
タイムマネジメントは生産性を上げるための時間管理です。以下では、タイムマネジメントの効果を高める5つのポイントをご紹介します。前半は業務効率を高めるポイント、後半は時間管理の本質的な内容に迫ります。
業務効率を上げる
タイムマネジメント力を高めるためには、時間の使い方が大事ですが、同時に業務効率を上げることも重要です。時間配分等をうまくできたとしても、業務効率が低ければ、生産性向上には限界があります。
例えば、経理の消し込み処理や請求書発行等の事務作業は、最適な業務手順を標準化することでスムーズかつ高品質に行なえるようになりますし、後々アウトソーシングや自動化するうえでも役立つでしょう。
また、パソコンのショートカットキー等を使いこなすことも大切です。会議等に関しても、まずは会議自体の生産性を高める事前準備や進行が大切です。また、集中力を持続させるためにこまめに休憩を入れたり、自分の集中しやすい時間帯を把握したりして、提案資料の作成や企画等の考える作業に集中することも効果的です。
自分の時間の使い方を記録して振り返る
時間を管理するうえでは、自分がどのように時間を使っているかを知ることが必要です。世界的に有名な経営学者 ピーター・ドラッカーは、「経営者の条件」という著書のなかで「時間を何に取られているかを明らかにすることから始めるべき」としています。
つまり、時間を記録することでどれだけ無駄にしている時間があるかを把握でき、タイムマネジメントを実践できるということです。
<自分の時間の使い方を知る方法>
- 1.時間の記録をする:手帳やスマートフォン等を使って時間の使い方をリアルタイムに記録する。
- 2.時間の整理をする:何の成果も生まない仕事や自分でコントロールできる時間の無駄遣いを排除する。
- 3.時間をまとめる:すきま時間や自由に使える時間をまとめて、連続したまとまった時間を作る。
仕事を見直す
生産性を高めるためには業務プロセスを見直すことも大切です。業務改善にあたっては、ECRSの原則が効果的です。排除(Eliminate)、統合(Combine)、交換(Rearrange)、簡素化(Simplify)の順で業務改善を検討していくことで、大きな改善効果が期待できます。
<ECRSの原則>
- 排除(Eliminate):作業をやめられないか?工程や目的そのものに意味があるか?
- 統合(Combine):別々で行なっている作業や工程を一つに統合できないか?複数人で行なっている作業を1人でできないか?
- 交換(Rearrange):作業や工程の順序を入れ替えられないか?自部門や他部門へ業務移管したらどうか?
- 簡素化(Simplify):作業をもっと簡単にできないか?ツールや自動化で効率的に作業できないか?
重要性が高いことに時間を使う
タイムマネジメントを実践するためには、優先順位を意識して時間を使うことがとても重要です。優先順位の高い業務に多くの時間を使い、優先順位の低い業務には時間を割かないようにしましょう。
仕事の優先順位を決める際は、まず「重要事項」と「緊急事項」の2つの軸で仕事を分類する考え方が非常にわかりやすいです。
Step1:仕事を2つの軸で分類
- 重要事項:大事な目標の達成、価値観やミッションに貢献する活動
- 緊急事項:すぐに対応しなければならない活動
Step2:マトリックスを使って4領域に分類
| 緊急 | 緊急ではない |
| 重要 | 【第1領域】 ・締め切り直前のタスク ・クレーム対応 など | 【第2領域】 ・人間関係 ・予防行為 ・準備、計画、改善 ・自己成長 ・息抜き |
| 重要ではない | 【第3領域】 ・無意味な電話、メール対応 ・突然の来訪 ・無駄な会議 ・無意味な報告書 | 【第4領域】 ・暇つぶし ・必要以上の息抜き ・世間話 ・そのほか、無意味な行動 |
第1領域は緊急かつ重要な仕事ですので、必須で実行する必要がある領域です。しかし、第1領域にばかり追われると、疲弊から第4領域へ逃げたくなってしまいます。第1領域の活動を増やさないためには、第2領域の活動が重要です。
前述した「仕事の見直し」や「時間の使い方を記録して振り返る」、また「未来への投資や打ち手」「人材育成」といった第2領域のタスクを実施することで、第1領域を増やさないことが大切です。
また、第3、第4領域を増やさないためには、相手に「No」を言う勇気も必要です。自分がなすべきミッションや目標を明確にして、重要でない頼まれ仕事にはNoと言ったり、他の人に依頼してもらうように伝えたりすることも大切です。
効率性と効果性を区分する
タイムマネジメントで生産性を上げようとすると、どうしても効率に注目してしまいがちです。もちろん作業効率や時間効率を高める取り組みは重要です。しかし、効率を高めるだけの取り組みで生産性を高めることには限界があります。
タイムマネジメントの目的は、生産性を高め、個人や組織としてより高い成果を長期的・継続的に得ることです。そのため効率性だけでなく、効果性も重視する必要があります。
例えば、研修や会議の冒頭で行なうアイスブレイクや職場メンバーとの雑談は、一見無駄に思える時間ですが、じつはチームビルディングにつながったり、会議の生産性を高める心理的安全性を生み出すことにつながっていたりします。
特に、良い人間関係や心理状態を作ったり、人材育成したりするための取り組みは表面的な効率性だけでは判断できない部分もあります。効率性だけでなく、効果性を考えながらタイムマネジメントを行なっていくことが大切です。
また、生産性とは「アウトプット÷インプット」で定義されます。効率性を上げる取り組みは得てして、「同じアウトプットを短時間で実施する」方向に偏りがちです。生産性を高めるうえでは「同じアウトプットを短時間で生み出す」ことも重要ですが、「アウトプットの総量を増やす」ことにも意識を向けましょう。