採用サイトの効果的なコンテンツとは?|作成のメリットとコンテンツ制作のポイント

更新:2023/07/28

作成:2023/05/19

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック執行役員

採用サイトの効果的なコンテンツとは?|作成のメリットとコンテンツ制作のポイント

企業の採用活動において、採用サイトは欠かせないツールです。しかし、採用サイトを作っても、求職者に響く内容でなければ意味がありません。

 

つまり重要になってくるのは、コンテンツです。採用サイトのコンテンツを効果的に作ることで、求職者に興味や関心を持ってもらい、応募やエントリーにつなげることができます。

 

記事では、採用サイトに盛り込むべきコンテンツと作るメリット、および採用サイトを製作するポイントについて解説します。

<目次>

採用サイトの概要と盛り込むべきコンテンツ

「採用サイト」とは、自社求人に興味・関心のある求職者に向けた情報を掲載したWebサイトのことで、「リクルートサイト」とも呼ばれます。

 

採用サイトは、顧客や取引先に組織や事業内容を紹介する「企業サイト(コーポレートサイト)」とは大きく目的が異なります。採用活動を成功させるためのツールであり、求職者が知りたい情報、また、求職者の意欲を高める内容を掲載する必要があります。

採用サイトに掲載する基本コンテンツを大きく分けると、会社に関する情報と求人に関する情報です。以下では、それぞれについて簡単に説明していきます。

会社に関するコンテンツ

●経営理念、ビジョン

会社に関する情報として、経営理念やビジョンは非常に重要です。自社の目指す未来に共感できる人材のエントリーを促し、ミスマッチを防ぐ意味でも、しっかり記載するようにしましょう。“どうしてこの理念を掲げているのか”といった背景も詳しく記載することで、求職者も理念やビジョンを理解した上でエントリーできます。

 
●代表メッセージ

組織の考え方を知ってもらい、自社に親近感をいだいてもらう上では、経営者のメッセージも重要です。代表メッセージは企業の姿勢を示すものであると同時に、求職者が企業に共感するかどうかを左右する重要な役目ももっています。

 
●事業紹介

自社がどんな事業をしているのかを記載します。事業内容は、求職者にとっても関心の高い情報であり、コーポレートサイトのようなサービス紹介だけでなく、事業の全体像やビジネスモデル、お客様への提供価値や事業戦略などについても具体的に分かりやすく記載できると良いでしょう。競合との違いやミッション・ビジョンとのつながりなども記載しておくと、求職者にとって有意義な情報となります。

●会社概要

会社概要は事業紹介以外の主な会社情報、設立や社員数、拠点などに関する情報です。表などで掲載してもよいですが、インフォグラフィックなどを使って視覚的に表現するとよいでしょう。

 

●社員紹介

社員紹介は、現場で働く社員の声や姿を紹介するコンテンツです。求職者に等身大の入社後イメージを持ってもらったり、職場の雰囲気や仕事のやりがいなどを感じてもらえたりができます。社員紹介は、写真や動画、インタビューなどの形式で掲載することが多いです。社員紹介は会社に関する情報であると同時に、求人に関する情報でもありますので、うまくリンクなどで誘導するとよいでしょう。

求人に関するコンテンツ

●募集要項

求職者にとって自分が求めている職種や業務内容の求人があるか、また待遇などはどうなっているかは最も関心があるところです。従って、基本情報として募集要項の掲載は必須です。採用サイトは、ナビサイトや求人票と違い、自由に内容を記述できます。求職者のエントリー意欲を高めるように工夫する、また、エントリーを適切に判断できるように採用基準なども掲載するとよいでしょう。

 

●業務内容

業務内容は募集要項の一部と言えますが、求職者にとって特に重要な内容です。具体的な働くイメージを持ってもらうためにも、業務内容は詳細かつ具体的に記載するとよいでしょう。職種の役割や日々の業務内容など、どんな目的で誰に何をすることを求めるポジションなのかが明確に伝わる内容にすることが大切です。

 

例えば、募集職種に就いている既存社員を取り上げて、その社員が普段どんな業務をしているのかを、1日の流れで紹介すると、仕事のイメージが具体的になります。また、応募意欲を高めるうえでは、仕事のやりがいや身に付く力などを丁寧に説明することも大切です。

●教育体系、スキルアップ制度など

入社後の研修プログラムや教育体制、メンター制度などを紹介します。求職者に自社の成長支援や人材育成に対する姿勢を伝えることで、安心感や信頼感を高めることができます。

 
●キャリアパス

キャリアパスは、入社後に描けるキャリアの展望などを紹介するコンテンツです。求職者に企業のキャリア形成やキャリアチェンジの支援を知ってもらうことができます。制度の紹介だけでなく、実際に活躍している社員のキャリアストーリーやキャリアプランなどを紹介するとより効果的です。

 
●応募方法、選考フロー

応募に関する必要書類や注意事項、採用までの選考の流れを記載します。これにより、求職者の応募のハードルや不安を低減できるでしょう。また、応募フォームや問い合わせ先などを分かりやすく表示することで、応募の促進を図れます。

採用サイトを作成するメリット

採用サイトを作成することは、どんなメリットがあるのでしょうか。採用サイトを作るメリット5つを紹介します。

 

メリット① 求職者にとっての情報入手先になる

新卒学生に就職活動の情報入手先を聞いた調査(複数選択)によると、1位「就職情報サイト」に次ぐ2位が「採用サイト」であり、7割以上の学生が参考にしているとのことです。

*株式会社ディスコ キャリタスリサーチ|<就職活動に関する情報の入手先>

 

当たり前の話ですが、今どきの求職者は就職情報サイトで会社を知り、採用サイトで会社の詳細を確認します。そのうえで、口コミサイトで書かれた内容がどれぐらい信頼できるか、実際にどうなのかをチェックします。

メリット②直接エントリーが確保できる窓口になる

採用サイトは、直接エントリーを確保できる窓口になります。採用サイトに、採用担当者と直につながるエントリーフォームや連絡先が設けることで、求職者がサイトを見て興味を持ったとき、その場でエントリーや問い合わせを出来るようになります。そして、自社の採用サイト経由でエントリーを集めることができれば、その分、他の求人媒体の費用を抑えることが可能になります。

メリット③コンテンツを自由に記載できる

求人誌や求人ナビサイトの場合、掲載できる情報量が限られていたり、レイアウトや記載項目が決まっていたりすることが一般的です。動画などを追加しようと思うとオプション費用が発生することも一般的です。

 

一方で、自社の採用サイトであれば、レイアウトや項目、情報量の制限なく、コンテンツを自由に掲載することができます。例えば「ウチでは、この部分を一番に伝えたい」といったポイントがあれば、トップページに置いて目立たせたり、特設コーナーに詳細を記載したり、といったことも自由に行えます。他社と差別化するためのポイントを、視覚的にも内容的にも自由にコンテンツとして掲載できる点も採用サイトの大きなメリットです。

メリット④ミスマッチの低下、選考の質の向上

採用サイトでは、経営理念やビジョン、職場や社員の雰囲気、福利厚生といった、求職者に対して「この会社で何としても働きたい!」といった入社意欲を高められるコンテンツを充実させることができます。これにより、求職者は、企業情報、求人情報を調べる段階で、納得した上でエントリーするようになり、結果として「思っていた会社と違った」などのミスマッチの低下につながります。

 

求職者も採用サイトを通じて、具体的な業務内容や仕事のやりがいといった、詳しい情報を得られるため、面接対策にも活用できるでしょう。面接時により突っ込んだ質疑応答も可能となり、マッチングの質を高める効果も期待できます。

メリット⑤作成したコンテンツが資産になる

求人サイトの場合、苦労してコンテンツを作成しても、掲載期間が終了すれば、コンテンツは失われてしまいます。しかし、採用サイトであれば作成したコンテンツは、将来も活用できる資産となります。たとえば、頑張って1カ月に1人ずつ社員インタビューを作れば、1年後には12人分のコンテンツが出来上がります。

 

こうしてコンテンツを蓄積していけば、新たに人材募集などをする際にも、作成したコンテンツを再利用することが可能になります。また、作成したコンテンツは、SNSや他の求人媒体でも利用できますし、検索エンジン対策としても有効です。

採用サイトのコンテンツ制作で重要な5つのポイント

ポイント①ターゲットを明確にする

採用サイトに限った話ではありませんが、コンテンツを作る際に大切なのは、ターゲットを明確にすることです。

 

採用サイトにおけるターゲットは、「どんな人に応募して欲しいのか?」という人材像です。採用は今後の事業にも大きく影響するものですから、ターゲットをしっかり明確にしたうえでコンテンツを制作する必要があります。

ポイント②採用ターゲットが魅力に感じるものは何かを考える

欲しい人材のターゲットが明確になったら、ターゲットが求めるものは何か?どんな事を魅力に感じるのか?を検討しましょう。例えば、「自己成長に貪欲な若手」を採用したいのであれば、成長のための教育制度や入社後のキャリアパスといったコンテンツ、また、若くしてリーダーを任させたり、重要な仕事に抜擢されたりした若手のインタビューなどが有効でしょう。

 

「どんなものであればターゲットとなる人物は魅力に感じるのか?」を考えてコンテンツを設計することで、採用サイトは、来て欲しい採用ターゲットの応募を促す媒体へと成長していきます。

ポイント③対象に応じてコンテンツ内容を変える

対象ごとにコンテンツ・訴求内容を自由に変えることができるのも、採用サイトならではの強みです。募集する職種やポジションによって、伝えたいメッセージや訴求ポイントはそれぞれ変わるでしょう。

 

例えば、新卒学生と中途経験者では、求人に求めるものも違います。新卒学生であれば、インターンの有無や、年の近い社員のキャリアパスといった情報に関心があるでしょう。一方中途経験者であれば、これまでの経験は活かせそうか?募集ポジションで自分は活躍できそうか?といった情報を欲するかもしれません。

 

新卒向け・中途経験者向けというように、採用サイトでは、採用対象に応じてコンテンツ内容や訴求ポイントを変えることも大切です。

ポイント④企業イメージ、ブランディングに沿ったデザインにする

求人ナビサイトと違い、採用サイトでは、デザイン等も自由に制作することができます。自由なデザインで制作できるからこそ、企業イメージやブランディングに沿った形で採用サイトを作ることが大切になってきます。

 

求職者が採用サイトを訪れた時に最初に目に入る情報は、募集要項や仕事内容など文字情報ではなく、デザインや全体の色調といった視覚情報です。最初に目に入ったデザインが企業イメージにつながってきますので、打ち出したい企業イメージやブランドと調和したデザインにすることが重要です。

ポイント⑤他媒体の掲載情報との整合性をチェックする

企業の採用活動では、採用サイトだけでなく、求人誌や他のナビサイトに求人を掲載することになります。その際、求人サイトと他媒体の情報が食い違っていると、求職者にとっての大きな不信感につながります。

 

応募することに不安を抱くかもしれませんし、「HP運用などをしっかりできていない。いい加減な会社なのかな…」というネガティブなイメージを持たれてしまう可能性も出てきます。求人サイトに掲載するコンテンツは、他の媒体で出している情報と整合性が取れているかどうか、しっかりチェックするようにしましょう。

参考にしたい採用サイト5選

記事の最後では、様々な企業の中から、魅力的なコンテンツが充実した採用サイトを5つピックアップして紹介します。採用サイトを検討する際に参考にしてみることをお勧めします。

 

株式会社ファーストリテイリング

「ユニクロ」で有名なカジュアル衣料の製造・販売を手掛ける日本有数の規模を誇る株式会社ファーストリテイリングの新卒採用サイトです。

 

採用サイトのトップページでは「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というワンメッセージが飛び込んできて、鮮烈な印象を残します。スクロールしていくと、コンパクトに表現されたメッセージや企業理念が登場し、求職者がその先を見ようと思わずクリックしたくなるような見事な導線設計になっています。

https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/

株式会社カプコン

株式会社カプコンの採用トップページでは、「モンスターハンター」や「ストリートファイター」といった誰もが知る同社の人気タイトルの画像がダイジェストで流れるのが特徴です。続けざまに「その感性を世界中の大歓声へ」というキャッチが踊り、求職者のテンションを高めます。他にも、開発ストーリーや社員インタビューと言った、エントリー意欲を高めるコンテンツが充実しています。

https://www.capcom.co.jp/recruit/index.html

株式会社アスカフューネラルサプライ

株式会社アスカフューネラルサプライは、火葬場や霊園などの施設運営や葬儀関連商品の販売といった、葬祭関連の事業を行っている会社です。

 

同社の採用ページでは、入社3ヶ月の新入社員にフォーカスを当てた採用コンセプトムービーを設けており、仕事のやりがいや大変さを、当人の視点から伝えています。挑戦を繰り返しながら、成長実感を得ていく様をダイジェストで体感することで、この会社で自分も働きたい・・・と思えるような、求職者を魅了付けするエッセンスが詰まった作りになっています。

https://asuka-recruit.jp/

ハカルプラス株式会社

求職者が職場や仕事の雰囲気を、リアルに身近に感じてもらう上で、動画コンテンツは非常に効果を発揮します。

産業用計量システムや電気計測機器などの開発や製造、コンサルティングサービスを提供する、ハカルプラス株式会社の新卒採用サイトでは、効果的に動画が活用されています。

 

同社の手掛ける産業用計測システムは、学生には身近でないものですが、採用サイトのトップページでは、仕事の雰囲気が一目で伝わる動画が飛び込んできて、入社後の仕事のイメージが膨らむ工夫が盛り込まれています。

https://hakaru.jp/recruit/

株式会社ケイテック

川崎重工のグループ企業として、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの最新技術のソリューションを提供しているケイテック。

 

同社は、従業員の心身の健康を維持・促進することにも重点的に取り組んでいます。採用サイトでは、リフレッシュ休暇や完備された社会保険制度など、同社の手厚い福利厚生、ワークライフバランスを伝えるページが用意されており、求職者にPRしたいポイントをしっかり伝えています。

https://www.ktec-akashi.co.jp/recruit/recruitinfo/welfare/

まとめ

本記事では、採用サイトのコンテンツをテーマにお伝えしました。

 

採用サイトのコンテンツは、企業の魅力や求める人材像を伝え、ミスマッチを減らすための重要なコンテンツです。求職者にとって魅力的で有益なコンテンツを提供することで、応募意欲や企業理解度を高めることができるでしょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック執行役員

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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