株式会社Re-grit Partners|社員一人ひとりがCxOを目指す、“やり抜く組織”のリアル

更新:2025/09/04

作成:2025/08/14

戦略・業務・テクノロジーを横断し「構想から実装・成果創出までクライアントに伴走する」コンサルティング事業を展開するリグリットパートナーズ。

 

Great Place to Work® Institute Japan「働きがいのある会社」ランキング(中規模部門)でベストカンパニーに選出され、表彰式では注目企業として登壇も果たしました。急成長を続ける中で、社員の「キャリア安全性」と「心理的安全性」の両立をどのように実現しているのかを、代表取締役社長 山木 智史様に伺いました。

 

会社情報

会社名:株式会社Re-gritPartners(リグリットパートナーズ)
設立:2017年8月7日
従業員:450名

 

総合コンサルティングファームとして、企業変革(Corporate Transformation)を実現すべく、「Strategy Consulting(経営戦略・事業構想)」「Management Consulting(業務・組織変革)」「Technology Consulting(テクノロジー実装)」の3領域を軸に、構想から実行・成果創出までを一貫して支援。単なる助言にとどまらず、クライアントの一員として伴走し、事業の成長と組織の進化を両面から推進している。

 

<目次>

Q.貴社の事業内容について教えてください

山木様:大学卒業後、私はベンチャーから大手まで、外資・内資問わず様々なコンサルティングファームで経験を積んできました。そのなかで感じた、“良い戦略を描いても、実行されなければ意味がない”という課題意識から、2017年にRe-gritPartnersを創業しました。

 

当社は、戦略・業務・テクノロジーの3領域を横断しながら、構想から実行・成果創出までを一気通貫で支援する総合コンサルティングファームです。単なるアドバイザリーにとどまらず、クライアントの一員として事業や組織の変革に深く入り込み、伴走することを大切にしています。

 

また、プロフェッショナル人材のマッチングを行うマッチングサービス(タレントプラットフォーム)も展開しており、フリーランスのエンジニアやコンサルタントが多数登録しています。

 

こうした外部プロフェッショナルとのネットワークを活かし、クライアントのニーズに応じて柔軟に体制を構築できるのが強みです。例えば、特定領域に特化した小規模なテーマや、スピードが求められる案件などにも、小回りの利く支援が可能です。

 

さらに近年では、事業の競争力を高める多様な変革を伴走型で支援すべく、コンサルティングにとどまらず、プロトタイプの開発や導入までを担う“行動ドリブン型”のデジタル支援にも注力しています。

 

単にパワーポイントで提案して終わるのではなく、クライアントの構想をテクノロジーの力で具現化し、継続的な成果創出にまで責任を持って伴走しているのが特長です。

 

Q.貴社の社名に強い意志が感じられました

山木様:はい、「Re-grit」という名称には、再構築・再生を示す“Re”に、“Grit(やり抜く力)”を重ねています。当社は2017年に創業しましたが、その当時はDXという言葉が走りはじめた頃でした。

 

クライアントの多くが第三創業期に差し掛かったときでもあり、改めてクライアントのためにGRITしていこうと決意したことを覚えています。「クライアントも頑張らなければいけないフェーズで、自分たちもGRITしてやり抜かなければならない」と、決意を社名に刻みました。

 

コンサルティング業界はクライアントに問題解決を提供するという、アドバイザリーという色合いが強い職種です。しかし当社は、テクニックやフレームワーク以上に「結果が出るまで手を動かし続ける姿勢」を重視しています。

 

社会で活躍するホワイトカラーの多くが、クライアントの問題解決を主な業務としていますが、特にこの業界はそこに対する意識が弱く、契約段階で逃げてしまうようなことも少なからず見受けられます。我々は業界のアンチテーゼとして提唱し、最後までやり抜く姿勢を見せ続けていきたいと思います。

 

Q.そうした姿勢を貫き会社は急成長してきましたが、成長過程でどのような壁に直面しましたか?

山木様:当社にも、100人・300人といった規模拡大の節目は当然ありました。しかし、私が特に意識してきたのは「時期尚早の壁」です。

 

例えば、「このタイミングでの大量採用は早すぎる」「未熟な人材にここまで任せるのはリスクだ」といった考え方です。こうした“自分たちで成長の可能性を閉じる思考”が、挑戦や投資のタイミングを遅らせ、結果として会社の成長を阻害します。

 

もし、創業から5~10年かけて100人規模になるか、1~2年で100人規模になるかを選ぶなら、私は迷わず後者を選びます。どの道、同じ壁にぶつかるのであれば、早くぶつかり課題を顕在化・解決した方が、より速い成長が見込めるからです。こうした「時期尚早の壁」とは今も戦い続けており、それが成長のカギになっています。

 

また、知識やノウハウは蓄積されても、全てを活用できるわけではありません。むしろ、あえて課題に直面する場をつくることで、初めて組織も人も成長できます。難易度の高いプロジェクトはもちろん、少し歪みがある環境に挑むことも、社員にとって大きな糧となると考えています。

 

「成長のために社員の可能性にかける」ということは多くの会社で発信されていますが、一方でその覚悟を社員にも持たせることが重要だと考えています。

 

例えば上司との関係やプロジェクトがうまくいかない中でも成長したいというメンバーがいれば、その成長のためのトレードオフをちゃんと理解しているかどうか、その覚悟を必ず確認するようにしています。会社が成長するには、自分自身にも責任があることを明確に伝えることが大切でしょう。

 

Q.コンサルティング業界特有の組織づくりについて教えてください

山木様:当社の組織づくりには、大きく2つの特徴があります。

 

1つ目は、ワンプール制の導入です。

 

一般的なコンサルティングファームでは、産業別またはサービスや職種別にビジネスや部門を形成して組織運営していますが、当社ではワンプール制でアナリストからパートナークラスまで全てのコンサルタントが同じ部門に所属することで、広い知識を得られ、業界ごとに得意とするコンサルタントとの連携が取りやすくなるようにしています。

 

私もこれまで外資系ファームで業界別またはサービスや職種別でのコンサルティングを経験しましたが、ワンプール制にみられる多様な経験ができるメリットを期待しにくいと感じました。片やワンプール制であれば、さまざまな業種や職種を知り、業界ごとの違い・特性をより広く理解しながら、専門性を獲得しやすくなるだろうと選択しました。

 

2つ目は「コンサルティング+1」という取り組みです。

 

「コンサルティング+1」は、通常であればパートナークラスが担う事業開発・採用・マーケティング・PR・研修といった組織運営を、社歴や役職に関係なく経験できる仕組みです。

 

プロジェクトワークだけでなく「会社をつくる」活動にも主体的に関わる機会を提供することで、社員はコンサルタントスキルに加えて、「事業運営」の視点を養うことができます。

 

「コンサルティング+1」制度は、「クライアントの変革を支援する会社である以上、自らも変化を続ける組織でなければならない」という当社の価値観を体現しています。

 

Q.「コンサルティング+1」とは、どのような取り組みなのでしょうか?

山木様:コンサルティング業界には、スタッフが「事業を動かす」ことに対する解像度が低いという構造的な課題があります。

 

実際の現場では、若手のうちからクライアントの部長や役員クラスと対峙し、大企業の問題解決を担うことも珍しくありません。にもかかわらず、若手のうちに“売り物をつくる”“ソリューションを売る”“仲間を集める”といった、ビジネスの根幹に関わる経験を積む機会は非常に限られています。

 

こうしたギャップを解消するために生まれたのが、「コンサルティング+1」です。プロジェクトワークに加え、採用やマーケティング、広報、オファリング開発、社内の仕組みづくりなど、会社をつくるもう一つの仕事にも若手のうちから主体的に関われる仕組みです。

 

例えば、営業は本来パートナークラスが担う領域ですが、その一部をスタッフに任せることもあります。パートナークラスの思考や振る舞いに触れながら、自らも視座を上げていける機会になると考えています。

 

この制度の目的は、単なるコンサルタント育成にとどまりません。将来、事業会社への転身や起業を志す人材にも通用する“実際にビジネスを動かす力”を磨ける環境を整えることにあります。

 

コンサルティングを軸にしながらも、会社経営の実務に触れることで、どんなフィールドでも活躍できる人材になってほしい。そんな思いを込めて、「コンサルティング+1」を制度化しています。

 

Q.リーダー育成における、貴社のビジョン「CxOfirm」についてお聞かせください

リグリット山本様②

 

山木様:「CxOfirm(1,000人のCxOを輩出する企業へ)」の構想において、ここで示すxには「CEO・COO・CFO・CMO」など、経営を担うあらゆるポジションが含まれています。

 

しかし、本当の意味でマーケットで活躍するCxOはこの業界ではまだまだ少ない状況です。コンサルティング業界には、課題解決を助言するアドバイザリーは多い一方で、事業そのものを立ち上げ、運営できるリーダーは数が限られています。当社は後者である、「本当の意味で価値を生み出せる人材の育成」を目指しています。

 

そこでどんなコーポレートスローガンがふさわしいかを考え、入社してきた人たちが、当社で自身のポテンシャルに気付き、それを開花させてCxOになっていく。そんな人材が1,000人生まれる会社にしたいという想いから、「CxOfirm」というビジョンが生まれました。

 

社内での成長プロセスとしては、スタッフがパートナークラスに昇進し、やがてファームを運営する立場になることもひとつのCxOのあり方です。さらに、カンパニープレジデントとしてP/L責任を持ちながら事業を率いていく人材も出てきています。

 

もちろん、社外でCxOとして活躍する選択肢も歓迎しています。私たちが用意できない機会があるなら、外に出るのも自然な選択ですし、そこで得た経験やネットワークが将来的に新たなパートナーシップにつながることもあるでしょう。

「この会社で働いたからこそ、いまの自分がある」
「ここでの経験が、自分の才能に気づくきっかけになった」

そう語ってくれる人材を、一人でも多く輩出する企業でありたい。その思いを明確に言語化したのが、「CxOfirm(1,000人のCxOを輩出する企業へ)」というビジョンです。

 

Q.一方で、社内で長く活躍するミドルパフォーマーについてはどうお考えですか?

山木様:もちろん、CxOを目指すのではなく、コンサルタントとして現場で専門性を磨き続けたいという人もいます。それもまた一つの正解であり、どんなキャリアも選択できる組織でありたいと考えています。

 

そのために当社が重視しているのが、「キャリア安全性」です。心理的安全性はすでに多くの企業が取り組んでおり、ある程度整備されている場合が多い。しかし、キャリアの展望を持てるかどうか/成長実感を得られるかどうかといったキャリア安全性こそが、ミドルパフォーマーにとっての真の安心感につながると考えています。

 

だからこそ、「コンサルティング+1」のように、本人の意思で領域を広げ、挑戦できる仕組みを整備してきました。新しいチャレンジによって得られる“成長実感”こそが、長く輝き続ける力になると信じています。

 

私は「10打数0安打でも、本気でバットを振り続けた人を称えるべきだ」と思っています。そうした一生懸命に挑み続ける人は、きっと次には得点できるようになるはずです。一方で、0打数0安打のまま、人の失敗を笑うような人もいます。そうした人たちを見逃さず、努力している人がきちんと報われる会社にしたいと考えています。

 

会社の規模が大きくなるにつれて、私自身がすべての現場に目を配ることは難しくなっていきます。だからこそ、リーダーの育成や制度設計を充実させ、一生懸命な人にスポットライトが当たる組織をつくっていきたいと思っています。

 

ミドルパフォーマーが安心して挑戦し、専門性を磨き、納得感のあるキャリアを歩んでいける環境を整えること。それが、CxOを志す人材と並んで、当社の成長を支えるもう一つのエンジンになると信じています。

 

Q.新卒社員の育成方法と、求める人物像についてお聞かせください

山木様:世の中には「新卒だから未熟」といったアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)がまだ根強くありますが、まずはその前提を見直したいと思っています。

 

当社に入社する新卒社員は、本当に狭き門をくぐり抜けてきた優秀な人材ばかりです。大手ファームの内定を辞退して入社した人、学生時代から業務委託で実務経験を積んできた人、自ら事業を起こしていた人などもおり、場合によっては中途入社の方以上の即戦力となるケースも少なくありません。

 

だからこそ、「新卒だから」と過度にハードルを下げるような扱いは意味がないと考えています。大切なのは、新卒であってもプロフェッショナルとして接すること。丁寧にフィードバックやフォローは行いながらも、基準は下げない。それが育成における重要なスタンスです。

 

例えば近年、当社では生成AIの活用が進んでいますが、その先頭に立っているのは新卒社員です。彼らはデジタルネイティブとして、学生時代から生成AIに親しんできた経験があります。だからこそ、職位に関係なく最もスキルのある人がリードする——そうした考え方を「スキルリーダーシップ」と呼び、組織文化として大切にしています。

 

もちろん、総合的な判断にはシニア層の知見も不可欠ですが、役職ではなく専門性で前線に立つ人材を評価する風土があります。

 

このように、当社では社員全員に均等な機会があります。ですので、「将来、何者かになりたい」という強い意志を持った人には非常にフィットする環境だと思います。

 

ただし、それには当然トレードオフも伴います。プロとして結果を出し続けるのは簡単ではありません。継続的な努力や、それを支える環境(人・仕事の内容など)も必要です。

 

大切なのは、自分自身がコツコツ努力を続けられるか。そして、その努力を支えるだけの志や熱量を持っているかどうか。そんな想いがある方には本当にマッチした会社なので、おすすめします。

 

Q.今後の組織づくりについて、展望などお聞かせください

山木様:まず前提として、“無目的な組織づくりをしない”ことが非常に重要だと考えています。「やった方が良さそうだからやる」ではなく、むしろ“やってはいけないことを明確にする”ことが、良い組織づくりの出発点になります。

 

もう一つ重視しているのが、一人ひとりが職位を超えて意思決定する力を養うことです。日本の職場では、「とりあえず上司に確認する」ことが習慣化してしまっているケースが多くあります。しかし、ある程度の仕事の進め方や判断は、実は自分で決められるはずなんです。もちろん、ガバナンスやコンプライアンス上、確認すべきことはきちんと確認すべきですが、「なんとなく上に聞く」という姿勢は、CxOとしての成長を自ら遠ざける行為だと捉えています。

 

リーダーになるうえで不可欠なのは、意思決定の「質」ではなく「量」から始まる経験です。回数を重ねることで精度が上がり、スピードも上がる。だからこそ、日常の小さなことから自分の責任で判断していく習慣が、結果的に大きな成長につながると考えています。

 

そして会社側も、「なんでも確認しなさい」といったミスリードをしないことが大切です。組織をつくるとは、単にチームの枠組みを整えることではありません。一人ひとりが役割と責任を持ち、自ら考え、挑戦できる状態をつくることが本質だと思っています。

 

リグリット山本様①

 

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