リスキリングアドバイザー資格とは?必要性や養成講習を紹介

更新:2024/11/25

作成:2024/11/23

リスキリングアドバイザーは、リスキリングとDX等に関する知識を持ち、企業や行政のリスキリング施策を支援できる資格です。なお、リスキリングアドバイザーの仕事はキャリアコンサルティングの要素に類似する部分もあり、リスキリングアドバイザー資格を取得、かつ国家資格キャリアコンサルタント登録をしている方は、リスキリングキャリアコンサルタント資格として認定されます。

 

本資格はリスキリングアドバイザー養成講習を修了した方に、日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会(JRCA)が認定する資格となります。リスキリングやデジタルの基礎知識、政府の取り組みや補助金などの国策への理解を有し、多くの企業において課題となっているデジタル推進人材の育成をサポートすることができます。

 

記事では、リスキリングアドバイザーの概要や必要とされる背景、養成講座で学んでいく内容を紹介します。

 

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<目次>

リスキリングアドバイザーとは?

まず、リスキリングアドバイザー資格の概要を紹介します。

リスキリングアドバイザーとは?

リスキリングアドバイザーは、リスキリングや生成AIをはじめとしたデジタルスキル、国策についてのリテラシーを有することを証明する資格であり、企業や行政のリスキリング施策を支援できます。

 

リスキリングアドバイザーの資格認定は、「リスキリング」「生成AI(生成AIパスポート準拠)」「デジタルスキル標準」「国策(補助金/給付金)」のリテラシー習得を目的としています。これらのリテラシーを習得することで、生成AIの普及によって大きく変化していくビジネス環境、国が推進するデジタル人材の育成への対応力を高めることができます。

 

リスキリングアドバイザーは、社内人材の学び直し(リスキリング)や行政のリスキリング事業を支援し、デジタル推進人材育成に貢献することが期待されます。

 

日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会(JRCA)とは

リスキリングアドバイザーの資格認定を行っているのが、一般社団法人日本リスキリングキャリアコンサルタント協議会(JRCA)です。

 

JRCAは、生成AI時代におけるキャリアコンサルティングとリスキリング支援や、活躍機会の創出に関する取り組みを推進する目的で、国家資格キャリアコンサルタント資格の創設にも関わった古今堂靖氏を中心メンバーに、2024年3月に設立されました。

 

「リスキリングの普及」「キャリアコンサルタントの養成」「キャリアコンサルタントの活躍機会創生」の3つを活動の柱に掲げており、リスキリングアドバイザー資格の認定は、その活動の一環です。

 

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リスキリングアドバイザーの必要性と時代背景

リスキリングアドバイザーが必要となっているのはデジタル社会への対応とリスキリングの必要性です。

 

ChatGPTを始めとして生成AIは急速に市民権を得て、ビジネス現場でも活用されるようになっています。知識労働の一端を担う生成AIの普及によって、全てのビジネスパーソンに求められるリテラシー・スキルは大きく変化しつつあります。

 

インターネットが急速に普及したり、仕事で携帯電話やパソコンを使うことが当たり前となったりしたように、これからの時代には、効率的に仕事を進めていく上で生成AIを活用していくことが当たり前のように求められるようになるでしょう。

 

こうした新たなツールを使いこなすためは、再学習:リスキリングは必要不可欠です。そして、リスキリングを進めていくには、どのようなキャリアを歩んでいくのかというキャリアプランを明確にしたうえで、何をどう学んでいけばいいのかを考えていく動機付けが重要となります。

 

経験があるビジネスパーソンの方であれば、学びなおさなくても日常の仕事にすぐ困るわけではありません。その中で、学びなおすことの意味・意義が腑に落ちていなければ、主体的な学習は行われません。

 

リスキリングを支援する方も、適切な施策の立案、進行をできるようにするために、こうした生成AIによってもたらされる変化の基礎知識や現状、また、その方自身のリスキリングが重要になってきます。

 

日本政府も、デジタル田園都市構想において、2026年度末までにデジタル推進人材を230万人育成するという計画を掲げており、リスキリングに対する機運は高まっています。

 

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リスキリングアドバイザーの必要スキル

リスキリングアドバイザーには、「リスキリング知識」「生成AIスキル知識」「デジタルスキル標準(DSS)知識」「国策理解」の4領域の知識が求められます。

 

リスキリングを推進していく上で、上記のようなリスキリングやDXの知識、また、国策として推し進められる中で整備されている個人や企業が使える補助金等の基礎知識が大切です。

 

生成AIは、今や仕事でパソコンとインターネット、スマートフォンが使うことが当たり前であるように、10年後には全てのビジネスパーソンが使って当たり前のツールとなってくるでしょう。

 

適切なリスキリン施策の立案・進行、また学習者への動機づけをできるようにするためにも、生成AIの基礎知識を知っておくことが重要になってきます。

 

さらに、DXの推進をサポートできるようになるためには、基本的なデジタルスキルについての理解を深めておくということも大事です。一概に「デジタルスキル」といっても幅広く、例えば、ソフトウェアエンジニアやデータサイエンティスト、サイバーセキュリティなど多岐にわたります。

 

経済産業省が定めるデジタルスキル標準について理解しておくことで、個別具体の仕事内容について深い理解がなくても、リスキリングやデジタルスキル学習について有益なアドバイス、サポートが出来るようになるでしょう。

 

国策への理解も重要であり、リスキリング領域は行政による多くの支援策が走っています。こうした助成金や補助金の基礎知識を持っておくことでクライアントに有効なアドバイスをする、また各種サービスやクライアントの状況を適切に理解できるようになるでしょう。

 

リスキリングアドバイザー養成講習で学ぶプログラム

リスキリングアドバイザー養成講習では、求められるスキルに対応して、以下4つのジャンルを学びます。

  • ①リスキリングキャリアコンサルタントの社会的意義および役割の理解
  • ②リスキリングキャリアコンサルティングを行うための基本スキル
  • ③リスキリングキャリアコンサルティングを行うための生成AIとデジタルスキル標準(DSS)に関する基本知識の理解
  • ④リスキリングキャリアコンサルティングを行う上で必要となる現代の社会的問題とその他の関連領域に関する理解

それぞれのジャンルについて、各分野の第一線で活躍されている方が講師を担当します。国家資格キャリアコンサルタント資格の創設にも関わった古今堂 靖氏、リスキリングの第一人者である後藤 宗明氏といった、分野のリーダーから学ぶことができます。

 

また、生成AIについても、生成AIパスポートの発行団体である一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)のプログラムに基づいて学ぶことで基本的な理解を深めることができます。

 

またリスキリングアドバイザー養成講習を受講すると、GUGAの生成AIパスポート試験を無料で受検することができ、合格すればリスキリングアドバイザー認定資格に加えて、生成AIパスポートの資格認定を受けられます。

 

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リスキリングアドバイザーの活躍する場

リスキリングアドバイザーとなることで、リスキリングに関する活躍の場を広げることができるでしょう。

 

企業におけるDX人材の育成

厚労省の助成金等を使わない形でも、多くの企業でリスキリング。DX推進人材の育成の取り組みが行われています。こうした取り組みの中で重要になってくるのが、前述の通り、動機付けです。

 

「どういった目的で、何をどう学ぶのか?」といったことを明確にすることで、リスキリングの訓練・学習に前向きに取り組めるようになり、訓練の成果が出やすくなります。

 

面談を通してキャリアプランを描けるようにし、そのキャリアプランを実現させるために具体的にどう行動していくのかの言語化のサポートや相談者に合ったリスキリングのやり方等をアドバイスすることで、リスキリングアドバイザーは力を発揮できます。

 

リスキリングアドバイザーの資格認定を受けることで、こうした社員のリスキリングや組織のDX化を後押しすることができるようになるでしょう。

 

経済産業省|リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

経済産業省では、リスキリングと労働移動の円滑化を一体的に進めるという観点から、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を通じて、補助事業者が実施するキャリア相談やリスキリング等に係る経費を支援しています。いわゆる個人向けのリスキリング支援であり、最大で56万円の補助が受けられる制度です。

 

事業者がこの支援事業に応募するためには、支援を受ける個人がキャリアコンサルタント等の民間の専門家に相談できるキャリア相談対応ができる体制を整えておくことが条件の一つとして挙げられています。

 

現在、第四次公募(令和6年4月10日)まで終了し、多くの事業者が個人向けのリスキリングサービスを提供し始めています。その中では、上述の通り、リスキリング提供や転職支援の実施をする前に、相談者個人がこの支援事業のサポートを通して自身が目指すキャリアゴールの設定やスキルの棚卸し、リスキリング講座の検討ができることが求められています。

 

現在、経済産業省の事業以外にも、各地方自治体等でも同様に事業が進められており、リスキリングの知識を持った人材が求められています。

 

厚生労働省|人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」

厚生労働省では、人材開発助成金に新たに「事業展開等リスキリング支援コース」を創設し、新規事業の立ち上げ等の事業展開に伴う人材育成のほか、業務の効率化や脱炭素の取り組みに向けたデジタル化・グリーン化に対応した人材育成を支援しています。

 

経費の助成率は、中小企業が75%、大企業が60%と高い助成率となっており、1事業所1年度当たりの助成限度額も1億円となっています。

 

上述した経済産業省の事業が、個人向けのリスキリング支援であることに対して、こちらは企業内におけるリスキリングやDX人材育成の支援です。ここもリスキリングアドバイザーの活躍の場となってくるでしょう。

 

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企業がリスキリングアドバイザーを活用する意味

企業でリスキリングやDX推進人材の育成をする上で、学習者の動機付けは重要です。動機付けをしっかり行うためにも、キャリア面談などが大きな意味を持ちます。ただ、面談する際に、支援者側にDX領域の知識が欠如していると、やはり面談の質が下がってしまい、動機付けも実施しにくい側面があります。

 

そうした支援者側の問題点を克服できるのが、リスキリングアドバイザーです。経済産業省のデジタルスキル標準等について学び、生成AIやDX分野に一定の知識を持っていることが保証されていることから、安心して相談を依頼することができます。

 

リスキリングアドバイザーを取得した社員がリスキリング支援に関わることで、効率よく組織のDXを推進していけるようになるでしょう。企業において、DX人材育成等のe-learningを契約する、また、自己啓発を支援する際には、こうした「動機付け」もサポートすると、より効果性の高い施策となるでしょう。

 

リスキリングアドバイザー養成講習のご案内

HRドクターを運営する株式会社ジェイックおよびグループ会社の株式会社KakedasはJRCAの設立に関わり、リスキリングアドバイザーの活動を支援しています。

 

とくに株式会社KakedasではJRCAと提携し、2024年9月からリスキリングキャリアコンサルタント養成講座の提供をスタートしています。講座概要や費用、認定の要件等については、下記ページをご確認ください。

 

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