第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」とは?
私たちは誰しも自分の人生を成功させたいと願っています。何を成功とするかは人それぞれです。ただ、自分の人生を成功させたい、そのために物事をうまく運びたい、実現させたいと願うのであれば、「何が成功なのか」「何を実現したいのか」を明確にする必要があります。
本章では、第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」と、第2の習慣の本質「すべての物は2度作られる」の意味を解説します。
原則「すべての物は2度作られる」
(スティーヴン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』)
第2の習慣は「すべての物は2度作られる」という原則に基づいた習慣です。
家を建てること想像してみてください。家を建てるとき、始めにやることは、どのような家にしたいか考え、プランを練り、予算や間取りに応じて設計図を描くことです。設計図ができあがって、ようやく実際の家づくりに着手できます。つまり、家を建てるために基礎を作る、一本目の釘を打つときには、すでに「どういう家が完成するのか」は決まっているわけです。
家を建てるにあたって頭の中、そして設計図の上に完成図をつくるステップが第一の創造、知的創造です。そして、描いた頭の中や設計図上に描いた完成形を、基礎を固めて釘を打って実際の形あるものにするプロセスが第二の創業、物的想像です。
もし家を建てるときに第一の創造を疎かにする、つまり、「どのような家を建てるのか?」というゴールイメージが曖昧で、設計図もないままに、建築作業をスタートしたらどうなるでしょうか。
行き当たりばったりで作業を進めるなか、作業工程のいたるところで修正、やり直しが生じるかもしれません。誰も完成図がわかりませんので、それぞれの職人が自分のイメージで仕事を進めれば喧嘩やトラブルは起こりやすいでしょう。費用ばかりがどんどん増えていき、完成したものは満足いく家にならないことも予想できます。
ゴールや目的をしっかり定めずに物事を始めることは、いわば設計図を作らずに家を建てようとすることと同じです。物事をうまく進めたい、事を成し遂げたいのであれば、第一の創造「知的創造」が大切です。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」が意味しているのは、第一の創造の実践です。何かを実施する際には、第一の創造「知的創造」で、頭の中や紙面に目指す目的地やありたい姿を描いて綿密な計画を立てる。そして、「第2の創造(物的創造)」で思い描いたゴールイメージ・構想をもとにして実際の行動に取りかかることが大切なのです。
リーダーシップとマネジメント
第2の習慣は、“リーダーシップ”の習慣であるといえます。ビジネスや組織マネジメントの世界でよく「リーダーシップとマネジメントの違い」というテーマが取り上げられます。組織が向かう方向を定めるのが「リーダーシップ」、定められた方向に向かって効率よく業務を遂行するのが「マネジメント」です。
第2の習慣に当てはめて考えると、リーダーシップは「第一の創造」、マネジメントは「第二の創造」ということができます。まず「終わりを思い描く」「ゴールを決める」リーダーシップを発揮する、そのうえで、描いたゴールに向けて実行をマネジメントするのです。
(スティーヴン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』)
組織、事業活動を行なううえで、リーダーシップとマネジメントはいずれも欠かせない要素です。しかし、コヴィー博士の言葉にあるように、マネジメントを完璧に行なおうとするあまり、リーダーシップがないがしろになってしまうケースも起こりがちです。
多くの組織で、「目的に沿って効率的に目標に到達する戦略を考え実行する」というマネジメントに重点を置いて事業活動が行なわれています。しかし、「何のために組織が存在するのか?」「我々はどこを目指すのか?」といったリーダーシップが最初になければ、どんなに精緻なマネジメントに取り組んでも望む成果を出すことはできないのです。






