オープンマインドが得意な人もいれば苦手な人もいます。しかし、ある程度のオープンマインドは意識して鍛えることで、誰もが持つことができます。
オープンマインドを鍛えるためには、まずオープンマインドを妨げる要因を知っておくとよいでしょう。誰の心の中にもオープンマインドを妨げる要因は潜んでいます。妨げる要因を知っておくことで、理性的に心の動きをコントロールすることが容易になるでしょう。
他人からの評価を気にする心理
誰しも「自分を否定されたくない」「他人から良く見られたい」「他の人からどう評価されているのか気になる」といった心理があります。
こうした心理は、ありのままの自分の本心を隠し、相手の評価を気にした情報だけを開示することにつながります。
たとえば、部下が自分の評価に響いてしまうのを恐れて評価者である上司に本音を言えなくなったり、上司も「部下からバカにされてはいけない」と自分の弱い部分を隠そうとしてしまったりすることは自然な心理です。
何もかもオープンにしてしまうと身に危険が及ぶ、マイナスに働くのではないかという恐怖心や不安がオープンマインドになる上でブレーキになってしまいます。
村社会の影響
他人からの評価を気にするのが社会的動物である人間の自然な心理だとすれば、日本の場合、いわゆる「村社会」と呼ばれる文化がその心理に拍車をかけます。
村社会の中では、有力者を中心として厳しいルールが作られ、空気を読みながら献身的に働くことを強要されます。
ルールを守らない、あるいは知らないよそ者は排除されるという“村社会”的なコミュニティに所属してしまうと、自己開示することがリスクになってしまうこともあります。
村八分にされてしまうことを恐れるあまり、なるべく目立たずに“異分子”にならないように振る舞うようになってしまいます。いわゆる“同調圧力”も村社会で発生しやすい文化のひとつです。
バイアスによる影響
無意識下における思考や判断の偏りであるバイアスも、オープンマインドの妨げになります。
たとえば、自分とどれだけ似ているのか、共通項があるのかで敵・味方を判断してしまう「類似性バイアス」が働いてしまうと、自分と似ている部分や共通項が無いというだけで相手を無意識的に敵だと判断してしまいます。
こうして敵であると認識してしまった相手に対しては嫌悪感を抱きやすくなってしまい、良好な関係を構築するのが難しくなってしまいます。
また、自分が所属する組織やグループを他の組織やグループよりも高く評価してしまう「内集団バイアス」が働いてしまうと、身内ばかりをひいきするようになってしまいます。
その他にも変化を拒んでしまう「現状維持バイアス」というものも知られています。自分にとって安定した状態を維持し続けようとするあまり、変革が必要な場面においても、それを拒んで従来からのやり方を踏襲しようとしてしまうというバイアスです。
こうしたバイアスは、判断スピードを速め生き延びるためのフィルターとして人間に備わってきたものです。従って、バイアス=悪いというわけではありませんが、一方で、こういったバイアスは無意識下で働くため、本人も自覚していないところでオープンマインドを妨げてしまう要因ともなり得ます。
他人に対する無関心や不信感
他者のことを積極的に理解しようという姿勢が欠如すれば、他者に対して無関心になったり、不信感を抱きやすくなったり、他者に対して心を閉ざしがちになります。
知らない人に対して警戒すること自体は、我々が原始の時代から持つ本能であり、これもバイアスの一種です。
ただ、とくにビジネスにおいては多種多様な人と共に働き、素早く信頼関係を作ることが求められる中で、これがオープンマインドを妨げる要因となってしまいます。