「辞めてもかまいませんから、厳しい研修をお願いします・・・」
こんにちは。ジェイックの知見寺でございます。
4月に新入社員を迎えられた企業様も多いのではないでしょうか。
前号に引き続きまして、今回も新入社員研修のお話をさせていただきます。
今年、弊社では、8社の企業様からご依頼を受けまして、
企業様ごとの新入社員研修を実施いたしました。
そのほとんどの企業様のご意向が
「とにかく、厳しい研修をやって欲しい」
とのことでした。
○ 採用するときに、甘い話をして口説いているので、現場に配属する前に
厳しさを分かってもらいたい。
○ 学生気分がなかなか抜けないので、そこをガツンとやって欲しい。
○ 半年で辞められるくらいなら、入社早々に退職するほうが、お互いに
とって良いのではないか。
○ 営業の現場は結構きついので、それよりも厳しい研修を受けさせて欲しい。
背景の理由や事情は、若干異なりますが、要請事項としては、
「厳しい研修」 なのです。
「厳しさ」は、大きく分けると3つあると思っています。
1)講師の厳しさ(簡単にいうと、叱る講師です)
2)プログラムの厳しさ(精神的・肉体的にきついことを求める)
3)環境の厳しさ(起床時間、食事の内容、学習・睡眠を取る場所)
あるインターネット系のベンチャー企業様では、4日間の研修を行いました。
最初の2日間がマナー研修を中心とした座学のいわゆるオーソドックスな
新入社員研修で、後半2日が、企業に飛び込み、商品を売り込む研修です。
飛び込み研修1日目の結果は、散々な結果でした。
新入社員23名を4名のチームに分けて、チームごとと個人ごとの
売上目標と名刺獲得目標、飛び込み件数目標を立てさせたのですが、
一人として個人目標を達成していませんでした。
その日の夕方、講師からは、
「やる気がないなら、今すぐ辞めてください。」
「この1日にも、皆さんは給料をもらっているんですよ。その給料は
先輩社員の皆さんが一生懸命稼いだものなんですよ。」
「本当に、もうこれ以上できないのですか!」
「今やらない人が、どうしてこれから先にやるようになるんですか。」
と、厳しい言葉がいくつも投げかけられました。
飛び込み研修2日目は、朝から新入社員の目つきが変わっていました。
15時が研修会場に戻ってくる時間だったんですが、9名から
「まだ、名刺獲得が目標までいっていないので、もう少し飛び込みの時間を
ください」と連絡をしてきました。
2日目の結果は、全員が名刺獲得目標を達成しました。
最後の決意表明のときには、ほとんどの新入社員が涙を流し、
何と講師まで感極まって泣いてしまったのです。
さらには、オブザーブしていた常務様をはじめ同席者3名のみなさんも
涙を流していらっしゃいました。
常務様から、「ここまで、変わってくれるとは思わなかった」
とお言葉をいただきました。
この企業様はほとんどが反響営業で、実際に飛び込み営業を行う
ことはないのですが、最初にこの研修を行うことで配属後、「あの研修
に比べれば、まだいいよね」と言われるくらいになっていると思います。
やはり、最初が肝心でしょうか。