女性活躍推進法の基礎知識
![]()
まずは、女性活躍推進法の概要と、2019年の改正内容におけるポイントを確認しましょう。
女性活躍推進法とは
女性活躍推進法の正式名称は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。女性活躍推進法が制定された背景には、以下のように働く女性の現状とともに、少子高齢化による急速な人口減少と将来の労働力不足の懸念を解消する目的がありました。
- 女性の就業率(15歳~64歳)は上昇している一方で、就業を希望しながらも働いていない女性(就業希望者)は約300万人に上っている
- 第一子出産を機に約5割の女性が離職するように、出産・育児を理由に離職する女性は依然として多い
- 女性が出産・育児後に再就職した場合、パートなどの非正規雇用になる場合が多い。そのため、女性雇用者における非正規雇用者の割合は6割近くに上っている
- 管理的立場にある女性の割合は12.5%(平成27年)と、近年緩やかな上昇傾向にあるものの、国際的に見ると12.5%はとても低い など
女性活躍推進法では、こうした現状を踏まえて、女性の個性と能力が十分に発揮できる社会を実現する目的で、国や地方公共団体、民間事業主(一般事業主)の各主体の女性の活躍推進に関する責務などを定めることになりました。
なお、当時の日本政府では、上記を重要かつ喫緊の課題と位置づけ、「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%とする」という目標を掲げています。
出典:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!!
2019年の改正内容のポイント
2019年に改正された女性活躍推進法では、以下3つが特に重要なポイントになります。
・1.一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大
一般事業主行動計画とは、企業が自社の女性活躍に関する状況把握と課題分析を行ない、分析結果を踏まえた自社の行動計画を策定するものです。行動計画には、以下の事項を盛り込まなければなりません。
- 計画期間
- 数値目標
- 取組内容
- 取組の実施時期
改正前の従来制度における一般事業主行動計画の策定は、常時301人以上を雇用する企業だけに義務付けられていました。一方で、改正女性活躍推進法の全面施行となる2022年4月1日以降は、101人以上300人以下の企業にも、策定・届出・情報公表が義務化されることになります。なお、対象拡大は、今後も継続すると考えられています。
・2.女性活躍に関する情報公表の義務化
自社の女性の活躍に関する状況について、以下の項目から1項目以上を選び、求職者などが簡単に閲覧できるように情報公表することも義務付けられるようになりました。
【1.女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供】
- 採用した労働者に占める女性労働者の割合(区)
- 男女別の採用における競争倍率(区)
- 労働者に占める女性労働者の割合(区)(派)
- 係長級にある者に占める女性労働者の割合
- 管理職に占める女性労働者の割合
- 役員に占める女性の割合
- 男女別の職種または雇用形態の転換実績(区)(派)
- 男女別の再雇用または中途採用の実績
【2.職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備】
- 男女の平均継続勤務年数の差異
- 10事業年度前および前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
- 男女別の育児休業取得率(区)
- 労働者の一月当たりの平均残業時間
- 雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間(区)(派)
- 有給休暇取得率
- 雇用管理区分ごとの有給休暇取得率(区)
なお、上記の「区」「派」の意味は、以下のとおりです。
- 「(区)」のある項目は、雇用管理区分ごとに公表を行なうことが必要
- 「(派)」のある項目は、労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、派遣労働者を含めて公表を行なうことが必要
・3.特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設
従来まで存在していた、女性活躍に関する状況などが優良な事業主に対する「えるぼし認定」のさらに上位に「プラチナえるぼし認定」が創設されることになりました。
プラチナえるぼしとは、えるぼし認定企業のなかで、一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取組の実施状況が特に優良であるなどの一定の要件を満たした企業に認定されるものです。
なお、従来のえるぼし認定企業とは、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良であるなどの一定の要件を満たした場合に、付与される認定になります。






