「日本一の星空がある村」に学ぶ【人を残すvol.30】

2020/05/07

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

「日本一の星空がある村」に学ぶ

いつも大変お世話になっております。
株式会社ジェイックの梶田です。

 

新型コロナウイルスの脅威が収まる気配が一向に見えません…。

 

これだけ高度に発達した現代社会で、ひとつのウイルスによって
ここまで混乱と危機の螺旋に陥るとは…

 

3ヶ月前にどれだけの人が予測したでしょうか…。

 

先行きの見通しがきかず、様々な制約がある中で、
多くの企業様が事業活動を懸命に行っておられることと思います。

 

私どもジェイックでも例外ではありません。
今ある資源を有効活用し、この機会にシナジーを生みだせるよう、
社員一丸となって邁進してまいります。

 

そんな中で、希望をもてるお話をひとつご紹介します。

 

私は、出身が岐阜県の多治見市という所です。
濃尾平野の盆地で、夏は暑く、冬は寒い土地ですが、

 

車で少し行くと、旧中山道の宿場町なども残っていて、
なかなかに風情のある街です。

 

昔、父がよく、日帰りで温泉に連れていってくれました。
ただし、飛騨高山や下呂ではありません。

 

おとなり長野県との県境にある「昼神温泉」という温泉郷です。
なんでも旧国鉄のボーリング調査で偶然発見された天然温泉で、
比較的、歴史の新しい温泉街なんだそうです。

 

名古屋市内からでも車で2時間ほどで行けますので、
1980年代には自動車製造関係の団体客など中京圏のお客さんで
ずいぶん賑わい、温泉宿もたくさん出来ていました。

 

1990年代、バブル崩壊以降は客足もすこしずつ減り、
2005年の愛知万博を境に、一気に宿泊客は減少、その後は、
旅館同士で値引き合戦など、負のスパイラルに陥ったそうです。

 

この「昼神温泉」は長野県下伊那郡の阿智村という場所にあり、
同じ地区にはスキー場もあって、冬場はスキー客と温泉客とで、
にぎわっていたのですが…

 

スキーブームも1990年頭をピークにその後10年で半減…、
という極めて厳しい状態だったそうです。

 

時代の変化にともなう娯楽の多様化や景気変動に上手く対応できず、
“観光立村”を掲げていた阿智村から観光客は遠のいていきました。

 

そんな時「昼神温泉」のある旅館の企画担当者が立ち上がります。

 

“このままでは昼神温泉は衰退する、
子供たちの世代に阿智村を渡せないかもしれない”

 

実は阿智村には、温泉やスキー場以外にも重要な資源がありました。

 

もともと、四方を南信州の高い山々で囲まれた阿智村は、
夜空に星が良く見える土地でした。

 

温泉宿がたくさんある昼神地区からは見えづらくなっていたのです。

 

一方で、人工の明かりがないオフシーズンのスキー場山頂の夜空は、
普段とは、まったく違った景色が天空に広がるそうです。

 

実は阿智村は、2006年には環境省により、

 

“日本一星空の観測に適した場所”と認定されていたのです。

 

そこから「スタービレッジ阿智村」構想が現実になっていきます。

 

既存の資源である「温泉」「山頂(スキー場)」そして「星空」。

 

温泉宿とスキー場、そして旅行会社が力を合わせて、
この3つの既存資源を掛け合わせることにより、まったく新しい
観光資源が出来あがりました。

 

“天空の楽園-日本一の星空ツアー”

 

阿智村の夜空には、息を呑むような一面の星の世界が広がり、
訪れた人の多くが、その体験を口伝えで広めておられるようです。

 

阿智村は、今や、多くの観光客にモノやサービスを提供するよりも、
その時、その場所でしか味わえない、

 

“感動体験”を生み出し、それを提供することに成功しました。

 

いかがでしょうか。

 

今、我々が置かれている状況は、かつての阿智村が陥った条件とは
もちろん同じではありません。

 

しかし、

 

いま、自社を変化させて行かねばならない、という動機は同様であり、
我々もまた、その内なる変革を試されているのではないでしょうか。

 

阿智村は、そんな時、自分たちの内なる資源を見つめ直し、
そこから様々なシナジーを生み出しイノベーションを実現したのです。

 

学ぶべきことはたくさんあるように思います。

 

「マネジメントとは資源の再発見である」

 

求められているのが、スピードと変化であるならば、まずは、
これまで培ってきた自社の資源や強みをもう一度見つめ直すことが
必要かもしれません。

 

いかが思われますか?

 

私は、昨年亡くなった父親の供養のためにも、自粛が明ける時には、
父が昔連れて行ってくれた阿智村を訪れてみたいと思っています。

 

そして、私共ジェイックは、
この不測の時代でも、常にお客様に喜ばれる、そして自社の社員が、
前向きに仕事ができる組織であり続けるようチャレンジして参ります。

 

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

株式会社ジェイック
教育事業部ゼネラルマネージャー
梶田 貴俊

著者情報

梶田 貴俊

株式会社ジェイック 西日本代表講師

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として西日本の研修事業を牽引している。

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