エンパシーとは?シンパシーとの違いや高め方、活用方法を解説!

更新:2023/07/28

作成:2022/09/12

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

エンパシーとは?シンパシーとの違いや高める方、活用方法を解説!

エンパシーとは相手の意思や感情を理解する力です。

 

現代は“多様性”や“ダイバーシティー”などがキーワードになっているように、職場等においても様々な立場の人を理解し尊重していくことが、今まで以上に求められるようになっています。

 

記事では、職場やビジネスで求められているエンパシーの概要と、エンパシーを高める方法を紹介します。

<目次>

エンパシーとは?

まずはエンパシーとは何か、シンパシーとはどこが違うのかを解説します。

 

エンパシーとは?

「エンパシー」という言葉は一般にあまり馴染みがないかもしれませんが、“相手の立場になって相手の意思や感情を共有する”という意味があります。

 

日本語に訳すと、最も近いのは「共感」という言葉です。

 

相手の感情や考えを頭で理解するにとどまらず、想像力や心を使って「相手はどんな風に感じたのか?」を共に感じることがエンパシーです。

 

シンパシーとの違い

エンパシーによく似た言葉に「シンパシー」があります。シンパシーは日常でも使われますが、2つの言葉は何が違うのでしょうか。

 

シンパシーは日本語でいうと「同感」であり、「相手への同情、相手の感情に同調する」といった意味です。

 

エンパシー(共感)が、「相手の立場に立って意思や感情を理解し、相手が感じたり考えたりしたことを共に感じる」という行為であるのに対して、シンパシー(同感)は、「相手の感情に共鳴して湧き上がる感情の動き」です。

 

違う角度でいうと、共感は「相手の価値観に基づいて、話し手の気持ちを受け止め、理解しようとすること」であり、同感は「自分の価値観に照らし合わせて、自分も同じ価値観・意見であると、相手の気持ちに同意すること」です。

 

共感が『相手にそうされて、めっちゃムカついたんだね』だとすると、同感は『分かる分かる!それはめっちゃムカつくよね!』です。

なぜエンパシーが求められるか?

ビジネスの世界で、なぜ今エンパシーが強く求められているのでしょうか。その背景を確認しておきましょう。

 

チームワークの創出

ビジネスでは、単独で業務を行うのではなく、チームで取り組んだり役割分担したりすることで、より大きな成果をあげることが大切です。

 

チームワークを創出するためには、メンバー間の良好な関係を保つ必要があります。しかし、チームのメンバーはそれぞれ異なるバックグラウンドを持ち、考え方も感じ方も異なります。

 

冒頭でも記載した通り、多様性の時代となり、自分と異なるバックグラウンドを持つ人と仕事する機会は増えていますし、バックグラウンドが似通っていても価値観が異なることも多くなっています。

 

その時、相手の気持ちを理解しようとするエンパシーの姿勢と能力が無ければ、異なる価値観同士でぶつかりあってしまいます。

 

しかし、エンパシーの姿勢と能力があれば、お互いの“違い”をまずは理解して受け入れる、その上で議論したり相乗効果を発揮したりすることが可能になります。

 

感情労働の増加

技術やITが進化する中で、多くのハードウェアがコモディティ化して、産業のサービス化が進んでいます。

 

ハードウェアそのものは似通ってくるなかで、顧客接点・顧客体験に付加価値が生まれる時代です。同時に物が飽和する中で、サービス業や接客業などの比重も増えています。

 

こうした「顧客接点」を多く持つ仕事というのは、顧客の意思や感情を理解することが大切になります。

 

一方で、必ずしも顧客が自分と同じ価値観を持っているとは限りませんし、常に顧客の感情に同調していては自分に心が疲れてしまいます。

 

だからこそ、同感(シンパシー)と共感(エンパシー)をしっかりと区分して、エンパシーのスキルを身に付けることが大切になってきます。

職場で求められるエンパシー

職場では具体的にどのような形でエンパシーが求められているのでしょうか。

 

職場で求められるエンパシー

職場における人間関係は、さまざまな調査で必ず離職理由の上位に入ってきます。

 

長い時間を過ごす職場で人間関係が悪いと大きなストレス要因となります。

 

また、人間関係が悪い、とまでいかなくても、メンバーがお互いを理解しようとしないチームでは、それぞれが持つ能力を発揮するのは難しくなるでしょう。

 

自分と考えが異なる相手に対して、否定的な言動で対応するのではなく、積極的に耳を傾けて相手の価値観を理解しようとする姿勢が大切です。

 

エンパシーによって相手の考えや感情を理解しようとすることで安心感が生まれますし、理性的なコミュニケーションをする土台が生まれます。

 

心理的な安心感がある職場では、積極的な発言や自発的に改善しようとする動きも増え、仕事の成果にもいい影響をもたらされるでしょう。

 

リーダーに必要なエンパシー

チームに与えられたミッションを達成するために、リーダーはメンバーを効果的に動かし、チームのパフォーマンスを高める責任を担っています。

 

“メンバーを効果的に動かす”と書きましたが、リーダーがメンバーに対して一方的に指示を出して動かすやり方では、パフォーマンスや成果には限界があります。

 

メンバーが持っている能力をしっかりと発揮してもらうためには、両者の間にしっかりとした信頼関係を作り、メンバーの主体性を引き出すことが必要です。

 

リーダーに対する信頼感があることで、リーダーからの指示にもメンバーの納得感が生まれ、成果を出そうと能力を発揮し取り組むようになります。

 

また、成果創出に向けて自らの意見や提案も述べるようになるでしょう。

 

「人は自分を理解してくれる相手のために動く」と言います。メンバーを動かして成果を出すために、相手の感情や考えを理解するエンパシーはリーダーには必須の能力と言えるでしょう。

ビジネスで生かせるエンパシーの考え方

近年のビジネス活動では、エンパシーの考え方が様々な場面で必要とされています。

 

営業活動

営業の現場において、営業パーソンが一番に求められることは、顧客との信頼関係を築くことです。

 

商品・サービスがコモディティ化している現在、製品やサービスの性能だけで購入に至ることは少なくなっています。

 

だからこそ、顧客が営業パーソンに対して「この人の言うことなら間違いない」「この人なら問題解決までしっかりとサポートしてくれる」と思ってもらえる関係を構築することが大切です。

 

顧客の悩みを自分事として理解しようと耳を傾け、解決のために尽力する姿勢によって、顧客からの信頼を得ることができます。

 

顧客からの信頼を得たうえで課題解決の提案をすれば、商談のステップがスムーズに進むでしょう。このように、エンパシーは営業パーソンが成果をあげるうえで非常に重要な能力です。

 

マーケティングとエンパシー

前述のように商品が市場にあふれる現代においては、性能やスペックの差別化だけでは購買につながらなくなっています。

 

顧客の悩みをきちんとくみ取って「自分のための商品だ」「自分の悩みを解決してくれるサービスだ」と感じてもらえなければプロモーションはうまくいかないでしょう。

 

従って、マーケティングやプロモーションの実施に際しても、エンパシーは重要です。

 

商品開発とエンパシー

かつては、マーケットに商品が十分になく、品質のいい商品や他の商品を上回るスペックの商品を提供すれば、顧客に購入してもらうことができました。

 

しかし、マーケットが成熟した今日では、技術がどんどん進化し、商品の品質やスペックだけは顧客の購入につながらないことが増えました。

 

この状況を打破するために「デザイン思考」といった、新しい商品開発の手法を取り入れる企業が増えています。

 

デザイン思考においては、ユーザーに共感して理解することが重要なプロセスとなります。

 

市場にインパクトを与える画期的な商品を開発するには、企業の都合を排除し、徹底したユーザー視点、つまりユーザーに対してエンパシーを発揮する姿勢が求められています。

エンパシーは高められるか?

エンパシーはトレーニングなどで高めることができる能力です。本章ではエンパシーを高める方法を紹介します。

 

エンパシーは高められるか?

エンパシーは相手の立場になって気持ちや考えを理解し、何を考えるかを想像する能力です。

 

人によってはそれまでの育ってきた環境や経験から、すでに高いエンパシーを備えていることもあるでしょうが、トレーニングによって意識的にエンパシーを高めることも可能です。

 

エンパシーは想像力を用いた知的な能力ですので、感受性や想像力を高めるトレーニング、日常生活における心がけ、相手に対する姿勢を意識することによって鍛えることができます。

 

エンパシーを高める方法

エンパシーの能力を高めるために重要なポイントとなるのが、相手を理解しようとすることです。

 

「傾聴」の姿勢を持って相手とコミュニケーションすることが大きな助けとなるでしょう。

 

相手の話を評価したり否定したりせず、肯定的な関心を持って理解しようとすることが大切です。

 

相手が話している背景には何があるのかを想像する、また相手の視点で物事を解釈することがトレーニングになります。

 

冒頭で紹介した通り、エンパシー(共感)とシンパシー(同感)は全く異なるものです。

 

エンパシーを発揮する上では、自分の価値観を置いておいて、相手の価値観に沿って相手の体験を追体験するような傾聴力をつけることが大切です。

 

また、小説や映画を鑑賞する際に、登場人物の立場になって感情や考えを想像し、なぜこう感じてこのように行動するのかを考えてみる、電車の中にいる人を観察して相手のバックグラウンドや好み・考え方を想像してみる、といったこともエンパシーを高めるよい訓練になるでしょう。

エンパシーを職場に定着させる

職場にエンパシーを定着させるにはどうすればいいでしょうか。最後に職場におけるエンパシーを定着させるポイントを紹介します。

 

リーダーの育成

職場の習慣や人間関係、雰囲気といったものは、上に立つ人間に大いに左右されるものです。

 

経営層・管理職層が、傾聴の姿勢を示し、メンバーの考えや感情を理解しようと努めることでメンバーの中に「自分の存在が認められている」「自分を理解してもらえている」という心理的な安心感が生まれます。こうした安心感が、メンバーの「相手を理解しようとする」心の余裕につながります。

 

全社員研修

リーダーの育成とともに全社員研修を実施することも有効です。

 

例えば、「人は異なる価値観を持ち、同じ物事を見ても異なるように解釈する」というパラダイムの概念、また、エンパシーとシンパシーの違い、傾聴のスキルを伝える研修などを行うといいでしょう。

まとめ

最近、エンパシー(共感)の能力が、ビジネス現場で重視されるようになっています。

 

エンパシー(共感)は、シンパシー(同感)とはまったく違う概念ですが、意外と理解されていないことも多かったりします。

 

エンパシーによって、相手の気持ちや意思に寄り添う姿勢は、社内外で信頼関係をつくることにつながります。

 

また、社内でのチームワークはもちろん、顧客との商談、また、マーケティングやプロモーションにも生かせる能力です。

 

生まれ育った環境や特性によって、元から高いエンパシーの能力を持っている人もいますが、エンパシーは後天的に研修やスキルによって鍛えられる能力です。

 

リーダーの育成や全社員研修を通じて、エンパシーの能力を職場に広げれば、個人や組織の生産性向上につながります。

 

HRドクターを運営する研修会社ジェイックが提供する「7つの習慣🄬」研修は、エンパシーの概念や効果、また実践方法を社内に広げる際の強力な効果があります。

 

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著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

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