シニアアドバイザーとは?シニア社員のモチベーション向上に役立つ役職・肩書を紹介

更新:2022/09/01

作成:2022/09/01

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

 2021年4月の改正高年齢者雇用安定法で、70歳までの就業機会の確保が、企業の努力義務となりました。今後、少子高齢化が進むなかで、義務化はさらに進むことも予想されます。それに伴って、高年齢者の雇用が必要な企業では、シニア社員を高いモチベーションで活躍させる仕組みづくりが求められるようになっています。

 こうしたなかで注目されているのが、シニアアドバイザーという役職・肩書です。記事では、シニアアドバイザーとは何かの基礎知識を確認したうえで、シニアアドバイザーに期待したい役割、シニア社員を活かすために意識したい取り組みを紹介します。

<目次>

シニアアドバイザーの基礎知識

 まずは、シニアアドバイザーの概要と、こうした役割・肩書が必要とされる背景、メリットを確認しましょう。

シニアアドバイザーとは?

 シニアアドバイザーは、法律用語などではありません。シニア社員ならではの豊富な知識や経験を生かして、実務の一部とアドバイザー的な役割を担う役職・肩書をシニアアドバイザーと呼びます。

シニアアドバイザーのポジションが必要とされる背景

 2021年の高年齢者雇用安定法の改正によって、70歳までの従業員に就業機会を確保するための策を講じることが、企業の努力義務になりました。この努力義務は、高年齢者就業確保措置と呼ばれます。

 なお、2013年の制度改正では、定年を迎えたシニア社員に継続勤務の意思があった場合、退職後も新たに雇用契約が結べる定年後再雇用という継続雇用制度も始まっています。

 こうしたさまざまな制度によって、今後の日本企業ではシニア社員を活躍させる仕組みが求められるようになっています。

 近年、今まで課長や部長などの管理職だった社員を一定年齢で役職から外し、一般職・専門職などの形で処遇する役職定年制を導入する企業も増加傾向にあります。企業が役職定年制を導入した場合、シニア社員は一定年齢で課長や部長などの役職から外れ、役職手当などもなくなるのが一般的です。

 そのため、シニア社員の働くモチベーションやエンゲージメントを保ち活性化させるためにシニアアドバイザーなどのポジションや役割を与えることが、一つの方法として注目されています。

シニアアドバイザーという役職・肩書を付与するメリット

 シニアアドバイザーという役職・肩書を付与することには、役職定年制によって管理職ではなくなったシニア社員のモチベーション向上、貢献意欲の上昇などに寄与する可能性があります。

 また、新たな役職・肩書を付与することで、「周囲から期待されている」などのポジティブな想いから、管理職ではなくなったことによる喪失感を多少なりとも解消できる部分もあるでしょう。

シニアアドバイザーに期待したい役割

若手に指導するシニア社員
 一般的にシニアアドバイザーは、以下のような役割を担う役職です。

後輩社員の教育

 近年、少子高齢化の影響で若手人材の確保が難しくなっています。また、企業では、慢性的な人手不足によって、直接的な業務ではない若手の教育担当が手薄になりやすい点もあります。

 一方で、シニアアドバイザーになるシニア社員には、社会人基礎力や豊富な専門スキルなどが身についています。そのため、シニアアドバイザーに新人や若手のケアをお願いすれば、育成コストも抑えやすくなるでしょう。

 なお、シニアアドバイザーは、一般社員と比べて実務が少ないため、若手の観察などもしやすいポジションです。シニアアドバイザーが後輩社員に指導をすることで、スキルの陳腐化も解消できます。

相談役・助言役

 相談役・助言役とは、豊富な経験や知識を生かし、管理職やプロジェクトリーダーの相談に乗る、助言をするなどの役割です。アドバイザーという形で管理職などと関わることで、シニア社員が役職定年になったあとの居心地の悪さも解消できます。

モチベーションを下げないための注意点

 シニア社員のモチベーションを下げないためには、「後輩社員の教育」と「相談役・助言役」だけに固執せず、本人の希望や適性に合った役割をお願いすることが大切です。

 シニアアドバイザーという役職・肩書の効果性を高めるうえでも、シニア社員という個人と組織の分析をしっかり行ない、組織課題の解消につながるような適材適所の配置や役割の付与をすることが大切です。

シニア社員を活かすために意識したい取り組み

面談するシニア社員
 高年齢者就業確保措置などによって継続雇用されるシニア社員が増えると、企業の人件費が増加する可能性も高いでしょう。そのため、企業にはシニア社員を活かして活躍してもう仕組みづくりが必要となります。

役割と期待を明確に伝える

 シニアアドバイザーという役職・肩書は、シニア社員に付与して終わりではいけません。シニア社員に活躍してもらうためには、シニアアドバイザーに対して、具体的な役割や期待を伝える必要があります。

  • 若手リーダーAくんに、チームビルディングのアドバイスをお願いします
  • Bさんの助言で、Kプロジェクトの品質とコストの問題を改善させてほしいです
  • Cさんの指導と勉強会で、コールセンターの顧客満足度と平均処理時間が向上することを期待します
  • 来年度の新入社員研修で、ビジネスコミュニケーションの講師をお願いします

 自分に求められていることがわかれば、「良い成果を出すために頑張ろう」という想いから、シニア社員のモチベーションも高まりやすくなるでしょう。

 なお、給与を払うからにはきちんと成果をあげてもらうことが重要です。役割と期待だけで終わらず、きちんと目標管理制度、人事評価制度にリンクする形で、目標設定まで実施していきましょう。

キャリア研修を実施する

 対象社員が定年になる前に、キャリアデザインの研修を実施しましょう。定年前のキャリアデザインとは、シニア社員になってからのキャリア、自分がどうなりたいか、どのような貢献をしたいかを考えてもらうことです。

 研修内で自身の人生と向き合ってもらった結果は、適材適所の配置や役割の付与、自発的な目標設定にも役立ちます。また、モチベーション向上、シニアアドバイザーになるために早めの準備も可能になるでしょう。

 一般的に、社員研修は、経験が増えて価値観などが固定化する、つまり年齢が上がるほど効果がなくなるといわれます。しかし、一部のキャリア研修は、人生の残り時間を意識するようなったシニア社員にとって、非常に大きな効果をもたらすのも事実です。

 HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、シニア社員向けに「7つの習慣®」研修を実施することで、大きな効果を上げた実績があります。研修内容に興味がある方は、以下の資料をチェックしてみてください。

人事・給与制度を整備する

 役職定年などを迎えたシニア社員を、現役当時の待遇のまま維持することは、かなり困難です。一方で、シニア社員を雇用する制度が整わず、一律の待遇にしている企業も多い傾向もあります。

 報酬や評価などの外的報酬がモチベーションに大きな影響を与える側面を考えると、高年齢者就業確保措置などの制度に合った人事・給与制度の再整備が必要です。

 シニア社員の人事・給与制度を考える際には、現役社員が不公平感を抱かない配慮も大切です。特に、20代30代の若手社員は、年功序列的な価値観を嫌う価値観も強いため、成果や貢献をきちんと評価することが大切です。

多様で柔軟な勤務制度を用意する

 シニア社員になれば、体力の低下や体調不良なども生じやすくなり、定年前よりも定期通院などで会社を休むことも多くなります。そのため、高年齢者就業確保措置などでシニア社員が働きやすい環境整備をする際には、シニア社員の意見を聞き、以下のような多様な勤務制度を用意することが大切です。

  • フレックスタイム制度
  • 在宅勤務制度
  • 短時間勤務制度 など

「年下上司」に対するマネジメント教育・研修の実施

 シニア社員が増えると、組織内に、年下上司と年上部下の組み合わせが多くなります。シニア社員と歳の離れた年下上司の場合、接しづらいなどの悩みから、うまくマネジメントができない問題も出てくるでしょう。

 特にシニア社員の場合、「昔の上司だった」などの関係性が生じることも有り得ます。問題を解消するには、年下上司にシニア社員との関わり方や信頼関係の構築方法などの研修を実施するのがおすすめです。

まとめ

 シニアアドバイザーとは、役職定年制によって管理職ではなくなったシニア社員に付与する役職・肩書のことです。一般的にシニアアドバイザーには、豊富な経験や知識を活かし、後輩社員の教育や、プロジェクト全体の相談役・助言役などの役割が期待されています。

 企業がシニア社員を活かすためには、本人の希望や適性、各部署のニーズなどを確認したうえで、適材適所の配置や役割を付与することが大切です。また、シニア社員の活躍を促すうえで、以下のポイントも大切にするとよいでしょう。

  • 役割と期待を明確に伝える
  • キャリア研修を実施する
  • 人事・給与制度を整備する
  • 多様で柔軟な勤務制度を用意する
  • 「年下上司」に対するマネジメント教育・研修の実施

 HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、シニア社員向けに「7つの習慣®」研修を実施することで、大きな効果を上げた実績があります。興味のある方は、以下の資料をダウンロードしてみてください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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