「会社の数字をすべて公開して何が起こったか?」
皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。
先日、岡山に出張しました。
前回のメルマガの続きになりますが、
岡山では、エスカレーターの左側に立ち、
急いでいる人には、右側を空けていました。
確か、記憶では神戸では右側に立ち、
左側を空けていたと思います。
とすると、
右側を空けるのか、左側を空けるのかの境目が、
また神戸と岡山の間にでてくるのでしょうか?
さて、先週の水曜日7月20日、
弊社の会員制教育サービスを導入いただいている
企業の経営者17名の方々にお集まりいただきました。
趣旨は、
教育に力を入れている、
あるいは教育に課題を感じていらっしゃる
経営者の皆さん同士で意見交換をしていただくことと、
弊社の会員制教育サービスにご要望をお聴きすることでした。
18時からスタートして、
第一部は、
ある大手企業にて現職の支店長であるAさんに、
お話をしていただきました。
Aさんは、
着任する支店を次々と図抜けた日本一にしてしまう
凄腕のリーダーです。
(Aさんが所属する会社は、全国に43支店あります)
そのAさんが、
なぜ図抜けた日本一を獲得し続けることができるのか、
ご自身のマネジメントの真髄をお話しいただきました。
このときのお話を
参加されていたコーワ株式会社の高橋社長が、
ご自身のブログに書かれていらっしゃいますので、
宜しければこちらをご覧ください。
⇒ http://kowa1889.blog72.fc2.com/
第二部は、
17名の経営者の皆さんに
3つのグループに分かれていただき、
教育についての悩みを質問しあい、
それに対して意見や見解を提示しあうというものでした。
私が進行役で参加したグループで、
M社長から“すごい”お話を伺いました。
M社長の会社では、
幹部陣7名が集まり、月に2回程度の会議を行っていらっしゃいます。
その場では、会社の数字を全て明らかにしているそうなのです。
BSとPLはもちろん、資金繰り表まで明かしています。
さらに驚くことにM社長の給与までも明かしていらっしゃるのです。
M社長が仰るには、
このやり方を始めてから、「楽になった」のだそうです。
それまでは、ほとんど会社の数字を明かさずにいました。
もっというと、会社が赤字のときには、
社員が不安に思うといけないと思い、逆のことを伝えていました。
このときは、M社長対40人の社員という構図になっていました。
ところが、数字を明らかにするようになってから、
M社長+幹部7名対33人の社員となったのだそうです。
例えば、
会社が厳しいときに、賞与の話になると、
社長が社員全員と向き合い説明しないとならない。
ところが、今は、7名の幹部社員が数字を知っているので、
この業績だと賞与は出せないですねと意見を言ってきますし、
他の社員になぜ賞与が出せないかを説明してくれます。
M社長と幹部7名が一体となっているんですね。
この話をお聴きして、ドラッカーの言葉を思い出しました。
「情報の共有なくして、一体感は生まれない」
また、以前、読んだ本も思い出しました。
「セムラーイズム 全員参加の経営革命」
リカルド・セムラー著 ソフトバンククリエイティブ刊
http://www.amazon.co.jp/dp/4797336374
倒産の恐れがあった、小規模メーカーだったブラジルのセムコ社を
弱冠21歳で引き継いだリカルド・セムラー氏は、
ブラジル最大の船舶用大型機器と食品加工機を始めとする
多様な工業製品のメーカーに育て上げました。
今では、ブラジルを代表する優良企業です。
そんな奇跡の成長を実現した、
革新的で、前代未聞な経営改革の内容が紹介されています。
セムコ社は、トヨタや京セラをはじめ、
世界中の大企業が見学に訪れるそうです。
セムラー氏の経営哲学は、
「会社は社員のものであり、
会社の目標は利益を上げることではなく、
社員全員が幸せになること。」
また、「従業員=その人の生き方」が、会社を創るという信念をもっています。
そこから、従業員が経営に参画するマネジメント・組織に取り組みます。
例えば、利益を社員にどう配分するのかは、
部署毎にその部署全員で決めてもらいます。
さらに、驚いたのは、新工場建設の場所を決めるために、
全社員で建設候補地を見学し、
全社員で検討をして、建設場所を決定しました。
セムラー氏は、
「常に会社に必要なものは『風通しのよさ』であり、
会社と従業員の間に、『疑い』や『不信』があってはならない。」
と主張します。
同じブラジル出身のカルロス・ゴーン氏は、
「会社にとって必要なのは『透明性』だ」と言っています。
さて、御社の「透明性」は、如何ですか?