「口説く技術」の必要性 ~自社で欲しい人材は他社でも欲しい~
採用活動をするうえで最初に注意すべきなのは、自社が「欲しい」と思っている求職者は、他社でも同様に「欲しい求職者」である可能性が高いということです。そのため、求める求職者を採用するには、選考を通した「見極め」と同時に、相手を魅了する(口説く)必要があります。なお、「口説く」とは求職者の志望度を高めていくことです。
「志望度」とは何か?
それでは、志望度とはどういったものなのでしょうか。志望度を定義しないと、魅了付けをして、志望度を高めることはできません。ここでは、「志望度」を、求職者が「自分の夢がこの企業で実現できそうだと感じる、確信の度合い」と定義します。
例えば、「IT業界でプロジェクトマネージャーになりたい」という夢を持つ求職者がいたとします。選考を通じて、この求職者が「この企業なら自分の夢や目標が叶えられそうだ」という確信に至れば、その企業で内定受諾する可能性に大きく近づいたといえます。
ここでは、単純にキャリアプランという“夢”を例示しましたが、“夢”は人によってさまざまです。社風や働き方への夢もあるでしょうし、有名企業で働く自分という自己顕示欲的な夢もあるかもしれません。また、新卒でいえば、“成長したい”、“やりがいのある仕事をしたい”、といった漠然とした夢であることも多いでしょう。
「口説く」ための第一歩は相手の“夢”を知ること
求職者を口説き、志望度を上げるうえで、最も重要なことは相手の“夢”を知ることです。先ほど、キャリアプラン、社風、働き方、ブランド、成長、やりがいなどのキーワードをあげました。相手の“夢”を知るとは、目の前の求職者がどんなキーワードを重視して会社を選んでいるか、そして、そのキーワードにどんなものを投影しているかを知ることです。
相手の“夢”を知らずに口説こうとするのは、コンペにおいて、クライアントがどんな基準でサービスを選ぼうとしているのか分からないまま、自社サービスをアピールするようなものです。相手の選ぶ基準を把握したうえで、その基準に沿って、自社の魅力をぶつけていくことが重要です。
相手の“夢”を知るうえでは、「どんな基準で会社を選んでいますか」「就職活動で何を重視して会社を選んでいますか」とストレートに聞くことは有効ですが、初めに返ってくるのは表面的な答えであることが多いでしょう。答えを深掘りすることはもちろん、「相手が本心を打ち明けられるような質問、関係構築」が重要です。
また、他にどんな会社を選んでいるのか、なぜその会社を受けたか、志望度が高い会社と低い会社の違いは何か、過去にどんな基準で意思決定をしてきたか、など、多角的にとらえていくことが重要です。そして、相手との信頼関係ができていないと、本音を教えてもらうことは難しいので、説明会から選考を通じて、相手との信頼構築をしておくことも非常に重要です。
「口説く」ためには理性と感情の両方に訴えかける
相手の“夢”を知り、いざ口説いていくフェーズでは、理性と感情の両方に訴えることを意識していくと有効です。
感情に訴えるには、例えば「この企業に入れば自分のやりたいことができる!」「ここでなら理想の働き方ができる!」といった期待感を大きくさせたり、その夢を実現している自分の姿をリアルに思い描いてもらったり、『そんな夢を持っているあなたとぜひ働きたい』と率直に伝えることだったりします。
一方で、理性に訴えるとは、その夢を実現できる根拠、例えば具体的なキャリアステップや実務の詳細、社内のロールモデルなどを伝えていくことです。






