ポータブルスキルをセルフチェック!スキル一覧と診断方法、鍛え方を紹介

更新:2023/07/28

作成:2022/06/11

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

ポータブルスキルをセルフチェック!一覧とお勧めのチェック、鍛え方を紹介※

ポータブルスキルは、その名の通り「持ち歩ける」スキルとして、業界や職種などを超えて成果を生み出す土台となる能力です。仕事で高いパフォーマンスを発揮するうえで、欠かせないスキルであるとも言い換えられます。

 

ポータブルスキルを鍛えるうえでは、どのようなスキルがあるのかという一覧を知り、また、現状をチェックしたうえで、伸ばすスキルを決めて取り組みましょう。

 

記事ではポータブルスキルの一覧やセルフチェックシート、またいくつかの診断、ポータブルスキルの効果的な鍛え方を解説します。

<目次>

ポータブルスキルとは?

ポータブルスキルとは?

 

ポータブルスキル(Portable Skills)とは、業種や職種、業界に関係なく活用できるスキルのことです。「ポータブル」という名前のとおり、職場のタイプが変わっても「持ち運べる」スキルになります。同じニュアンスでトランスファラブルスキル、つまり「移転できる能力」と呼ばれることもあります。

株式会社リンクアンドモチベーションでは、ポータブルスキルを以下の3カテゴリ、24個に分類しています。

【対人力】

さまざまなメンバーと目標達成に向けて協力する力です。

  • 傾聴力
  • 受容力
  • 主張力
  • 否定力
  • 説得力
  • 統率力
  • 支援力
  • 協調力
【対課題力】

状況や課題を把握して、行動・解決する力です。

  • 試行力
  • 変革力
  • 機動力
  • 発想力
  • 計画力
  • 推進力
  • 確動力
  • 分析力
【対自分力】

自分でゴールを設定して到達に向けてセルフマネジメントする力です。

  • 決断力
  • 曖昧力
  • 瞬発力
  • 冒険力
  • 忍耐力
  • 規律力
  • 持続力
  • 慎重力

ポータブルスキルチェックシート

ポータブルスキルには、先述のとおり3分野24個の力に分類できます。ポータブルスキルをうまく伸ばすには、以下のようなチェックシートを活用して、自分の現状を知ることがとても大切です。

 

対人力自己評価他己評価
傾聴力
受容力
主張力
否定力
説得力
統率力
支援力
協調力
対課題力自己評価他己評価
試行力
変革力
機動力
発想力
計画力
推進力
確動力
分析力
対自分力自己評価他己評価
決断力
曖昧力
瞬発力
冒険力
忍耐力
規律力
持続力
慎重力
振り返り

<チェックシートの使い方>
1.自己評価

各ポータブルスキルの自己評価を、1~5段階で記していきます。

 

2.他己評価
他己とは、他人から見た自分です。自己評価だけでも構わないのですが、評価の客観性を高めるには、上司や同僚など、他メンバーからも評価してもらうことがおすすめです。

 

他人から見た客観的な状態を把握すること、また、自己評価と他己評価のズレを把握することは成長につながります。

 

3.評価の振り返りと考察
チェックシートへの記入が終わったら結果を振り返りましょう。まず、現在の仕事でパフォーマンスするのに必要なポータブルスキルを考えてみて、保有スキルの状態と比較してみましょう。

 

仕事で成果を上げるための方法は、ひとつではありません。しかし、以下のような質問を自分にすることで、スキル開発、パフォーマンス改善のヒントが得られるでしょう。

  • 安定してハイパフォーマンスを発揮するにはどんなポータブルスキルが必要か?
  • 自分の強みとなるポータブルスキルは何か?
  • 現在、強みを十分に活かせているか?活かすためにはどんな仕事のやり方にすればよいか?
  • 成果をあげるために必要なポータブルスキルの中で、自分の取得レベルとギャップが大きなものは何か?
  • 弱みによって成果が妨げられていないか?妨げられているとしたら、どのような手によって回避できるか?

ポータブルスキルなどをチェックする診断ツール

ポータブルスキルを厳密にチェックするツールは、ありません。しかし、次に紹介する5つのツールは自己認識に基づくポータブルスキルの獲得傾向、また、「強み」という視点から自分の資質を分析するといったことが可能です。

 

ポータブルスキルは、根底となる価値観や特性・才能、そして、スキルの組み合わせであり、根っことなる価値観や特性・才能を知ることは、効果的なポータブルスキル開発にもつながります。

 

セルフチェックシートと併せて利用すると、自分のポータブルスキルへの理解が深まるでしょう。

ポータブルスキル診断

「仕事の仕方」と「人との関わり方」の8要素からポータブルスキルの診断ができるツールです。20の持ち点を自分の得意なところに割り振る、AとBを比べて自分の得意なほうを選択するという形で行われる「自己認識」による回答です。

 

診断することで、自分のポータブルスキルの強みや弱みが分かります。また、強みを生かせる職種も表示されます。前述のとおり、同じ職種でもパフォーマンスの仕方は複数ありますので、参考程度ではありますが、職種とのマッチングができているかどうかの判断にも使えるツールとなるでしょう。

 

ポータブルスキルセルフチェックのWebサイトから無料で使えます。

 

公式サイト:http://sp.j-hr.or.jp/

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)

177問の質問を通して、自分の「才能」を分析することができるWEB診断です。ここでの「才能」とは、自分の特徴的な思考や行動のパターンであり、才能をどう成果に結びつけるかの方法を学ぶことで才能は「強み」に変わります。

 

診断結果では、全34個の資質から自分が持つ上位5つの才能が分かります。オプションを購入すると、34個すべての資質順位を確認することも可能です。

 

全世界で提供されており、日本でも多くの人が受検しています。また、法人での導入事例も多く、社内の相互理解を促進する共通言語、また、マネジメントツールとして活用されています。診断結果を解説したり、強みとして成果につなげる方法を学ぶ研修等も開催されたりしていますので参考にしてください。

 

公式サイト:https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253634/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0.aspx

VIA‐IS

ポジティブ心理学の第一人者であるクリストファー・ピーターソン博士とマーティン・セリグマン博士が開発した強み診断ツールです。

 

日本では、一般社団法人・日本ポジティブ教育協会のサイトで公開されています。大人向けの診断では、20~30分の無料診断で、自分の特徴や強みを把握可能です。

 

診断結果の概要は日本語で確認できますが、詳細な有料レポートは英語での出力になります。自分の強みやポータブルスキルを伸ばしたい場合は、アメリカのVIA研究所での継続受講も可能です。

 

公式サイト:http://j-pea.org/related-info/via-is

グッドポイント診断

リクナビNEXTが運営する強み発見ツールです。20~30分のテストを受けると、親密性や柔軟性・自立・冷静沈着などの18項目のなかから、自分の強み5つを見つけられるようになっています。

 

グッドポイント診断は、リクルートが持つ独自ノウハウを活かして開発した、就職・転職者向けのツールです。一般のビジネスパーソンも利用可能となりますが、無料でテストを受けるためにリクナビNEXTへの会員登録が必要となります。

 

公式サイト:https://next.rikunabi.com/goodpoint/

Strength Developer

自分が持っている強みを、39の特性から分析できる有料ツールです。パソコンもしくはスマートフォンで受診可能となっており、1回あたりの回答時間は約20分となります。

 

Strength Developerの結果では、人間力・実務力・関係力の3分類、3分類の下にある全6つのカテゴリから強みがピックアップされて可視化され、強みのバランスも見える化できます。

 

公式サイト:https://positiveinnovation.org/strength-developer/

 

特徴主な機能費用URL
ポータブルスキル診断・「仕事の仕方」と「人との関わり方」を自己診断で回答する・ポータブルスキルの状況を自己診断できる
・自分のポータブルスキルを生かせる職種が表示される
無料http://sp.j-hr.or.jp/
クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)・177個の質問を通して、自分が持つ「才能」、上位5つを把握できる・34の資質群から自分の上位5つが分かる(オプションで34個すべての順位も把握できる)
・全世界的に実施され、日本でも個人や法人の導入実績が多い
・上位資質(トップ5)を見つけるためのテスト付き電子書籍:2,340円
・34個のすべての順位が分かる:5,850円
https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253634/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0.aspx
VIA‐IS・ポジティブ心理学の第一人者が開発したツール
・無料で診断可能
・VIA‐ISで定義した24種類の強みのうち、自分を特徴づけるトップ5の強みを把握可能・無料(詳細レポートは有料、また英語表記)http://j-pea.org/related-info/via-is
グッドポイント診断・リクルートのノウハウを活かした転職者向けの強み診断ツール・18種類の強み要素から、自分の強み5つを診断可能
・レポートで各強みの傾向を確認できる
・無料(リクナビNEXTへの会員登録が必要)https://next.rikunabi.com/goodpoint/
Strength Developer・39の特性に分けて強みを分析・3分類・6カテゴリから自分の強みを分析できる
・開発しやすい強みや仕事に活用できる強みなども確認可能
・1名分:3,300円(税込)
1度に10名以上の購入で1名分:2,970円
https://positiveinnovation.org/strength-developer/

 

診断ツール一覧表

診断結果をもとにポータブルスキルを伸ばす方法

診断結果をもとにポータブルスキルを伸ばす方法

 

セルフチェックシートや診断を使っても、診断を受けっぱなしではあまり意味がありません。ポータブルスキルを伸ばすためには、伸ばすスキルを特定して集中的に取り組むことが大切です。ポータブルスキルの開発は、次の3ステップで実践すると効果的です。

 

STEP1:現状を把握する

まずはポータブルスキルチェックシートや診断を使って、自分の現状を把握しましょう。把握する際に大切なのは、今、自分は何ができて、どこが強みなのか(あるいは課題なのか)を見つけることです。

STEP2:伸ばすスキルを決める

24項目のポータブルスキルをまんべんなく伸ばすのは、難しく非効率的です。スキルを伸ばす際は、まず、自分の強みを集中的に伸ばすことを考えましょう。

 

また、今の仕事で成果を上げたり、将来のキャリアアップに必要なスキルを鍛えたりしてもよいでしょう。

STEP3:集中的に鍛える

自分の伸ばすべき強みが特定できたら、日常生活のなかでポータブルスキルを鍛えるためのトレーニングを繰り返します。ポータブルスキルの捉え方は、スポーツ選手の基礎練習や実践練習などとよく似ています。

 

例えば、論理的な発想力を向上させたい場合、ロジカルシンキングで使われる以下のようなフレームワークを学んだあと、日々の仕事のなかで実践トレーニングを繰り返すことが大切です。

  • ロジックツリー
  • SWOT分析
  • 3C分析
  • オズボーンのチェックリスト など

論理的な発想力のトレーニングとしては、図を描いて考え方を整理したり、結論先行で物事を伝える方法に取り組んだりするとよいでしょう。

 

スポーツ選手の基礎練習と実践練習といった通り、ポータブルスキルは仕事における「基礎」となる力です。知識を学んだからといって一朝一夕に高まるものではありません。繰り返しトレーニングして高めていきましょう。

まとめ

ポータブルスキルを伸ばすには、まず、自分の現状を把握することが大切です。現状把握には、記事で紹介したポータブルスキルのセルフチェックシートを活用するとよいでしょう。

 

また、先述の診断ツールを使い、ポータブルスキルの根っことなる価値観や特性・才能を知ることは、効果的なポータブルスキル開発につながるでしょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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