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採用方法がマンネリ化しがちな中小企業は、自社の理念やビジョンに基づいたユニークな選考を取り入れてみるのも一つの手です。独自の採用方法を導入している企業や複数の採用方法をうまく活用している企業の事例を紹介します。
LINE株式会社
その人に向いていない業務を任せるよりも、能力が発揮できる仕事や役割を与えた方が、社員にとっても企業にとってもプラスになります。しかし、社会経験が浅い人の中には、「自分にどんな仕事が合うか分からない」という人が少なくありません。
LINE株式会社では、複数のポジションを比較・検討してから選考に進むことができる『ポジションリサーチ』という方法を導入しています。
採用担当者が、応募者の能力や特性を見極めた上でポジションを提案するため、適材適所が実現しますし、応募者にとっても多彩なポジションがある中で応募するハードルが下がる効果もあります。
LINE株式会社では、他にも「今すぐではないが、いつかLINEで働いてみたい」という人に向けた『キャリア登録』や社員の紹介による『リファラル採用』の導入も行うなど、複数の採用チャネルを活用しています。
富士通
富士通では、採用方式に『リファラル採用』と『カムバック採用』を導入しています。リファラル採用は、前述のLINE株式会社をはじめ多くの会社で導入が進んでいる採用手法です。自社社員に友人・知人を紹介してもらう採用手法であり、昔からある縁故採用の進化版といえるかもしれません。
リファラル採用では会社をよく理解した社員の紹介であるだけに、企業のミッションやカルチャーにマッチした人材が確保しやすくなります。また、優秀人材の周りには優秀人材が多いため、転職市場に出てきにくい優秀層を採用しやすい効果もあります。
社員の紹介といっても、富士通の場合は求職者が自分でHPにアクセスして応募をする流れになっており、選考プロセスは通常のキャリア採用と同様です。
また、カムバック採用は、育児や介護などのやむを得ない事情で退職した社員をキャリア採用する再雇用制度です。自社の採用基準をクリアした実績があるわけですし、人柄もよくわかっているため、採用のミスマッチが起きにくく、かつ即戦力としての活躍も期待できます。富士通では、『正規従業員としての勤続が1年以上で、退職後5年以内』の元社員をカムバック採用の対象としています。
スターティア株式会社
新卒の一次面接では、企業は多くの学生と対面して資質を見極める必要があります。しかし性格や人柄、価値観といった内面的要素を、書類と短時間の面接だけで判断するのは容易ではありません。
見極めの方法としてスターティアが導入しているのは『麻雀採用』です。会社説明会・懇親会と同時に麻雀大会を実施し、上位入賞者には『面接フリーパス』を与えるルールです。通常の面接では学生は身構える学生も、長時間に及ぶ麻雀では素の顔を見せてくれます。状況判断力やロジカルな思考を必要とする麻雀を採用したことで、企業が求める人材の獲得に成功しています。
また、『麻雀採用』は一部の希望者にだけ取り入れている採用チャネルですが、ユニークな採用方法としてメディアやSNSで話題になり、会社の知名度アップや採用母集団の増加にもつながる結果が出ています。麻雀採用で入社した社員は、2017年1名・2018年2名・2019年2名・2020年9名…とのことで、求人媒体等の従来チャネルだけでなく、SNSからの応募した人材も含まれているとのことです。
伊勢半グループ
伊勢半グループは、江戸時代から続く老舗の化粧品メーカーで、これまでに数々のヒット商品を世に生み出してきた輝かしい歴史を持ちます。コーポレートブランドのKISS MEでは、2020年の採用方法(新卒者)に『顔採用』を導入し、SNSを中心に大きな話題を呼びました。
一般的に「顔採用」というと顔の美醜で採用を決めるということで批判される対象ですが、伊勢半の顔採用は、面接時の服装やメイクが自由で『自分らしい見せ方を通して、自分を語ってもらいたい』という化粧品メーカーならではの思いが込められた採用方法です。こちらも、SNS経由のエントリーを可能としたことで、応募者数は前年比で倍に増加、伊勢半にそれほど興味がなかった層へのアプローチにも成功しています。
なお話題性のある採用手法を導入する際は、誤解や炎上を招かないようにコンセプトや目的を明確に示すことが重要です。伊勢半では、『容姿の良し悪し』で採用するわけではないことをWebサイトでしっかりと説明しています。