皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。
東京は、いまとても過ごしやすい時期ですね。
先週末は土日とも良い天気でしたが、土曜日は、
朝10時から夕方6時過ぎまで、会議室にこもりっきりでした。
何か、損した気分になります。
うって変わって、日曜日は、お昼過ぎに、自宅のある木場から、
門前仲町を通り、永代橋を渡って、鍛冶橋通りを中央通りまで歩きました。
銀座にあるバル(スペイン風居酒屋)で生ビールをぐいっと飲み、
そこからまた、晴海通りを東に向かって、築地、月島、
門前仲町を経由して木場へと戻りました。
とても気持ちよい散歩でした。
さて、今回は、土曜日の会議であった話をご紹介します。
この会議は、昨年10月からスタートしている、
新サービスを担う部署のリーダー7名で集まり、行いました。
この新サービスは、2時間半のセミナーを
受け放題で受けていただけるものです。
全てのセミナーで受講終了後に「これから、行う活動」を明確にして、
レポートに記入していただくようにしています。
単に「参考になった」で終わりにせず、
どう行動変化に繋げるかを最重要視していますので、
上記のようなレポートを記入してもらっているのです。
ところが、この記入していただく「改善行動」の設定の仕方に問題があるため、
行動変化に繋がりにくいという課題があります。
会議では、どうすれば「改善行動」の
設定精度が上がるのかという議論も行いました。
その中で、私が研修で説明している話を、全員に共有しました。
私が、「改善活動」を設定してもらうときには、次の5つの条件を付けます。
条件1. 毎日、行うことを決める
(仕事に関してであれば、ウィークデイだけでOK)
条件2. しないことではなく、することを決める
条件3. 行動を具体的に書くこと
(具体的にとは、どれだけの量をするの?、いつするのか?を
明記していただきます)
条件4. バー(難易度)は低くする
条件5. 行動はひとつだけ決める
特に、バー(難易度)を低くすることの事例で話をするのが、
ジェイックで社内勉強会を行ったときのN君の話です。
N君は、「毎日、本を30ページ読む」と実践活動カードに書きました。
それを見たN君と私の会話です。
私; 「いつ読むの?」
N君; 「帰りの電車の中で読もうと思います。」
私; 「へとへとに疲れていても、大丈夫?毎日30分読める?」
N君; 「それは~あ、難しいかもしれません。」
私; 「だったら、どれくらいだったら毎日必ずできそう?」
N君; 「う~ん、10ページであれば・・・。
でも、疲れていたら、全然読めないですよね・・・。」
私; 「だったら、本を開くって決めたらどうかな?
本を開くだけなら、どんなに疲れていてもできるでしょう。」
この会話を経た後のN君の実践活動は、
「毎日、帰りの電車のなかで、本を開く」
となりました。
本を開きさえすれば、その日の実践活動には、「○」がつきます。
気力に問題なければ、その後、本を読み出すでしょう。
今、行っていない活動、あるいは時折しかできていない活動を、
毎日行うと決めますので、できるだけ低いところから始めることを勧めています。
例えば、「毎日、新聞を読む」と決めた方が、
今、ほとんど読んでいないのであれば、
「毎日、新聞の一面を読む」と
バーを下げてはどうですかと投げかけます。
この「バーを低くする」という考え方は、大学生のときに学びました。
私は、学生の頃、家庭教師をしていたのですが、
教え子のことで悩んでいたときに、
2年先輩の方から次のように教えてもらいました。
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中学生の成績をあげるポイントはいくつかあるけれど、
まずは家で勉強する習慣を付けさせることが、一番重要だよ。
この習慣が付けば、家庭教師がいなくなっても
ある程度までは成績が伸びるから。
でも、毎日○時間、家で勉強すると約束させても、
今まできちんとできていないのであれば、なかなか継続できない。
だから、最初は、家に帰ったらすぐに、
勉強机の上にかばんの中身を全部だすこと、
決まった時間になったら勉強机に向かって座ること、
のふたつを約束してもらう。
お母さんにもこれだけは、必ず守らせるようにお願いする。
机に向かいさえすれば、何をしてもいい。
漫画を読んでもいい。また、すぐに、テレビを観に戻ってもいい。
お母さんにも、教え子にもそう約束を交わすんだ。
でも、面白いもので、机に向かえば、
そこには、教科書や文房具がでているので、
何か勉強をはじめるものなんだよ。
勉強をしていないときは、テレビを観ていたり、
ゲームをしていたりすることが多い。
もう少し、もう少しと言って、ずるずる時間がたってしまう。
勉強する、しないの前に、
リビングの椅子から、立ち上がるところまで行かないんだよね。
だから、勉強を始めるまでの段階を分解して、
簡単で、しかも実効性のありそうなことを選び出して、約束してもらうんだ。
これが、1ヶ月継続できたら、次のレベルの約束をしてもらう。
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この先輩に教えられた通りに行うと、
本当に勉強する習慣を身に付けてもらうことができました。
20年以上も前の話ですので、今の時代にはフィットしない
(勉強しないときには、自分の部屋で、携帯電話を触っていることが
多くなっているかもしれませんよね。)かもしれませんが、
ビジネスにおいて、毎日、継続して行うことを決めるときの
ヒントにはなると思います。
最後に、先に紹介した勉強会のN君のその後をご紹介します。
N君が勉強会を受けてから1年半が経ちます。
さすがに、毎日は「帰りの電車のなかで、本を開く」行動は
続いていないようです。
しかし、今では「月に5冊も本を読めるようになりましたよ!」と言っています。