採用活動でよくやる座談会|成功させるポイントとは?

更新:2023/01/19

作成:2022/09/30

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

採用活動でよくやる座談会|成功させるポイントとは?

採用活動でよく実施される座談会は、学生や求職者の企業理解を深めたり、働くイメージを明確にしたりするうえで有効な施策です。

ただ、手軽に実施できる反面、ただの雑談や登壇者への丸投げになってしまっているケースもよくあります。

座談会を効果的に使うには、目的・目標を明確にして事前の準備を行うことが重要です。記事では、座談会のメリットを解説するとともに、成功させるためのポイントを紹介します。

「学生からのよくある質問」など、座談会を開催する際の参考にしてください。

<目次>

就活/採用活動における「座談会」とは?

座談会とは、少人数が集まり特定のテーマについて話す場をいいます。採用活動では、社員と求職者を集めて、対話や質疑する場として設けられるケースが多いです。

以下に、採用活動における座談会の意味合いと、座談会を行うのに適したタイミングについて解説します。

座談会の目的

座談会は、主に求職者の企業理解を深める場として開催されます。

会社説明会よりもくだけた雰囲気、また決まったプログラムはなく、求職者からの質問を受け付けたり、社員同士で対話しながら進めたりすることが多くなります。そして、もちろん選考ではありません。

近年では、中途採用におけるカジュアル面談の変型版として開催される例もありますが、座談会が多く行われるのは新卒採用です。

双方向コミュニケーションを通じ、求職者(学生)の疑問や不安を解消し、働くイメージを明確にして、志望動機を醸成する場として用いられます。

座談会に参加した学生は、社員の発言や社員同士の雰囲気等から、入社後のイメージを膨らませます。

企業の社風や仕事内容などさまざまな情報を得ることで、ミスマッチの防止にも役立つでしょう。

開催のタイミング

座談会が開催される主なタイミングは会社説明会の中、もしくは選考の過程です。

会社説明会の中で実施する場合は、説明会の後半に組み込み、説明会中に学生が抱いた疑問を解消することで次のステップにつなげます。

早い段階で社員との接点を持つことで、仕事への理解が深まり、採用のミスマッチを減らす効果も期待できます。

また、「1次面接の合格者を対象」といった形で、選考の間に設定する場合は、参加する社員の部署や職種を狭めて開催するケースも見られます。

学生の志望職種や適性なども考慮しながら座談会を設定できるため、より志望動機の醸成に役立つでしょう。

また、内定者を集めて開催する座談会もあります。この場合は、入社後の働き方や研修、配属についてより掘り下げた職場の情報を届け、入社意欲の向上と内定辞退の防止につなげることが目的です。

座談会のメリット

座談会には、採用のミスマッチを減らすという企業側のメリットと、欲しい情報を的確に収集できるという求職者(学生)のメリットがあります。以下に、それぞれについて解説します。

企業側のメリット

座談会に参加する求職者は、企業についての基本知識を持っていることがある程度前提です。

そのため、会社概要や事業内容は省略して「仕事内容」や「働き方」「社風」など、より具体的な情報に焦点をあてて発信することができ、会社や仕事について理解を深める場となります。

座談会は、リラックスした雰囲気である程度双方向性も持って実施するため、求職者から質問を受けたり、求職者にコメントを求めたりすることもできるでしょう。

また、座談会を通じて、採用活動における組織の一体感が向上することも企業側のメリットといえます。

座談会に参加した社員は、求職者と接点を持つ中で、自分が採用活動や組織作りに携わっている感覚を持ち、採用シーンでの協力も得やすくなるでしょう。

求職者側のメリット

求職者(学生)にとって、座談会は飾らない社員の姿や職場の雰囲気に触れられる機会です。

事前にインターネットで情報収集したり、会社説明会に参加しても、社風や働き方などの定性的な情報はなかなかイメージがつかなかったりするものです。

求人票などで分かる事業内容や仕事内容に加えて、社員の人柄や職場の雰囲気などは入社企業を選ぶ上で重要なポイントです。

座談会に参加することで企業の理解が深まり、自分にマッチするかも判断しやすくなるでしょう。

会社説明会のような大人数を前にしての質問は躊躇したとしても、座談会のように少人数かつカジュアルな場であれば、思っていることも質問しやすく、企業に対する疑問を解消できます。

また、座談会には複数の社員や求職者が参加するため、他の参加者からの質問や社員同士の対話を聞くことで、自分が考えていなかった情報に触れるチャンスにもなるでしょう。

座談会の進め方

座談会は求職者からの質問も受けながら双方向で進めていくことが望ましいですが、最初から質問してもらうのは意外とハードルが高いものです。

とくに新卒採用では、社会人との会話に慣れていない学生は緊張していることも多く、まずは場の雰囲気を温めることが重要です。

はじめは、社員が中心となってコミュニケーションを取りましょう。アイスブレイクとして最適なトピックは自己紹介です。

所属部署や職種という基本情報があると、学生も質問内容を考えやすくなるでしょう。

コミュニケーションツールとして、社員が氏名・所属部署・役職等を記載した名札をつけていたり、自己紹介カードを配布・投影したりするのも効果的です。

ある程度、参加者の緊張がほぐれてから質問を受け付けると、手が挙がりやすくなるでしょう。

もし、「座談会で質問が来なかったら……」という心配がある場合は、質問カードを使うのも一つの手です。

「この会社を志望した理由は?」「入社1年目で大変だったこと」など、座談会でよくある質問をカードにし、学生に引いてもらい、社員が答える方法です。

その後、「他にも聞いてみたいことある人いますか?」と投げかけると、基本的な情報を得たうえでさらに詳しい質問を口にできるため、求職者の満足度も高まります。

座談会を成功させるポイント

座談会はあまり手間がかからないことから、人事にとっても非常に有難いイベントですが、効果性を高めるためにはそれなりの準備が重要です。

本章では、座談会を成功させるために人事として抑えておくべきポイントを紹介します。

ゴールと対象者を明確にする

はじめに、座談会のゴールは明確にしましょう。ゴールとは、座談会終了後に参加者にどのような状態になってほしいのかを、具体的に定めることです。

「採用フローの段階」「求職者の状態」をもとに考えます。

たとえば、会社説明会の後半で開催する座談会であれば、「説明を聞きながら抱いた疑問を解消してもらう」「説明パートよりも、より社員と近い接点を通じ親近感を持ってもらう」「選考参加につなげる」といったゴールがあがるでしょう。

選考が進んでいる過程の座談会になると、上記よりももう少し具体的になり、「内定候補者の志望度を高める」「可能であれば内定承諾する温度感まで持っていく」ことがゴールになるかもしれません。

とくに選考過程に少人数で実施するような場合は、インタラクティブに進めて、現状での迷いや不安を聞いて、社員がメンターのような形で不安の解消をサポートすることがゴールになるかもしれません。

このように、ゴールが明確になれば、おのずと座談会に参加してほしい社員像も固まります。

会社説明会後の座談会では、年の近い若手社員で良いかもしれませんし、選考途中であれば、若手よりも学生が志望する部署の社員が参加することで仕事の具体的なイメージや働き甲斐をきちんと訴求できるかもしれません。

参加社員にきちんと準備してもらう

座談会に参加する社員を決めたら、参加の打診と同時に座談会のテーマやゴールについて伝えましょう。

基本的に「NG回答」などを決める必要はありませんが、座談会自体のゴールをしっかりと共有し、また、よくある質問などについては回答を整理しておいてもらうことが大切です。

即興で喋るのがとてもうまい人であれば別ですが、普通の人はキーワードだけでも、何を喋るかイメージしておいたほうがスムーズに話せるものです。

また、採用活動に参加するのが初めての社員には、ふさわしい振舞いについてレクチャーするのも、座談会を通じて学生に好印象を持ってもらううえで効果的です。

参加者全員が質問できるようにする

座談会で積極的な参加者がいる場合、質問をするのが一部の参加者のみになってしまうケースがあります。

場が盛り上がるのはいいことですが、発言がゼロの参加者がいないかどうかに気を配りましょう。

座談会の後半で、まだ一度も発言していない参加者には、「〇〇さんは聞きたいことはありますか?」と話を振るようにします。

座談会の時間が限られており、参加者が多い場合は、全員が発言するのは難しいかもしれません。

その場合は、事前にアンケート用紙で質問を募ったり、質問はひとり1回に限ったりという形式にするのも一つの方法です。

双方向の対話を意識する

座談会は説明会とは異なり、リラックスした双方向のコミュニケーションの場にすることで求職者の満足度が上がります。

質問に答える際も、求職者の反応を見ながら回答することが大切です。また、場の雰囲気にもよりますが、双方向であることを意識して、求職者にコメントなどを求めることも有効です。

座談会でよくある質問

業務内容や仕事のやりがいなど、就活生や求職者からよくあがる質問を紹介します。座談会の事前準備を行うときの参考にしてください。

業務内容に関する質問

インターネット上ではわからない、リアルな仕事内容・業務内容についての質問は、就活生や求職者がもっとも気になる部分といってもいいでしょう。

業務内容に関する質問は、仕事のやりがいを伝えられるチャンスでもあります。

【質問例】
  • 普段はどんな仕事をしていますか?
  • 営業の仕事にノルマはありますか?
  • いまの仕事で大学の専攻が役立った瞬間があれば教えてください
  • 文系(又は理系)でも〇〇の仕事に就けますか?

仕事内容を紹介するときは、ただ業務内容を羅列するのではなく、面白いと感じる瞬間や役に立つスキル、業務を通じて成長した点を踏まえて伝えるとよいでしょう。

仕事のやりがいに関する質問

前述の業務内容に重複する部分もある質問テーマですが、こちらは仕事の大変さと面白さの両方を伝えられる質問です。やりがいに関するテーマは学生の志望度にも大きく影響するでしょう。

【質問例】
  • 仕事が楽しいと感じた瞬間を教えてください
  • 仕事が大変なのはどんな時ですか?
  • 入社1年目で、とくに大変だった仕事はありますか?
  • 日々の仕事でのやりがいを教えてください
  • この仕事をしていて良かったと感じるのはどんな時ですか?

なお、「大変だったとき」「難しい業務」といった質問に関して、会社を良く見せようと、取り繕った回答をするのはおすすめしません。逆に正直に答えたほうが、学生の好感度も上昇します。

ただし、終始ネガティブな内容で完結してしまっては、学生も「大変な仕事なんだ」という印象で終わってしまいます。

困難な事態をどのように切り抜け、どんな成長を感じられたかといったストーリーで伝えるとよいでしょう。

入社理由に関する質問

なぜこの会社を選んだのかという入社理由も学生の関心度が高い質問です。

社員の回答内容は求職者や就活生にとって自分の志望理由を考える、また自分の軸と企業が一致するかを考える機会になります。

【質問例】
  • この会社に決めた理由は何ですか?
  • 就職活動中、どんな軸で会社を探していましたか?
  • 他に迷った会社はありませんでしたか?

年次があまりにも離れている社員の場合は、当時と現在の企業ステージが異なり、参考にならない可能性があります。

入社理由についての質問を受けた際は、座談会の時間が限られているようであれば、若手社員から優先的に質問を振るほうがいいでしょう。

社内の雰囲気に関する質問

社内の雰囲気は、業務内容の詳細と同様、ネット等では想像しにくい情報です。従って、求職者からすると企業との相性を判断する上で重要なポイントになります。

【質問例】
  • 入社後、抱いていたイメージとのギャップはありましたか?
  • チームの方とはどのような交流がありますか?
  • 新人のときわからないことはどのように質問していましたか?
  • 御社の社風を一言で表すならどのような感じですか?
  • 休日の過ごし方を教えてください。

「休日」のように一見関係ないと思われるような項目も、「社員同士でBBQをする」「家族と過ごす」「スキルアップの時間にあてる」など、会社の社風となるべき特徴が伝わるものです。

参加する社員には、気負いすぎずに自然体で答えてもらうようにしましょう。

募集要項や選考に関する質問

座談会はフランクな雰囲気のため、福利厚生や給与、人事制度といった質問を学生がしやすくなります。

嘘をついてはいけませんが、募集要項や会社説明会などで伝えている情報があれば、事前に共有して回答内容が食い違わないようにはしておきましょう。

【質問例】
  • 残業時間について教えてください
  • 有給はどれぐらい使っていますか?
  • 転勤はありますか?
  • 配属はどれぐらい希望が通りますか。

質問によっては、社員では正確な回答が難しいものもあります。その場合は、人事担当者に回してもらう、後日人事から回答するなど、正確な情報を伝えられるように気を配りましょう。

まとめ

座談会は、求職者に会社や仕事への理解を深めてもらい、志望度を高める、また、採用のミスマッチを減らす機会です。

求職者の質問を通じて、自社の見られ方などを知ることもできるでしょう。座談会を開催する際は、ゴールを明確にした上で、テーマや参加社員の選定を行いましょう。

よくある質問などは参加社員に事前に共有して答えを考えておいてもらうと、スムーズに進行、また満足度が高い座談会となるでしょう。

また、当日は、なるべく多くの参加者から質問をもらう、参加者からもコメントをもらうなど、双方向性を意識して進行することがお勧めです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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