
時間帯効果や生産性の向上は、どちらかというと“短期的な効率”に着目しがちです。
ただし、人材育成やイノベーションなどは“中長期的な効率”や“必要性”を見ておくことも大切です。
効果性は、“望む成果をいまも未来も継続的に得続ける”という考え方で、短期的な効率主義だけに陥らないようにするうえで大切な概念です。
③業務プロセスの見直し
生産性の向上に取り組む上では、仕事の段取りや手順の見直しを行うことも非常に大切です。
そもそも必要のない仕事やシステムで置き換えられる仕事、外注できる仕事、まとめれば手間が減る仕事などを見つけて対処しましょう。
「この仕事は本当に必要なのか」「どの程度の利益や付加価値を生み出しているのか」「もっと生産性を上げるためにはどうすればいいか」を考えて取り組む必要があります。
ひとりひとりの従業員に意識を持ってもらうことも大切ですが、業務プロセスの見直しはある程度の権限が必要であり、各組織でトップダウンに見直しの機運を作ることが大切です。
④業務効率改善ツールの導入
クラウドサービスや勤怠管理システム、RPAなど、業務効率改善ツールを導入することも生産性を向上させる上で効果的な方法です。
ITで自動化、効率化できる範囲はどんどん広がっていますので、使わない手はありません。
ただし、前述の通り、クラウドサービスは初期費用こそ安いですが、運用費用を積み上げると意外と大きな金額となってきます。
「このツールを利用することで従業員の生産性がどれだけ向上しているのか?」という視点をきちんと持って、効果検証しながら活用、時には廃棄することも大切です。
⑤トップダウンによる統率
現場の声を聴きながら進めることは非常に大切ですが、生産性の向上は現場に丸投げして実施するのではなく、トップダウンで進めることも大切です。
人は変化を嫌う側面がありますし、前述の通り、業務プロセスの改善などは、改善するのに決済も必要だし、例えば簡略することによるリスクが生じることもあるでしょう。
各組織でトップがしっかりと生産性向上にコミットして進めることが必要です。
⑥中長期的に生産性向上に取り組む
働き方改革はすぐに実現するものではありません。これまで述べてきた通り、短期的には分かりやすい「残業制限」になりがちです。
ただ、本質的は中長期的に業務プロセス、ビジネスモデルなどを改善・改革して生産性を向上させていくことが企業にとって不可欠です。
生産性を向上させていかなければ、企業の維持・発展、また、従業員の待遇改善などもできません。粘り強く改革を推進していくことが大切です。