採用選考の方法は何がいい?主な選考方法の特徴と選び方のポイントを解説

更新:2023/08/02

作成:2023/01/27

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

採用選考の方法は何がいい?主な選考方法の特徴と選び方のポイントを解説

企業が採用活動を進める上で、「見極め精度を高めたい」というのは尽きることがない悩みです。

 

採用選考の方法には、エントリーシートやグループディスカッション、適性検査、面接、ワークサンプリングなど様々な種類があります。

 

だからこそ、何を基準に決めるか、どんな選考方法が自社にふさわしいのかと迷う部分もあるでしょう。

 

適切でない選考方法を選んでしまうと、選考精度が不十分であったり、また、選考過程の辞退が増えてしまったりする可能性があります。

 

適切な選考方法を選ぶことは、採用活動を成功させる上で重要なポイントです。

 

本記事では、採用時の選考方法をテーマに、代表的な選考方法の種類と特徴、選考方法を決める基本ステップ、および企業が採用選考をする上で押さえておくべき注意点を解説します。

<目次>

代表的な選考方法の種類と特徴

採用における代表的な選考方法には、「書類選考」「筆記試験」「適性検査」「面接」「ワークサンプリング」「ロールプレイング」などがあります。

 

本章では、それぞれの選考方法の特徴を解説します。

 

書類選考

書類選考は、採用の初期段階で行われる選考方法です。書類審査を行う目的は、主には選考の効率化です。

 

採用選考において、書類選考の次は適性検査や面接などになります。

 

適性検査であれば採用企業側に費用が発生しますし、面接であれば日程調整や面接官の工数が必要となります。

 

従って、書類段階でスクリーニングをすることで基準に満たないエントリーを足切りするなど、以降の選考を効率化します。

 

また、効率化以外に採用ポジションの検討をするために書類選考を実施することもあります。中途採用の場合、募集時には社内の募集ポジションが決まっています。

 

書類を確認して、応募してきたポジションには一致しないケースでも、良い人材であれば応募ポジション以外で活躍できる部署があるかもしれません。

 

このように書類選考を通じて足切りする以外に、他の採用を検討している部署との連携や調整をすることもよく行われます。

書類選考は、主に以下の書類を使って実施します。

 

①履歴書、職務経歴書
履歴書は新卒・中途の両方、職務経歴書は中途採用の場合に提出が求められます。

 

②エントリーシート、成績証明書
新卒採用で求められることがある書類です。特にエントリーシートは履歴書には表現されない応募者の“人となり”や自己PRを知る意味でも重要な役割を持っています。

 

書類選考では、誤字や脱字、言葉遣いや文章表現が適切かなどを通じて基礎的な思考力や論理性、また、志望動機や自己PRで自社に対する理解度や入社意欲がしっかり丁寧に書かれているかといった点を確認することが多いでしょう。

 

なお、最近では、個別に履歴書・職務経歴書を提出してもらうのではなく、ダイレクトリクルーティングなどの登録プロフィールを利用して選考する場合も多くなっています。

 

また、デザイナーなどのクリエイティブ職種では、書類選考と合わせてポートフォリオと呼ばれる過去の作品提出を求めることが一般的です。

 

他にもプランナーなどでは企画書、マスコミや出版社志望でのサンプル記事作成、ITエンジニアであればコード提出などを実施することがあります。

グループディスカッション

グループディスカッションは、主に新卒採用で行われる選考方法です。

 

5人~7人程度のグループに対してテーマを与え、テーマに沿ってグループ内で自由に意見交換を促したり、制限時間内で結論を出してもらったりするやり方が多いでしょう。

 

個人面接では見えづらい、協調性やリーダーシップなどを確認できる点がグループディスカッションのメリットです。

 

新卒採用では、対面での会社説明会において、前半で会社説明会、後半でグループディスカッションといった形で採用選考の効率性を高めるうえでよく取り入れられていました。

 

筆記試験/適性検査

筆記試験は、短時間の面接内では測りづらい思考力や専門知識、また性格特性などを見極めるために行われる選考方法です。

 

筆記試験の種類には大きく「一般常識試験」「適性検査(性格)」「適性検査(能力)」「専門試験」「小論文」などの5つがあり、それぞれ詳細は以下の通りです。

 

・一般常識試験
言語力や数理判断力を確認する試験です。国語と数学といった基本的な科目の課題、また、時事問題などで実施されることが大半です。

・適性検査(性格)
適性検査は、応募者の性格特性を測るために行われます。

 

また、最近では応募者個人の特性を出すだけでなく、募集ポジション別に設定した採用モデルとのマッチ度が計測できるものも増えています。

 

適性検査は、様々なベンダーがあり、次に紹介する適性検査(能力)と合わせて提供されていることが大半です。

 

検査によって出来ること、また、向いている職種や検査の観点も少しずつ異なるので、自社の用途に合ったものを選ぶことが大切です。

 

・適性検査(能力)
適性検査は同じベンダーが性格検査と能力検査の両方を提供していることが大半です。

 

能力検査は、一般常識検査の内容をもう少し高度にして、言語的思考力、数理的思考力、論理性、認知力といったいくつかの分野における思考能力や地頭を測定するものです。

 

・専門試験
専門試験は、研究職など高度な専門知識が必要な職種の採用で行われる選考方法です。専門分野についての知識を問う問題が出題されます。

 

・論文試験
論文試験では、提示されたテーマに対する主張や見解を小論文形式で解答する選考方法です。主に、文章の構成力や論理展開の巧拙などを確認します。

面接

面接は、日本では採用選考で最も重視される選考です。

 

書類選考や筆記試験/適性検査が、応募者のスクリーニング・足切りとして、応募者を最終的に採用するかどうかの決断は複数回の面接結果を経て決めるとしていることが殆どです。

 

選考における面接には、大きく「構造化面接」と「非構造化面接」の2種類あります。

 

・構造化面接
構造化面接は、あらかじめ決めておいた評価基準と質問項目に沿って、マニュアル通りに実施する面接を言います。

 

誰が面接官になっても一定の基準で応募者を評価できる点が、構造化面接の一番のメリットです。

 

また、面接官の能力や場の雰囲気によって質問が変わらないため、きちんと設計された設問に基づいて応募者を評価できるため、非構造化面接に比べて、面接での評価と入社後パフォーマンスの相関性は高くなります。

 

・非構造化面接
あらかじめ用意した質問事項に沿って行う「構造化面接」に対し、その場の雰囲気や会話の流れに応じて臨機応変に進めるのが「非構造化面接」です。

 

非構造化面接では、応募者の反応や返答に合わせて質問を投げかけるため、応募者のパーソナリティや予想外の一面を引き出しやすい点がメリットと言えます。

 

一方で、面接官の力量や場の流れに評価が左右されてしまい、入社後の活躍予測精度は構造化面接と比べて低くなります。

 

また、面接の具体的な方法としては以下の2つがあります。

・個人面接
応募者と面接官が1対1で行う面接です。

 

じっくり深堀して応募者の行動特性や価値観を把握したり、オープンに本音を引き出しやすかったりする点が、個人面接の一番のメリットです。

 

なお、個人面接では、想定する配属先のリーダーや現場メンバーに同席してもらうケースもよくあります。

 

・集団面接
集団面接は、複数の応募者を同時に選考する面接スタイルです。集団面接では、面接官は基本的に全員に同じ内容を質問します。

 

応募者それぞれの返答や反応を比較して判断できる点が集団面接の大きなメリットです。

 

個人面接と比べると、個人を深掘りはできませんので、一次面接などでよく使われるやり方です。

 

先述のように、面接は採用選考で最も重視されている選考方法です。一方で、一番評価にばらつきが出やすいのも面接です。

 

「採用学」研究で著名な服部泰宏氏の調査によると、大半の面接官は面接が始まって数分で相手のおおよその印象を決めていたという結果もあります。

 

「直感が正しい」部分もありますが、一方でこのように第一印象に引きずられてしまうなどの心理的なバイアスが生じやすいのも面接です。

 

服部氏は「面接の担当者は、感覚的に物事を判断する」という前提を面接官自身が認識することが大切だと話しています*。

 

先行研究などでは、入社後の活躍予測精度に関しては、適性検査と構造化面接で同じぐらい、非構造化面接の活躍予測精度は適性検査よりも劣るといった事例もあります。

 

人と人が仕事をする以上、面接での印象などは非常に重要なものですが、一方で面接での判断を過度に信頼し過ぎないようにする、面接の予測精度を高めるための工夫をするといったことも重要です。

 

https://www.dodadsj.com/content/170404_hattori02/
* d’s JOURNAL「面接=万能な選考ツールではない」。採用学の知見から学ぶ、募集・選考・面接の各フェーズで考えるべき行動とアクションとは?

課題提出

多くはありませんが、応募者の実績や力量を判断するために、課題の提出を求める場合もあります。

 

とくに企画職やクリエイティブ職などの場合は、次のワークサンプリング的な要素を含めて個別に課題実施を依頼するケースもあります。

 

課題提出やワークサンプリングは入社後の活躍予測をするうえでは非常に有効な一方で、応募者に負担がかかりますので選考辞退などの原因にもなります。

 

このあたりでバランスをとって実施する必要があるでしょう。

 

ワークサンプリング(ワークサンプルテスト)

ワークサンプリングあるいはワークサンプルテストは、入社後に携わる業務を応募者に疑似的に実施してもらう採用手法の一種です。

 

同手法はこれまで主に海外で主流でしたが、面接では見極められない適性を把握できるとして、日本企業で導入されるケースも増えています。

 

ワークサンプリングは、1次・2次面接を通過した応募者を対象に、主に最終面接の直前のタイミングなどで行われることが多いです。

 

ロールプレイング

ロールプレイングは、接客や商談でのトレーニング方法として知られていますが、ワークサンプリングの一種として採用選考で取り入れている企業もあります。

 

営業や販売職、講師職など、対人系の業務やで実施されることが多くなります。

 

前職で扱っていた商材でロールプレイングしてもらう、入社後に扱う商材でロールプレイングしてもらうといったことが多くなります。

選考の一般的な流れ

本章では、多くの企業で行われている採用選考の一般的な流れについて、新卒採用を想定して紹介します。

 

1.書類選考・筆記試験・グループディスカッション

新卒の採用活動では、最初に会社説明会に参加してもらって企業や事業内容を学生に理解してもらい、選考希望者を集める「母集団形成」が行われます。

 

そして、会社説明会に前後して、最初の選考が実施されます。

 

人気企業などの場合、対面での会社説明会の参加枠には制限がありますので、応募時にエントリーシートを提出してもらって通過した人だけを会社説明会に招待するようなこともあります。

 

また、会社説明会の会場でエントリーシートに記入してもらって、それを踏まえて、通過者にだけ筆記試験や適性検査の案内をするといったケースもよくあります。

 

最近は、筆記試験や適性検査はオンラインやテストセンターなどを使って実施されるケースが増えています。

 

また、とくにコミュニケーション系の職種、営業や販売職などで採用する場合には説明会の後半、もしくは別日程でグループディスカッションを実施して、これを一次選考とするケースも多いでしょう。

 

この場合、グループディスカッションの通過者にだけ適性検査を受検してもらう、また、一次面接を案内するといった流れになります。

 

新卒採用の場合には、多くの学生が一斉に活動するため、会社説明会の前後で、いかに足切りをするか、通すべき人をきちんと通して、逆に落とすべき人をきちんと落として時間や費用を効率化するかが重視されています。

2.一次面接

書類選考、適性検査などを通過した応募者に対して面接を実施します。

 

面接回数は企業によってまちまちですが、新卒採用ではおおむね、内定までに3回程度の面接を実施するケースが多いでしょう。

 

ただし、面接対象者が少ない場合、大量採用企業などでは、面接2回で内定出しをするケースもあります。

 

一次面接は、大手や中堅企業では、個人面接ではなく集団面接の形式で実施することで効率化しているケースもあります。

 

個人面接の場合でも、人事が面接官を務めて、コミュニケーション能力や論理的思考、主体性などの基本的な能力や姿勢を軸にして評価しているケースが多くなっています。

 

3.二次面接

続く二次面接では、基本的に個人面接が大半です。

 

二次面接では、一次面接の結果を踏まえて、人事の管理職層や現場のマネージャーや幹部層が面接することが多くなります。

 

基礎能力はクリアしていることが多くなりますので、人柄や価値観をしっかりと把握するためエピソードを深掘りしたり、就職活動の軸、仕事やキャリアへの考え方などをヒアリングしたりすることが増えるでしょう。

 

また、一次面接の結果なども踏まえながら、合格基準を超えている、採用したいと思う学生に対しては、入社したい気持ちにさせる、魅了付けするためのアプローチも実施していきます。

 

なお、会社によっては二次面接と最終面接の間、また、一次面接と二次面接との間などに、現場社員との面談などを入れて、魅了付けのアプローチをより強化する場合もあります。

 

4.最終面接

最終面接では、応募者を採用するかしないか?最終的な合否のジャッジを行います。

 

最終面接まで通過した応募者は、既に書類選考や個人面接を通過してきており、基本的な採用基準は満たしています。

 

従って、最終面接では経営者や役員層などが、経営理念や社風にマッチするどうか、志望度は高いかどうかなどに重きをおいて選考するケースが多くなります。

 

最終面接は、“同じバスに乗って共に働く仲間を選ぶ”面接であり、志望度や人生観、仕事観といったところを中心に聞くケースが増えてきます。

適切な選考方法を決めるための3ステップ

本章では、適切な選考方法を決めるための3つのステップを解説します。

 

1.採用したい人材像を明確にする

採用活動において最初におこなうべきなのは、求める人材像を明確にすることです。

 

求める人材像は、スキルフィットとカルチャーフィット、2つの視点で考える必要があります。

 

スキルフィットはどのような能力、行動特性や性格特性、動機を持っている人材であれば、募集ポジションで活躍できるか、です。

 

中途のキャリア採用であれば顕在的な能力要素や行動特性の比重が強くなり、中途でのポテンシャル採用、また新卒採用であれば、性格特性、動機などの成長素養が重要になってきます。

 

また、カルチャーフィットは、自社の経営理念やミッション・ビジョン・バリューなどに紐づいて、自社の価値観にフィットするかです。

 

組織にとって一番害となるのは“有能で、ミッション・ビジョン・バリューに反する言動をする人材”です。

 

なお、カルチャーフィットは現在の組織風土や文化に馴染むかも大切ですが、これだけだと金太郎飴的な組織、イノベーションや変革が起こらない組織になってしまいます。

 

現在の組織風土と乖離が大きすぎると早期離職の原因になってしまいますが、上記のように目指す組織から逆算して、ミッション・ビジョン・バリューとのフィット度が大切です。

2.明確にした人材像を基に、採用基準を設定する

求める人物像が明確になったら、求める人材像を元に採用基準を設定することになります。採用基準を定める際には、2つの視点で考えるとよいでしょう。

  • MUST要件:必須であり、欠けているものがあれば不合格とする
  • WANT要件:必須ではないが、備えていた場合にプラス評価をする。

選考基準はなるべく具体的にしていった方がよいのですが、必ず定性的な要素が入ってきます。たとえば、主体性、リーダーシップ、論理的思考力などです。

 

定性的な要素が入ってくること自体はまったく問題ありませんが、とくに短いキーワードに関しては、「それが何を意味するか?」を言語化しておくことが大切です。

 

たとえば、“主体性”を選考基準にするうえで、主体性とは何か?そして、どのように見極めるのか?ということの答えが面接官によって異なるとすれば、合否基準が面接官によって異なることになってしまいます。

 

3.選考プロセスごとに、評価項目を定める

採用基準を設定したら、どの選考プロセスで何を重点的にみるのか、どうやって判断するのかを明確にしていきます。

 

例えば、「書類選考ではMUST要件の○○と○○をチェックして足切りする」「適性検査では、MUST要件の数理的思考力と認知力、ストレス耐性をチェックする」「一次面接では、こういう質問を通じて主体性のレベルをチェックする」といった形です。

 

このように選考方法は、「入社後の活躍に必要な要件」⇒「採用基準への落とし込み」⇒「選考方法への落とし込み」という順番で設定していくことが基本です。

 

また、定期的に「採用した人材がすべて活躍しているか?」「参考での評価が入社後のパフォーマンスを予測できているか?」という視点で、いまの選考方法が妥当なのか、ブラッシュアップする余地がないかを検討することも大切です。

企業が選考を行う上で考慮すべき注意点

最後に、企業が選考を行う上で順守すべき注意点について解説します。

 

人権への意識が向上した中で、コンプライアンス等を無視した選考を行うと、SNS上で炎上したり、風評被害につながったりする可能性があります。

 

選考方法の設計にチェック、また各面接官にも周知しておくことが必要です。

 

応募者に配慮した選考スケジュール

採用選考はスピードが重要です。

 

また、企業からすると、「一次面接をこの期間中に終わらせたい」「連続して面接を入れることで面接官のスケジュールを効率的にしたい」「Aさんの面接とBさんの面接、両方を終えたうえで比較して合否を決めたい」といったニーズが生じるものです。

 

こうした自社の都合が強くなるあまり、自社都合で選考日程を学生に押し付けてしまわないようには注意が必要です。

 

「都合が悪いと申し出があった際は日程変更に応じる」「応募者側から予め複数日程の候補をもらう」「選考スケジュールの間が空く場合などは、企業側の事情にも触れたうえで、応募者の状況を確認して了解を得る」など、応募者の都合にも配慮して選考スケジュールを組むことが大切です。

公正な採用選考に準拠して選考を行う

厚生労働省は、採用活動において応募者の適性や能力のみを基準に選考を行うことを求めており、「公正な採用選考の基本」を定めています。

 

https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html
(引用:厚生労働省【公正な採用選考を目指して】)

 

具体的には、以下に示すような「本人に責任のない事項」や「自由であるべき思想信条」などを選考要素にすることは公正な選考を損ね、採用差別等につながる可能性がありますので注意が必要です。

「本人に責任のない事項」
  • 本籍や出生地、家族に関すること
  • 住宅状況や生活環境に関すること
「思想信条に関わる事項」
  • 宗教や支持政党に関すること
  • 労働組合の加入状況や社会運動の活動歴に関すること

また、上記以外にも男女雇用機会均等法などに抵触するような選考基準や採用選考時の身元調査や必要性のない健康診断を受けさせることも不適切と捉えられることがあります。

求職者の個人情報の取り扱い

選考を進める際は、履歴書やエントリーシート、また面接でのヒアリング内容など、応募者から多くの個人情報を入手することになります。

 

職業安定法では、個人情報の取り扱いについて「労働者の募集を行う者は、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、および使用しなければならない」と定めています。

 

また、下記でも採用選考における個人情報の取り扱いが触れられています。

 

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/haken4/1a.html
(厚生労働省「募集内容の的確な表示等に関する指針」)

 

適切な個人情報の取り扱いに違反してしまうと、改善命令が出され、さらに改善命令に従わない場合には、懲役や罰金が科せられてしまうことになります。

 

さまざまなものがIT化されたなかで個人情報の漏洩事件が増え、個人情報の取り扱いに関する敏感性も向上しています。

 

個人情報保護法に基づいて、きちんとした許諾を取っての個人情報の取得、また、取得目的内での利用、個人情報の適切な取り扱いなどがなされるように留意しておきましょう。

まとめ

企業の採用活動において、自社で活躍する人を見極めるための選考方法は非常に大切なものです。

 

選考方法には、書類選考や筆記試験、面接、課題提出、ワークサンプリング、ロールプレイングなど、さまざまな方法があります。

 

日本では、面接偏重の選考方法になりがちですが、自社の活躍要件を見極めるうえで、面接だけで十分かということが考慮すべき視点です。

 

記事内で紹介した通り、「入社後の活躍に必要な要件」⇒「採用基準への落とし込み」⇒「選考方法への落とし込み」という順を追って、適切な見極めが出来るように選考方法を決定していきましょう。

 

なお、選考方法によって「効率化しやすい」「見極め精度は高いが応募者に負荷がかかる」「自社の工数が取られる」といった特性もありますので、こうした選考方法のメリットやデメリットも押さえて、選考方法を組み合わせていくことが大切です。

 

本内容が自社に最適な選考方法を考える参考になれば幸いです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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