デザイン思考とは?
まず、デザイン思考とはどのような思考法なのか、デザイン思考が提唱されるようになった背景も含めて紹介します。
デザイン思考の意味
デザイン思考というと、クリエイティブな仕事する人だけに必要な思考だと思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。仕事の領域に関係なく活用できる思考法として、アメリカのデザインコンサルタント企業IDEOが提唱し、世界に広まったものです。
デザイン思考が考える「デザイナーの仕事」は、ユーザーの求めているものを徹底的に考え、誰がどういった目的で利用するのか、そのときに求められる機能と使い心地等を頭に置いたうえで、実際のデザインとして形にしていくことです。
このようなユーザーを起点に構築するデザイナーの思考法こそがデザイン思考であり、他の領域にも応用することで、デザインの仕事だけでなく商品開発やサービスの設計、あるいはビジネスモデルの構築、ひいては事業経営全体に活かせると考えられています。
アート思考との違い
デザイン思考と似た言葉で「アート思考」という単語があります。ぱっと聞くと違いが分かりづらいかもしれませんが、「デザイン思考」と「アート思考」には明確な違いがあります。
アート思考とは、アーティストが持つ思考法を取り入れることです。では、アーティストの思考法とはどのようなものなのでしょうか。
アーティストは「自己の探求」がスタートラインであり、常識や既存の枠組みにとらわれず、表現の欲求を追求することで今までにないものを生み出します。既存のものにとらわれない、自由な発想で新しいものを生み出すアーティストの思考法をビジネスに活用するのがアート思考です。
一方で、デザイン思考は、起点となるのは「ユーザー」です。ユーザーのニーズを深堀りして、潜在的に求めているものを探っていきます。この点が、自己の欲求を見つめるところから、既成概念をはずして革新的なアイデアを生み出すアート思考との大きな違いです。
デザイン思考が注目される背景
デザイン思考が注目される背景には、社会や市場の変化が大きく関係しています。過去の商品・サービス開発というのは、ユーザーのニーズを分析して「企業側からの提案」として商品を提供することが一般的でした。商品の目新しさや高機能を打ち出すことで、ユーザーに購入してもらっていたわけです。
しかし市場に商品・サービスがあふれるようになった中で、こうした商品開発は次第に通用しなくなってきています。企業の提案がどうであっても、ユーザーとして商品・サービスが自分の求めているものか、自分にとって心地いいものかが、商品を選ぶ際の大きな要因となっています。
市場の変化に対応した商品開発が求められている中で、企業では、これまでの企業主導の発信を、ユーザー主導に変化させようとしています。
これまでも顧客第一といった考え方はありましたが、商品・サービスの開発~設計・提供にいたるまで、もっと深く顧客と向き合い、表面に現れていないニーズもつかみ取って形にして、さらに進んだユーザー体験を提供することが求められています。
その結果として、デザイン思考の概念を商品・サービス開発、事業開発、カスタマーサクセス、デザイン等の分野で取り入れる企業が増えているのです。






